新領域創成科学研究科(しんりょういきそうせいかがくけんきゅうか、英称:"Graduate School of Frontier Sciences")は、東京大学のみに存在する大学院研究科である。略称は創域またはFS。新領域創成科学研究科は、関連する学部をもたない大学院(独立研究科)として、東京大学既存のすべての部局の全面的な協力のもとに1998年に設置された。既存の諸専門領域を基礎にさかのぼって組み替えた領域横断的な教育と研究、すなわち「学融合」を理念に掲げ、新しい学問領域の教育研究を行っている。新領域創成科学研究科には12の専攻が設置されているが、そのうち情報生命科学専攻を除く11専攻は3つの研究系にまとめられている。各研究系・専攻に共通する特徴は、既存の個別学問分野から派生する未開拓の領域を研究・教育の対象とすることである。【】内は各講座内の研究分野である。なお、2008年4月に工学系研究科との間で専攻の統合・再編が行われた。具体的には、基盤情報学専攻が工学系に復帰し、同研究科の電気工学・電子工学2専攻と統合して、電気系工学専攻となった。また、電気工学専攻の一部が先端エネルギー工学専攻に移動した。さらに、工学系研究科環境海洋工学専攻の一部が新領域に移動し、環境システム学専攻と連携して海洋技術環境学専攻が新設された。これらの専攻再編に合わせて、東京大学の全学センターである高温プラズマ研究センターが廃止された。情報生命科学専攻を中心とする研究拠点「言語から読み解くゲノムと生命システム」は、2004年度に文部科学省の21世紀COEプログラムに採択された。情報生命科学専攻を中心とする研究拠点「ゲノム情報ビッグバンから読み解く生命圏」は、2009年度に文部科学省のグローバルCOEプログラムに採択された。学融合の精神に基づき、隣接した東葛テクノプラザや東大柏ベンチャープラザでは、ベンチャー企業が大学発のシーズに基づいた研究開発を行っている。また、産官学が一体となって「環境・健康・創造・交流」のまちづくりが進められている柏キャンパス地域は、2005年12月に決定された第十次都市再生プロジェクト「大学と地域の連携恊働による都市再生の推進」のモデル地域に指定されている。先端生命科学専攻の「超横断的バイオ人材育成プログラム」、およびメディカルゲノム専攻の「バイオ分野の知財戦略の設計検証と人材育成」は、2005年度に文部科学省の「魅力ある大学院教育」イニシアティブに採択された。なお、「超横断的バイオ人材育成プログラム」の取り組みの一つとして、東京大学全学開放科目「生命科学大学院共通セミナー」、「生命科学共通講義」が開設されている。これらの科目はネット配信で聴講する方式をとっている。2007年4月、環境学研究系5専攻(自然環境学専攻、環境システム学専攻、人間環境学専攻、社会文化環境学専攻、国際協力学専攻)を横断する形で「サステイナビリティ学教育プログラム」が設置された。これは、東京大学地球持続戦略研究イニシアティブ (TIGS) ならびにサステイナビリティ学連携研究機構 (IR3S) と協力して、サステイナブルな社会の実現のために国際的な視野を持って貢献できる人材の養成を目的とした修士プログラムである。すべての講義・演習は英語でおこなわれ、修了者には「修士(サステイナビリティ学)」の学位が授与される。2007年8月、文部科学省・日本学術振興会による「大学院教育改革支援プログラム」に、メディカルゲノム専攻と東京大学医科学研究所が応募した「メディカルゲノムサイエンス・プログラム(ゲノムに基づいた5年制生命科学医科学研究者養成プログラム)」が、採択された。2008年4月に基盤科学研究系の先端エネルギー工学専攻と複雑理工学専攻とを横断した「核融合研究教育プログラム」が開設され、核融合実現のための実践的教育が開始された(同年3月31日に廃止された高温プラズマ研究センターの教育機能も継承している)。この教育プログラムは、プラズマ理工学、核融合科学、さらには環境・社会などの広範な分野を学際的・俯瞰的に学ぶことができる「学融合教育カリキュラム」と、先進プラズマ実験装置を積極的に活用し、最先端の研究プロジェクトに直接参画することにより、先駆的・革新的な研究教育を行う「実践的研究教育カリキュラム」とを二本の柱としている。新領域創成科学研究科の同窓会として「創域会」がある。研究科の施設は東京大学柏キャンパスに設置されている。研究科設置当初は本郷キャンパスの各研究科施設の一部を間借りして研究活動を行っていたが、2001年より柏キャンパスへの移転を開始し、2006年4月に移転が完了した。研究科を構成する3研究系はそれぞれ、基盤棟・生命棟・環境棟と呼ばれる近未来的建造物群に設置されている。また、情報生命科学専攻は柏キャンパス総合研究棟などに設置されている。各棟の研究・実験棟は、今後さらに拡張・増設され、最終的には、現在の2倍程度の規模となる計画である。また、研究科附属施設である生涯スポーツ健康科学研究センターは柏IIキャンパスに設置されている。また同キャンパスには、留学生用のロッジが建設予定である。さらに、柏の葉キャンパス駅前に第3キャンパスの用地を確保している。
出典:wikipedia
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