『3-4x10月』(さんたいよんえっくすじゅうがつ)は、1990年の日本映画である。北野武監督第2作。1990年9月15日全国松竹系ほかで公開。日本国外配給に当たっての英語タイトルは"Boiling Point"。監督北野武として二作目の映画で脚本も本作から北野が手がけるようになりその後に至る。キャスティングにおいては、渡嘉敷勝男、たけし軍団をメインに据えて、本作では北野は脇役で出演している。興行的には、前作『その男、凶暴につき』がまずまずの成績だったため、邦画系100館以上という規模で公開したが惨敗した。草野球チームに所属しているガソリンスタンド店員・雅樹は、ふとしたことからヤクザと職場で衝突する。それはやがて店とヤクザとの抗争に発展していき、雅樹は知り合いとともに沖縄へ拳銃を買うため旅立つ。北野の作品の中でも独特の作品で具体的な説明もなく淡々と物語が進み、BGMが一切無く、台詞も少ない。タイトル『3-4x10月』のうち、前半の「3-4x」は劇中の草野球の試合で、"3-4x"と表示されたスコアボードに由来する。「10月」は本来10月に公開予定だったために付加されたが、実際の公開が9月になったため、実質的に意味がなくなってしまった。後に、ストーリーのクライマックス部分が10月3日から10月4日にかけての出来事と解釈され、フランス向け配給ではタイトルは "Jugatsu"とされた。タンクローリーが建物に突入するラストシーンは住宅地の空き地を借りて夜間に行ったが、予想に反して大爆発が発生(その模様は住民によりビデオ撮影され、テレビで流されている)。北野が住民に謝罪する事態となった(このシーンはそのまま採用された)。興行的には失敗したものの批評家の評価は高く、批評家の森直人は「目に激しく焼きつく構図頻出する映像にはドラッギーな幻覚性が満ち、批評家はゴダールや大島渚と頻繁に比較し後に訪れるフランスでの熱狂的評価につながった」という見解を示している。本作の公開直後、北野がタレント・ビートたけしとして司会だったテレビ番組『どーする!?TVタックル』の1990年11月12日放送の回で「映画監督の逆襲」と題して本作を題材に討論が行われた。出演者は、北野武のほか、大島渚、伊藤俊也、崔洋一、井筒和幸という映画監督の5人。映画評論家は田山力哉が出演。辛口の映画批評で知られる田山は本作を「『その男、凶暴につき』より毒が薄まっていて面白くない」と評した。田山以外の映画評論家はビデオ出演で『3-4X10月』についてコメントを語るというものだった。田山は1人で低い位置の被告席に座らされ、高いひな壇に座る5人の映画監督から集中攻撃を受けた。『週刊文春』のテレビコラムを執筆する清野徹に糾弾大会という印象を与えるものであった。
出典:wikipedia
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