蔚山級フリゲート(ウルサンきゅうフリゲート、)は、大韓民国海軍が運用するフリゲートの艦級。設計はHDF-2000型と称されており、韓国型護衛艦(FFK)の計画のもとで9隻が建造された。1970年代、朴正煕政権は「自己完結型の国防力整備を目指した8ヶ年計画」を発表した。これは国内技術による艦隊建設を志向したものであり、これに基づいて建造された、韓国初の国産大型水上戦闘艦が本級である。設計は、おおむね、並行して設計・建造された東海級コルベット(HDC-800型)と同系列のものとなっている。船型は平甲板型とされており、比較的乾舷の低い船体の上に4層と背の高い上部構造物が設けられている。復原性確保のため上構はアルミニウム合金製とされているが、それでも不足があり、就役後に固定バラストを追加搭載している。また艦内艤装には木材が多用されるなど、ダメージコントロールの面で問題が指摘されていた。主機関としては、巡航機としてドイツのMTUフリードリヒスハーフェン社製MTU 12V956 TB82ディーゼルエンジン(3,600馬力)2基、高速機としてアメリカ合衆国のゼネラル・エレクトリック社製LM2500ガスタービンエンジン(27,200馬力)2基を搭載し、減速機を介して2軸の可変ピッチ・プロペラを駆動するCODOG方式が採用された。本級は、韓国海軍の水上戦闘艦として初めて艦対艦ミサイルを搭載するなど、重兵装を志向している。ただし基本的には砲熕兵器を主体とする砲装型フリゲートであり、就役時点から既に時代遅れの感は否めなかった。艦橋構造物後部には塔状の前檣が設けられている。その頂部には、前期型では砲射撃指揮と低空警戒兼用のシグナール社(現在のタレス・ネーデルラント社)製Xバンド・レーダーであるWM-28の卵型レドームが設置されていた。後期型では、やはりXバンドで動作するマルコーニ社製S-1810対空・対水上捜索用レーダーに変更されており、砲射撃指揮用としては、同社のS-1802が艦橋構造物上に設置された。また後檣上にはSバンドの対空捜索レーダーであるDA-05が設置されていた。なお、ソナーとしては、当初はシグナール社製、10キロヘルツ級のPHS-32を船底に備えていたが、のちにレイセオン社の同級機であるDE-1167に換装された。主砲としては、76mmコンパット砲を上構前端の01レベルと艦尾甲板上に1基ずつ設置されていた。これを補完する中口径機銃としては、当初はエリコンKCB 30mm機銃を連装に配した米エマーソン社製の有人砲塔であるEX-74を搭載しており、艦橋直前の02レベルに1基、艦橋構造物直後の同レベル両舷に各1基、上構後端の01レベルに1基の計4基が搭載された。後期型ではコンパット・フォーティー40mm連装機銃に変更され、艦橋直前の02レベルのほか、上構後端に大型の甲板室を設けて、その上面両端の02レベルに1基ずつの計3基を搭載した。なお主兵装であるハープーン艦対艦ミサイルは、4連装発射筒2基に収容されて、煙突直後の01レベル両舷に搭載されている。艦名は、大韓民国の地方行政区画から採られている。台湾への輸出が構想されたがこれは実現せず、代わって採用されたのがフランス海軍のラファイエット級フリゲートをベースに独自兵装を施した康定級フリゲートである。その後、バングラデシュにウルサン級を原形としたDW 2000H型(バンガバンドゥ)を1隻輸出することに成功した。しかし、運用すると数多くの欠陥が見つかった上に、当時経営危機下にあった大宇財閥にあえて発注しリベートを受け取ったとして、バングラデシュ国内では発注時の首相までまきこむ汚職事件となった。
出典:wikipedia
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