防衛庁情報局、もしくは防衛省情報局とは、福井晴敏の複数の小説に共通して登場する防衛省・自衛隊の架空の非公開諜報機関。本部は防衛省本省庁舎(市ヶ谷駐屯地・市ヶ谷基地)の地下施設にある。表向きは実在する機関である情報本部として運営されている。英語名はDAIS(ダイス、Defence Agency Information Service)だが、このような名称で呼ばれだしたのは『川の深さは』の末尾からである。ただし、「Defense Agency(防衛庁)」が「省」昇格に伴い「Ministry of Defense(防衛省)」となったため、防衛省情報局と呼ばれる現在の英語名が何かは不明。作品中では「市ヶ谷」という俗称で呼ばれることが多い。現在までに『川の深さは』『Twelve Y. O.』『亡国のイージス』『6ステイン』『C-blossom case729』『Op.ローズダスト』『人類資金』に登場している。また、『戦国自衛隊1549』では明確ではないがそれらしき組織が、『終戦のローレライ』ではその前身組織らしき存在が示唆されており、『震災後』では登場はしていないものの、『亡国のイージス』に登場したDAISの職員が2名再登場しており、DAISの存在も台詞の中で示唆はされている。国益・治安を侵害する事態に対して、「国家公安委員会及び情報活動監視委員会が認める範囲内」で「超法規的対処活動」が認められている。情報活動監視委員会は与野党から選出された国会議員で構成され、公安委員会が与える各事案は担当する複数の議員(状況の重要性によっては内閣総理大臣)の認可を受けて発動する。独自の指揮系統や採用体系を持ち、その存在は世間には公開されていない。母体である防衛省・自衛隊においても、幹部クラスですら知るものは多くない。内外に情報網を張り巡らせ、警察では対応しきれない大規模犯罪や国外からの侵犯行為の察知・事前排除に努め、芽のうちに摘み取れなかった場合は実力行使によって対応する。それらの活動内容はすべて世間には公にはされず隠蔽されなければならない為、現場を元の状態に戻す後始末が徹底される。場合によっては部外者が協力もしくは偶然によって存在及び活動内容を知ることがあるが、その場合は常時“監視下”に置かれることになる。前述の通り活動は超法規的処置、つまり法律を一切無視した非合法な治安活動であり、場合によっては本来守るべき対象である自国民を暗殺することがある。また、作戦失敗や中止等に情報漏洩の可能性があれば、作戦に関与した局員を〝精算〟(=暗殺)して情報漏洩を阻止することもある。典型的な汚れ役の組織である。スローガンは「法を超えた悪には 法を超えた制裁を」。表向きは防衛省情報本部(情報本部設立前は陸上幕僚監部調査部)であるが、情報本部は隠れ蓑であり、氷山の一角にすぎない。第二次世界大戦後、日本が再び軍備を持つことを許された際、「戦後の公職追放令で野に下っていた者達」「島国の価値観が消し飛ぶ世界の現実を見た者達」が集まり、自衛隊内部で結成されたのが前身組織である「治安情報局」。冷戦終結に伴い一旦は解体・縮小されたが、後に再編されたのが「防衛庁情報局」であり、防衛庁が防衛省に省への昇格をした後は「防衛省情報局」である。「防衛庁情報局」の英語名は「Defence Agency Information Service」の頭文字をとる形で「DAIS(ダイス)」であるが、「防衛庁(Defense Agency)」の「省」昇格に伴い、「防衛省(Ministry of Defense)」となったため、現在の「防衛省情報局」の英語名がどうなってるかは不明。尚、大抵は本部のある場所である指して「市ヶ谷」と俗称されている。紋章は、鳥が鉤爪で花弁をつかみ、花弁の中に「情」の文字が刻まれている。(これは、『6ステイン』が文庫化された際の特典として、920SOF・729SOFのピンズと共にDAISの紋章としてとしてデザインされたピンズが元。DAISの紋章のデザインを担当したのは富野由悠季。)テロ対策要撃部隊としてSOF(Special Operation Force/特殊要撃部隊)を数個保有する。SOFの部隊名(「920SOF」等)には、過去の功績著しい構成員のIDナンバーを冠する慣わしがある。もちろん構成員は防衛省の職員である自衛隊員だが、末端の局員は基本的に警察補助官(警補官)と呼ばれる。警補官はさらに普通警補官(AP: Assisting Police officer)と特別警補官(SAP: Special Assisting Police officer)に分類される。各局員にはIDが与えられており、《「7桁の数字」+「‐」+「フォネティックコードのアルファベット1文字」+「‐」+「3桁の数字or4桁の数字」》という組み合わせになっている。普通警補官のIDの末尾は4桁の数字、特別警補官の末尾のIDが3桁の数字となっている。また、特別警補官を「3桁」というあだ名でケースもある。特別警補官は拳銃の常時所持が認められている。SAPはDAISの常勤の正局員であり、正規の自衛隊員と同じく組織で常時働いている場合もあれば、APと同じく表向き民間人として過ごしている場合もある。