チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(チュリュモフ・ゲラシメンコすいせい、67P/Churyumov-Gerasimenko)は、1969年にとが発見した、周期6.57年の周期彗星である。2014年にヨーロッパ宇宙機関 (ESA) の探査機ロゼッタが周回軌道に到達、着陸機フィラエによる世界初の彗星着陸が行われた。1969年、ソビエト連邦のアルマアタ(現カザフスタンのアルマトゥイ)での彗星サーヴェイに参加するため、ソ連(現ウクライナ)のキエフのキエフ大学から、天文学者たちがに集まっていた。9月11日にアルマアタ天体物理研究所のがコマス・ソラ彗星 (32P/Comas Solá) を撮影し、その写真を調べたキエフ大学のは、写真乾板の端近くに彗星のような像を見つけた。チュリュモフはそれをコマス・ソラ彗星だと思いこんだが、キエフに戻ったあと、乾板全体を詳細に調べてみた。翌月の10月22日、その天体はコマス・ソラ彗星の予想位置から1.8度も離れていたことがわかり、別の天体の可能性が高くなった。乾板をもっとよく調べると、予想どおりの位置にコマス・ソラ彗星がかすかに写っていたので、最初に見つけた天体は新彗星であることが明らかになった。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、2つの彗星がゆっくりとぶつかってそのまま結合したような2重の構造を持つアヒルのオモチャのような奇妙な形状をしている。核の大きさは、小さな側が 2.5 x 2.5 x 2.0 km、大きな側が 4.1 x 3.2 x 1.3 km、核全体の質量は10 kgで、約12.4時間に1回の周期で自転している。表面の地形としては、底が平らなクレーターや点在する大きな岩などが確認されており、崖崩れなどにより水の氷が露出したとみられる明るい部分も発見されている。また、側面が切り立った穴が多数発見されており、中には直径220m、深さ185mにも上る大きなものも存在している。2015年7月現在、穴の形成過程は解明されていないが、彗星の内部に空洞が存在しており、表面が崩れ落ち形成されたという推測がなされている。空洞が存在する理由については諸説あるが、この彗星がもともと小さな破片同士が合体して形成されたためではないかといった説が示されている。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の軌道は一定していない。かつてこの彗星は、近日点距離が4.0 AUの、太陽から遠い軌道を回っていて、まったく観測できなかった。1840年、この彗星は木星へ接近し、近日点距離は3.0 AUまで縮んだ。1959年にまた木星に接近し、近日点距離が1.28 AUになり、現在にいたっている。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は2004年に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関 (ESA) の探査機ロゼッタのターゲットとして選定された。ロゼッタの探査の準備として、2003年3月にはハッブル宇宙望遠鏡 (HST) が撮影した彗星の写真が詳しく分析され、核の全周3-Dモデルが作られ、さまざまな角度からのCGが描かれた。2014年7月14日には、ロゼッタが1万4,000kmの地点から撮影した写真が公開された。観測により彗星が2つの彗星がゆっくりとぶつかってそのまま結合したような奇妙な形状であることが分かった。また20分間隔で撮影した画像を組み合わせて動画にし自転の様子も分かるようになった。ロゼッタはその後、打ち上げから実に10年後となる2014年8月6日、彗星の周回軌道への投入を達成した。ロゼッタによる観測では、詳細な地表写真などが撮影されるとともに、着陸機フィラエによる世界初の彗星軟着陸が試みられた。同機は2014年11月12日15時35分 (UTC)、彗星表面への着陸に成功した。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の物理的特徴については、彗星表面下に生存する微生物の活動に由来するものだとの仮説が提唱されている。ロゼッタの観測では、複雑な有機物質が発見されているが、この説ではそれらを生物由来と推測しており、微生物の活動によって地下に高圧ガスを含んだ空洞が形成され、これが割れることで有機物質が表面に供給されているとしている。彗星が太陽に近づくにつれ、表面の氷は融け雪のような状態となるため、この微生物は液体の水を用いている可能性がある。
出典:wikipedia
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