


『花神』(かしん)は、NHKで1977年1月2日から12月25日に放送された15作目の大河ドラマ。周防の村医者から倒幕司令官に、明治新政府では兵部大輔にまで登りつめた日本近代軍制の創始者・大村益次郎を中心に、松下村塾の吉田松陰や奇兵隊の高杉晋作といった、維新回天の原動力となった若者たちを豪快に描いた青春群像劇。司馬遼太郎の小説『花神』(主人公:大村益次郎)、『世に棲む日日』(主人公:吉田松陰と高杉晋作)、『十一番目の志士』(主人公:高杉晋作と天堂晋助)、『峠』(主人公:河井継之助)、『酔って候』の「伊達の黒船」(主人公:伊達宗城と前原巧山)の五作品を、脚本家の大野靖子がドラマ化した。(前記以外にも『燃えよ剣』等の司馬作品からの引用も散見される)「火吹きダルマ」と称された風貌で、技術者的な無骨さを最後まで崩さない大村益次郎を前進座の歌舞伎役者・中村梅之助が演じ、もう一人の主人公とも言うべき高杉晋作を、時代劇初出演の中村雅俊が演じた。梅之助の演技に、原作者の司馬は「梅之助さんは見事に演じきってくれた。演芸史に残る演技だ」「滅多におかしがることのない蔵六も『梅之助氏の演じた蔵六こそ私です』と顔をゆがめるだろう」などと賛辞を送った。最高視聴率は25.9%、平均視聴率は19.0%と、大河ドラマの中では決して高くないが、専門家や業界関係者の間では評価が高く、後に『新選組!』の脚本を担当した三谷幸喜は、この作品を支持している。なお、翌1978年の『黄金の日日』以降は、原則として正月三が日の放送開始を避けるようになった。このこともあってか、年間52回放送は本作を最後に途切れている。周防国の村医者の子として育った村田蔵六は、22歳の時蘭学修行のため大阪にある緒方洪庵の適塾の門を叩く。持ち前の努力が実を結び、めきめきと頭角を現していった蔵六はやがて塾頭にまで成長。そして多くの人間に惜しまれつつ、修行年限を終えた蔵六は帰郷し、村医者として平穏な日々を過ごそうとしていた。しかしそこへ黒船が来航する。時代は蔵六をただの村医者で終わらせようとはしなかった…。そして今一人、若い長州人がこの事件に血をたぎらせていた。吉田寅次郎。彼もまた、その後起こる波乱の中に自らの人生を埋めようとしていた。やがてその思想は高杉晋作・桂小五郎ら弟子達に受け継がれ、蔵六という技術者と結託し、日本を維新回天の大偉業へと導くのであった…。林光が作曲した舟歌風(8分の6拍子)のテーマ音楽。映像は海の上空の雲の中から太陽の方角を色々な角度で撮影したものである。前年までは総集編は前後編二部構成が通例だったが、内容的に盛りだくさんの今作では纏めきれないという判断もあってか、初めて五回に渡る総集編となり以後数年は五部構成の総集編が通例となっていく。なお現在までで総集編としての尺数は今作が最長である。NHKには総集編と第19回「上海みやげ」の現存が判明しており、時代劇専門チャンネル「大河ドラマアーカイブス」において第19回を2009年4月に放送した。また、本作が放映された1977年は、既に普及型家庭用ビデオデッキが発売されており、一般視聴者が録画した映像を今日まで保管している可能性が見込めるため、NHKアーカイブスでは本作の映像提供をサイト上で呼びかけているほか、2009年11月22日放送の『三つのたまご』でも同様の告知がなされた。その関係で、2014年に新たに第24回「奇兵隊」、第39回「周防の人々」の映像が新たに発掘された。NHKではマスターテープが失われた過去の放送番組の収集(制作関係者や一般視聴者らへのビデオテープ提供の呼びかけなど)を進めている。2015年9月現在、NHK番組公開ライブラリーにて総集編全5回の他に第19回、第24回、第39回が視聴可能。
出典:wikipedia
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