APは全てが非常勤の局員であり、普段は本物の会社員や公務員や自営業を生業にしており、正規の自衛官出身者の場合は「表向きは自衛隊を除隊した民間人」という立場にある。召集があれば本職の合間をぬって担当士官の下任務をこなす。任務の責任者はCO(Case Officer)という立場に任命され、作戦の指示を行う。文官の立場で入局したものも戦闘訓練を受ける模様。DAISの雇用パターンは複数あるようである。現在のところ、これまでDAISの登場する作品で判明した雇用は下記の通り。国内事案を担当する部署。各方面に管轄が区分されており、陸上自衛隊の管轄区分をそのまま引き移した形となっている。内事本部長を筆頭に置き、各方面部長がそれぞれの管轄の指揮を採る。国外事案を担当する部署。外事統括本部長を筆頭に置く。各作品から推察するに、装備品の開発や改造、コンピュータの管理・運営、プログラムの研究・開発等を担当していると思われる。Special Operation Force(特殊要撃部隊)。局が抱える特殊部隊である。各部隊には3桁の数字が冠されており、過去に傑出した功績を残し、まだ存命の(一種の験担ぎ)局員・元局員のIDが冠される通例となっている。部隊章は、920SOFは青い狼を紋章とし、729SOFは緑の龍を紋章としている(『6ステイン』が文庫化された際の特典として、DAIS紋章と共にデザインされたピンズが元。920SOFは寺田克也、729SOFはカトキハジメのデザイン)。スローガンは「挨拶は撃ってから」。現場の痕跡を抹消することを任務とする。遺体または遺体の肉片、血痕、薬莢などの回収を行い、警察にさえ事態を気付かせないような工作を行っている。局内の汚職摘発・服務規程違反者の処罰等を担当する。ファースト・ストライク・ミッションの略。DAISが保有する特殊部隊SOF傘下のヘリコプター部隊となる予定だった。先制攻撃を視野にいれた部隊で、タンカーに似せた輸送艦でヘリを運び、低空飛行で敵地に侵入。自国に危険をもたらすと判断されたものを無力化、ピンポイントで排除することを目的とする。結果としてFSM構想は実現されることなく、計画は「破棄」された。ただし、モバイルゲーム及びケータイ小説の『FSM-ユファの大地-』でFSMが再登場するはずだったが、2005年の東京ゲームショーで発表されて以降は特に追加情報がないままお蔵入りとなった。また、同作品を漫画化した『「柳花~ユファの大地~」』も原作者・作画・出版社の間でなんらかの不測的事態があったらしく、連載中止になっている。表向きは、防衛省OBが営む自衛官専用の相互保険組合として運営されているが、実態はDAISの施設である。日本全国に全国各所にビルを保有しており、それらがDAISの支部として機能している。職員も表向きは関東生命の従業員であるが、全てDAIS局員である。DAISの局員(APやSAPなど)に義務付けられた月1回のメンタルチェックも関東生命のビル内で行われている。関東生命のビルは、見た目は普通のオフィスビルであるが、構造は要塞といえるもので、安易に侵入できない構造になっている。現在のところ、『敗者達の黙示録』『Op.ローズダスト』『震災後』に登場している。各作品において、主要登場人物もしくは名前が判明している登場人物を明記する。退官したものは「市ヶ谷をヤメた」という意味で〝ヤメイチ〟と俗称することがある。各作品において、主要登場人物もしくは名前が判明している登場人物を明記する。防衛庁情報局の前身は「治安情報局」である。英語名では「CSIS (Civilian Security Information Service)」であり、俗称として「治安」もしくは後のDAIS同様に「市ヶ谷」と呼ばれる。組織の紋章は、白菊の花弁に桜の図柄をあしらった紋章。DAIS同様表向きは陸上幕僚監部調査部となっている。冷戦終結に伴い解体(正確には「縮小」なので、組織自体は存続していた)されたが、後に再編された(『川の深さは』の終盤)のが現在のDAISである。『終戦のローレライ』の終章に「防衛庁広報課」という組織が名前だけ登場しており、『6ステイン』では解体・縮小後の治安情報局が「広報課」を名乗っていることから、世間一般に対しては「広報課」を名乗っていると推測される。このような組織が出来たのは元帝国陸軍大尉であった笹倉雅実が陸軍中野学校に連なる人材を集めて創設された。また、下記の結城 圭一二曹の父親も組織の創設に関わっている。また帝国海軍の大佐だった大湊三吉の尽力もあったからとされる。殆どの作品にこの「治安情報局」についての記述が存在するが、組織そのものが登場した作品は現在のところ『敗者達の黙示録』『壊点 ポイント・ブレイク』『川の深さは』『6ステイン』である。各作品内での活動内容を、核心や結末を伏せて記載する。あらすじについては、各作品の記事を参照。
出典:wikipedia
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