ハイビジョンブラウン管テレビ(ハイビジョンブラウンかんテレビ)とは、ハイビジョン映像を高精細のまま表示できるハイビジョンブラウン管を採用したデジタルテレビまたはデジタル放送対応テレビのこと。本項目では主に日本国内のハイビジョンブラウン管テレビについて記述する。1080本以上の走査線を持ってハイビジョン映像を高精細に映し出すことができる高品位ブラウン管を採用しており、デジタルハイビジョン放送の高精細映像に対応する。各社のフラグシップブラウン管モデルに採用されていた。しかし後述するように薄型テレビの普及により、2000年代半ば以降は特に日本では生産がほとんど行われず入手が難しくなっている。それでもブラウン管が現在最も高画質な受像機であると考える愛好者が存在するほか、インターネットオークション等で購入するユーザーも存在する。また2000年代中盤までは薄型テレビに比べて低価格であり、数サイズ上のハイビジョンブラウン管テレビのほうが安いというケースも多かったが2000年代後半になると薄型テレビの低価格化が進んだことと後述の理由で発売終了となっていった。NHKは、デジタルハイビジョン放送の視聴に最も適したテレビの1つに「ブラウン管テレビ」を挙げている。デジタルハイビジョンチューナを内蔵しつつもハイビジョンブラウン管を採用していない(ハイビジョン画質で放送されている番組をワイドサイズ保持のまま通常画質に落として画面表示)モデルも存在する。このタイプは基本的にハイビジョンブラウン管テレビには該当しない。このタイプもそうでないタイプ(普通にハイビジョン画質で映すタイプ)もカタログおいて一括りに「デジタルテレビ」などとだけ記載されていたり、あるいは取扱説明書の目立たない箇所に小さく「SDTV: Standard Definition TV(標準画質テレビ)」とだけ記載されている場合がある。例えば該当機種として、三洋電機のC-32DT2、C-28DT2、C-28DT3が挙げられる。またソニーのKD-32SR300、KD-28SR300など、外部入力映像に限りハイビジョン画質で表示可能な機種もある。松下東芝映像ディスプレイが開発したブラウン管。松下はNEWオールフォーカス・チューブ、東芝はブラックブライトロンと呼ぶ。オールフォーカス・チューブよりコントラストを1.3倍向上。松下と東芝の画像処理傾向の相違により、共通のブラウン管ながら画質の方向性は少なからず異なる。東芝が開発したブラウン管。独自の3原色カラーフィルターと透明度の高いガラスを採用。画面のすみまでクッキリと色あざやかな映像を映し出し、映り込みも抑える。東芝が開発したブラウン管。フォーカス感の向上のため、ファインビーム電子銃採用で電子ビームの絞込みを約25%改善。32・36型のみ。ビクターが開発したブラウン管。ダーククリアガラスの採用により黒の再現性を向上し、ハイコントラストの映像を実現。また周辺ピッチの精細化を実現したテンションマスクの相乗効果で画面の隅々までフォーカスのよさを実現したハイビジョンブラウン管。地上・BSデジタルハイビジョン放送の信号をDET回路にデジタル直結することで信号の伝送ロスを解決。ノイズの少ない緻密なハイビジョン映像を映し出し、すべての映像ソースを1500iにアップコンバート表示する。ソニーが開発したトリニトロンブラウン管。元々トリニトロン管は縦方向が平面に近かったが、完全に平面化されたことで外光の映り込みが減り、映像も丸みを帯びなくなった。ピッチも通常管より精細化されハイビジョン放送にも対応する。1996年に開発が発表、1997年に発売された「WEGA(ベガ)」から採用された。平面なのはあくまで表面のみで、表示部は直径100mの円柱の一部を切り取ったものと同じだけの歪みがある。(従来は直径10m)第一世代ではSDテレビの「KV-○○SF○」とMUSEハイビジョンの高級機「KW-○○HDF○」に採用。後の高級モデル「KD-○○HD900」などにはよりピッチが狭まった高精細なスーパーファインピッチFDトリニトロンが採用された。ソニーが開発したトリニトロンブラウン管。FDトリニトロン管より約1.6倍ピッチが細かく、電子銃は10%フォーカス性能が上昇。ソニー最後の民生用ブラウン管。搭載機種で初めて地上デジタルチューナーが内蔵されたのはHR500だったが、それがスーパーファインピッチFDトリニトロン搭載機種の最終機種であったため、地上デジタル放送対応モデルはHR500が最初で最後となった。ソニーHD700(32・36型のみ)/800/600/900・DZ900/950・DX850・HR500・Q015-KX36高精細ブラウン管の性能すべてを使い切るため、QUALIA 015 (Q015-KX36) ではさらに高画質を追求し『カラーフィルター付きスーパーファインピッチFDトリニトロン』となった。デジタルコンバージェンスや電子銃の改良、一層の広帯域化、マイスターと呼ばれる調整人による1台ごとのチューニングにより、画質は民生用ブラウン管の中で最高となった。しかし値段が100万円を超す受注生産方式で、薄型テレビが売り場を独占し始めた時期に発売されたのも相まって販売は苦戦することとなった。ソニーが開発した業務用トリニトロンブラウン管。「HR」は「高解像度」 (High Resolution) の意。業務用モニターのPVMシリーズやBVMシリーズで使われる。「HR」と付いているが、HR500/HR500Bを含めた民生用テレビで使われることはない。三菱電機が「1000本画質」「フラットワイド36」を売り文句に採用したブラウン管。走査線525本のアナログ放送を1050iまでアップコンバート表示できる(通常の525p表示も可能)。同社初のフラットブラウン管。松下電器産業が、1998年に発売した松下初のフラットテレビT(タウ)に搭載したブラウン管。歪みが少なく明るい映像を売りにしていた。このタウシリーズ用のブラウン管には松下電器としては民生用ではじめてテンションマスクシステムを搭載した。トリニトロンとの違いはシャドウマスクにブリッジ構造を有することであるが、それまでのプレスマスクに比べシャドウマスクの板厚みを薄く出来、またブリッジも細くしたことからシャドウマスクの電子透過率を増加することが可能となった。このため明るい画像が表示出来るようになった。また、シャドウマスクがスピーカによる振動を抑制する目的でシャドウマスク周辺に制振子を用い、ワイヤーを用いるトリニトロンでは画像で制振用ワイヤーが視認されることに対して制振子は画像には影響を与えないという特徴を持っていた。当初シャドウマスクに熱膨張の小さなINVAR(36%Ni合金)を用いていたが、その後材料を鉄に変更した。「T(タウ)フラットハイビジョン管」からマスクピッチを中央で約10%、周辺で約5%細密化し、より高精細化を図った。「T(タウ)ファインピッチフラットハイビジョン管」の後継として、約10%マスクピッチを細分化するなどの高画質化を計った。
出典:wikipedia
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