カトリック正義と平和協議会(カトリックせいぎとへいわきょうぎかい)は、日本のカトリック教会の組織。略称は正平協。カトリック中央協議会の組織であり、また、日本の16教区の各代表である司教で構成された、「日本カトリック司教協議会」によって設置された委員会として活動している。また、全国を16地区に分けた各教区では、教区または、それを代表する司教の直属委員会であったり、社会活動組織という位置づけで、同様の組織が活動している。東京大司教区では社会福祉部門の委員会とされ、その正式名称は「カトリック東京教区正義と平和委員会」と呼ぶ。1967年、ローマで教皇パウロ6世が教皇庁に「正義と平和委員会」を設立した。これを受けて日本でも、1970年に前身となる「正義と平和司教委員会」が正式に司教委員会として承認された。1975年には第1回全国会議が東京で開催された。全国集会は、その後も年1回開催されている。カトリック正義と平和協議会公式ホームページによると、1995年4月に発表されたの声明文「新しい出発のために」において、「歴史の検証」および「経済侵略」を重要な取り組み課題としている。また、現在次のような活動に取り組んでいるとされている。カトリック正義と平和協議会公式ホームページやカトリック新聞によると、現在次のような諸団体と協力・連携して取り組んでいるとされている。等カトリックの福音の精神にのっとり、貧困、抑圧、差別などで苦しめられている社会的弱者と連帯し、正義と平和のために祈り活動することが主旨であるとされる。これらの活動内容は日本の16教区の各代表である司教で構成された、日本のカトリック教会を指導する日本カトリック司教団によれば、「尊いいのちを守るために、神のみ心にそって果たさなければならない預言者的な役割」として、「平和への実現に向かって貢献」するものであり、「時のしるしを読み解き、神のメッセージを伝える」ものとして位置付けられている。また、人間の尊厳は聖書の教えによって神から与えられたものであり普遍的な権利であり、この理念は世界人権宣言(前文)や日本国憲法(前文・11条・97条)にも明記された共通善であることから、人権の尊重と平和の実現に向けて連帯した活動が必要であるとされている。正平協では、キリスト教の信徒とは「神の国完成」のために働く人であることから、社会の問題を他人事と考えたり無関心でいることはキリスト者の生き方に反しており、正義と平和と喜びのある社会こそ神の国の到来であると考えている。キリスト教徒が最も大事にしている「主の祈り」において、神のみ国が来ますように、みこころが地にも行われますように、と祈られているように、キリスト教は個人的な安心や救いを目的とする宗教ではなく、神の支配による社会全体の救いを求めているのであって、キリスト者にとって正義と平和のための活動は、祈りと共に生活の両輪であると考えている。 正平協の活動に対して、日本カトリック司教団は、これまでに靖国神社参拝や政教分離の件を含め、社会問題や正義と平和への態度について、いくつかの公文書で表明している。その内容は、基本的に正平協の主張に沿ったものとなっている。正平協は、カトリック教会が心ならずも靖国神社参拝を儀礼として容認したことは軍国主義下の過去の過ちであり、カトリック教会は目前に迫っている同様の過ちを繰り返してはならない、そして植民地支配と侵略行為についての反省を明記し、天皇中心の国家体制が戦争を起こした過去の誤りを繰り返さないためにも、政教分離原則は守らなければならないとしている。また、日本国の首相による靖国神社参拝を「政教分離に反する」と解釈している。この件に関して、日本カトリック司教団は公文書で日本国首相による靖国神社参拝に対して抗議声明を発表し、また憲法20条の信教の自由と政教分離については、現在の条文の堅持を求めている。また同様に、1936年に祖国に対する信者のつとめの指針において靖国神社の参拝を許容したことについて、戦後に日本国憲法が制定されたこと、国家神道が解体され靖国神社が一宗教法人になったこと、教会も第二バチカン公会議を経たことなどから、当時の指針をそのまま現在に当てはめることはできないとの考えを表明している。正平協は、核兵器に対してその保有が自国を守る最大の武器だという考えを、「誤った論理」であると主張し、世界各国の指導者には、世界からあらゆる核兵器を無くすために、今後いかなる国も核開発をしないことと、すでに保有している国々が歩調をあわせて核の完全廃絶に向けて歩みだすよう、求めている。また、2006年10月9日の北朝鮮による核実験の際にも、実験に抗議するとともに、同国に核兵器の完全放棄を求める声明を2006年11月1日付で表明している。正平協は、政府および自由民主党が2006年から2007年にかけて取り組んだ教育基本法改正(改悪)について、であるとの考えから、これを懸念する声明を2006年11月2日付で表明した。この件について、日本カトリック司教団からも、同日付の公文書において、同様の考えが表明されている。協力、連携活動委員会ではなく協議会の名称を使用しているのは、できるだけ広く参加を求め、運営の民主性を示すためであるとされる。
出典:wikipedia
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