名古屋市市政資料館(なごやししせいしりょうかん)は、愛知県名古屋市東区白壁にある名古屋市の公文書館。名古屋城からは少し離れているが、名城公園の一部として扱われている。建物(旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎)は重要文化財に指定されており、名古屋市が設定する「文化のみち」の起点に位置付けられる。1922年に建設された旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎を利用して、1989年(平成元年)10月、同年4月に制定された名古屋市市政資料館設置条例の施行により同条例1条によって設置された。2007年(平成19年)1月19日に、開館後の入館者が100万人に達した。本資料館の設置の目的は、「歴史資料として重要な公文書等を保存し、利用に供する等のため」とされている(名古屋市市政資料館設置条例1条)。同条例2条1項により、本資料館は以下の事業を行うものとされている。なお、ここでいう「公文書等」は公文書館法2条の定義による。また、同条例2条2項により、本資料館は、さらに次の事業を併せ行うものとされている。建物(旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎)は重要文化財に指定されており、外観や内部を創建当時の姿に復原し、建物の保存展示、および資料展示を行なっている。なお、玄関、中央階段室および復元会議室以外の内装は重要文化財の指定対象外である。木製の窓枠は創建当時と同様の原料のペンキで塗装されており、補修のため数年ごとに塗り替えられている。2013年2月には、南側、北側の窓枠の塗装が行われた。今回は、創建当時の色に近づけられており、鮮やかな黄色となっている。煉瓦造及び鉄筋コンクリート3階建の洋風建築で、煉瓦積みの壁に白い花崗岩の外壁を持つ。屋根小屋組は木造。内部の中央階段室はステンドグラスの窓や漆喰塗り・マーブル塗りによる仕上げが施された「ネオ・バロック様式」を基調とする。設計は司法省営繕課(工事監督)で、山下啓次郎(工事計画総推主任:司法技師)及び金刺森太郎(設計監督工事主任:司法技師)が担当した。煉瓦造としては最末期の大規模近代建築であり、現存する控訴院庁舎としては最古のものということもあって1984年5月21日に重要文化財の指定を受けた。日本全国に8つ建設された控訴院の建物のうち、現存するのは名古屋と札幌のみである。館内にある建物模型の正面には菊の紋章がついているが、建物自体には付いていない。ステンドグラスのある中央階段室、玄関や外観は全国ネットのドラマ、地元放送局の番組などの撮影で度々使用されている。NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』では2回ロケが行われた。閲覧室(2階南西)は、名古屋市市政資料館の中心的な機能である公文書館としての役割を果たしている。名古屋市を中心とした資料を保存している。、公文書等を後世に残していくための施設であり、その役割は地味ながら重要なものである。公文書館という役割から、当館にしかない資料が多く、一般市民から研究者まで利用者は幅広い。市政資料館は、名古屋市の市制施行(明治22年)以降の資料を中心としている。近世文書に関しては、新修名古屋市史の編纂過程でマイクロフィルム撮影されたもののプリントアウトが一部あるのみ。近世文書に関しては、原本を所蔵し学芸員を配置している名古屋市博物館の利用が望ましい。レファレンス対応はしていない。電話やメールでの資料・情報の問い合わせも対応していないので注意。閲覧は無料。大部分の資料は閉架で、資料保存のため、館外貸出は行っていない。一部に個人情報保護などのため利用できない資料がある。資料の複写は有料で可能だが、一部に複写不可の資料もある。複写の代わりに撮影機器持参で資料を撮影することも認められている。図面などの傷みやすい資料については、資料保護のためカメラでの撮影が推奨されている。司法制度の資料や明治憲法下や現代の法廷・陪審法廷を再現展示しているほか、司法制度に関する資料展示を行っている。2006年3月から名古屋高等裁判所の協力を得て裁判員制度に関する常設展示も開始した。明治憲法下から陪審制度時代、現代、裁判員制度までを展示しているため、大学の法学部などでの利用も多い。展示資料の中には名古屋城の金鯱の鱗の盗難事件の証拠物件もある。名古屋市の誕生から現代までの政治・経済・産業・文化などの出来事について、所蔵資料(写真パネルや複製資料など)で市政との関りに関する展示を行っている。名古屋市自体の歴史の系統的な展示はここだけである。名古屋市の区域がどのように拡がってきたか、どのように産業が発展してきたかなどを知ることもできる。名古屋市の歴史を知ることができるため、小中学校の総合学習での利用も多い。2006年3月から愛・地球博の名古屋市パビリオン「大地の塔」に関する常設展示を開始した。万華鏡鏡像の動画を見ることもできる。会議・集会・研究会・講習会および作品展示など、文化活動を行う場所を提供している。館では『新修名古屋市史』を編纂している。『市史』本文編10巻は刊行済みで、現在、本文編を読み解くための資料編を編纂中である。資料編近代1、近世1、考古1、自然、近代2、近世2、現代が刊行済みで、市政資料館事務室で購入可能である。今後、考古2、近代3が刊行予定。 観光コースに組み入れられることが多く、大型バスでの来館は事前に日程調整が必要。駐車場スペースは少なく、満車になることが多いため要注意。満車の場合、近くのコインパーキングを利用することになる。
出典:wikipedia
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