スチェッキン・マシンピストル(露:(Avtomaticheskij Pistolet Stechkina:ステーチキン式全自動拳銃)略称:АПС(APS)は、ソ連軍の大型自動拳銃である。スチェッキン拳銃、スチェッキン・オートマチック・ピストル、APS拳銃とも呼ばれる。APS拳銃は、1940年代末から1950年代初めに銃器設計技師のイーゴリ・ステーチキン(露:(Igor' Jakovlevich Stechkin:1922-2001)により開発され、1951年に「АПС(APS)」の名称で戦車及び装甲車両の搭乗員、砲兵、擲弾筒手、将校の護身用武器としてソビエト連邦軍制式装備として採用された。開発に当たってはおそらくボロ・モーゼル(いわゆる“モーゼル・ミリタリー”自動拳銃)を意識して開発され、現行のトカレフ拳銃やマカロフ PM拳銃と比較して火力、装弾数で勝り、最大600発/分の発射速度で連射が可能であった。ボロ・モーゼルと同じく、取り外し式の銃床を付ければ命中精度の向上も期待できた。これらの利点にも拘らず、拳銃としては余りに大型で重く、特に個人携行装備としては戦闘車両からの緊急脱出の際に邪魔になるという欠点があった。その結果、ソ連軍の装備から除籍され、予備保管に回された。1970年代にはAPS拳銃を元にサプレッサーとストック付きのАПСБ(露:(APB:Avtomaticheskij Pistolet Besshumnyj):消音器付ステーチキン式全自動拳銃)が開発され、軍及び内務省の特殊部隊用に生産された。АПСБ(APSB)は「АО-44(AO-44)」及び「6П13(6P13)」とも呼称される。1990年代初め、ロシアの治安機関は犯罪件数の増大と共に、マカロフ拳銃では威力不十分で、AK系自動小銃では威力過剰であることに気付いた。これらの任務には短機関銃が最適と考えられたが、既にロシア軍は拳銃弾を使用する短機関銃を兵器体系として重視しておらず、ソビエト/ロシアでは第二次世界大戦以降新たな短機関銃を開発・生産していないため、OMON(オモン、特別任務民警支隊)、SOBR(ソーブル、緊急対応特殊課)は、軍から放出されたAPS拳銃を調達して装備した。最新の各種短機関銃や拳銃が存在する現在でも、治安機関職員はその安価さ、弾薬の入手し易さ、十分な性能からスチェッキンを愛用しており、現行の装備品ではより扱いやすい民間用、あるいは自家製の別製銃床が使用されている。APS拳銃は、ダブルアクション機構を有する大型自動拳銃である。安全装置は上部左側面に位置し、単発、連射の切り替え装置も兼ねている。原型の照準器は、25、50、100、200mに設定されている。弾倉は複列式で、20発を装弾できる。制式の銃床は木製(初期型)または合成樹脂製(後期型)で、内部は空洞になっておりホルスターとしてAPS拳銃自身を収納できる。拳銃本体とホルスター兼用のショルダーストック、予備弾倉2個入のものが2連になった弾倉ポーチ(銃本体のものと合わせて弾倉5個、携行弾数計100発)で装備としては1セットとなる。
出典:wikipedia
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