フラグ("Flag")とは旗を示す英単語であるが、ここで扱うフラグは小説・ドラマ・漫画・アニメ・シミュレーションゲーム等のストーリーにおいて、後に特定の展開・状況を引き出す事柄を指す用語である。伏線と同義であるものの、フラグは比較的単純で定型化された「お決まりのパターン」の含意があるとされる。本来はビデオゲーム、とくにアドベンチャーゲームなどの、プレイヤー(読者)の選択によってストーリーが分岐し、異なる結果をもたらす遊戯全般において、それらの論理構造を記述するコンピュータのプログラミング上の基礎的な概念「フラグ」に由来する。これらのゲームは一般にプレイヤーの選択(例えば右に行くか左に行くか)に基づいてシーンの分岐が決定する。その中でも、過去になされた選択(序盤で敵役を助けた、ヒロインに挨拶した等)に基づいてシーンの分岐が決定される場合、プログラムの都合上その「過去になされた選択」を記録しておく必要がある。その記録しておくことをプログラミング用語で「フラグを立てる」と言い、後にシーン分岐を決定する際にフラグが「立っている」ならこのシーン、「立っていない」ならばあのシーン、といった形で用いる。また、フラグは大きなシーン分岐に用いられるに留まらず、伏線を張る為に登場人物のセリフ等を細かく分岐する際にも用いられる。こういった事情から熱心なゲーマーを中心に、登場人物のセリフや行動、演出から(プログラム内部にありプレイヤーには見えないはずの)フラグの状態を推測することでその先の展開を推測しクリアする解析手法が模索され、活発に情報交換された。そして、この手法は特にマルチ・エンディングのゲームをコンプリートする際に効率的な枝刈りやマイルストーンとなる以外にもプレーヤーの期待感を煽る効果があることから、ゲーム製作側が「ストーリー上関連性がありわかりやすい」演出を積極的に採用したことで有為な解析手法として確立した。後に、このような解析結果を基に行われる、フラグが立つことが必至である選択を「フラグを立てる」と表現するようになる。同じ手法がストーリーの分岐などの無い一般の小説や漫画、映像作品などに於いても流用され、特徴的な(言い換えれば類型のありふれた)演出について「あんな演出があったということは○○フラグが立っているだろう。そしてやがて○○が起こるだろう」「きっとあのときに○○フラグを立てていたのだろう」というストーリーの先読みが行なわれるようになった。特に週刊誌の連載や連続ドラマにおいて、(恐らくは急遽決定したであろう)次回や次々回に起こる登場人物の死に一定の効果をもたらすため、挿入される類型モチーフに対する見解を仰ぐ目的として、また期待を助長し、ストーリー予測が毎次話題になることから、次第に広まり、技法として定着した。なお、フラグという概念が認識されるにつれて、フラグが立ったとユーザーや視聴者に思わせておいて、全く異なった展開を意図的に行う作品も見られるようになった。このような、既存のフラグとされている行為をしておきながらその定型通りの展開にならない状態について、その状況や原因に応じて「フラグが倒れる」「フラグを折った」「フラグ壊し」などと表現されることがある。ちなみにプログラミング上の基礎的な概念である「フラグ」においては、「フラグを立てる」の逆は「フラグを降ろす」である。フラグによって分岐した結果のストーリー展開、イベント、シーン等そのものを「フラグ」と称する例もあるが、この用法は誤りである(あるキャラクタの登場場面を「○○登場フラグ」と称する等)。基本的に新語であるため、その意味や分類が通じるか否かは帰属集団による。場合によっては単なる類型がフラグと表現されている場合もある。(物語の類型を参照)登場人物の死亡はインパクトがあり映画やドラマで頻出することから、死亡フラグは特に多用され、代表的な演出が知られている。しかしそれ以外のフラグ(希少な死亡フラグケースも含まれる)に於いては、それぞれのフラグの定義にバラツキが生じ、認識にも個人差がみられる。
出典:wikipedia
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