『神々の山嶺』(かみがみのいただき)は、夢枕獏による小説。『小説すばる』にて1994年7月から1997年6月号まで連載され、1997年8月に集英社により上下巻が刊行された。のちに文庫化。角川文庫より一巻本で文庫化(映画化タイトルにあわせ『エヴェレスト 神々の山嶺』に改題)。第11回平成10年度柴田錬三郎賞受賞。登山家である羽生丈二が、前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑む姿を描く。ストーリーにジョージ・マロリーはエベレストに登頂したのか?という実際の登山界の謎を絡めており、その謎に答えを出しているが、内容はフィクションである。なお登山者向け雑誌『岳人』(ネイチュアエンタープライズ)では2014年9月号より夢枕による『「神々の山嶺」創作ノート』を連載中。またこの小説を原作とした漫画作品が谷口ジロー作画で『ビジネスジャンプ』(集英社)に2000年から2003年まで連載された。単行本全5巻。この作品は2001年に第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門・優秀賞を受賞した。2016年には映画化されている。スピンオフ作品として長谷常雄が主人公の『呼ぶ山』があり、夢枕獏山岳短篇集の表題になっている。『グランドジャンプPREMIUM』2016年3月号には猿渡哲也の作画で漫画化もされた。メンバー全員が45歳以上で構成される中年のエベレスト登山隊は二人の滑落死者を出し失敗に終わる。遠征に参加したカメラマンの深町は帰国する隊員と別れ、あてどなくカトマンズの街を彷徨う中、ふと立ち寄った古道具屋の店先で年代物のカメラを目にする。エベレスト登山史上最大の謎とされているジョージ・マロリーの遺品と見た深町は即座に購入するが、カメラは宿泊先のホテルから盗まれてしまう。カメラの行方を追ううちに、ビカール・サン(毒蛇)と呼ばれる日本人から盗まれた故売品であることが判明するが、故買商からカメラを取り戻すために深町の前に姿を現したビカール・サンはかつて日本国内で数々の登攀記録を打ち立てながら、ヒマラヤ遠征で事件を起こし姿を消した羽生丈二その人であった。帰国後に羽生の足取りを追った深町は、羽生が登山家としては既に峠を越した年齢でありながら、エベレストの最難関ルートである南西壁の冬季単独登攀を目論み、その最中にカメラを発見したことを察知する。恋人との生活も破綻し、目標を見失いかけていた深町は羽生の熱気に当てられるようにカメラの謎と羽生を追い始める。谷口ジロー:作画による漫画版は、2000年~2003年、雑誌「ビジネスジャンプ」(集英社刊)に約3年間にわたって連載された。単行本コミックも、集英社から【愛蔵版】上・中・下 全3巻が刊行されている。また、集英社文庫・コミック版と、【BUSINESS JUMP愛蔵版】も全5巻で発売されている。ほぼ原作通りの漫画化だが、所々に谷口ジローのオリジナルの部分が含まれる。(一例)深町が登攀の途中、アイスフォールの中で助走をつけて、クレバスを飛び越えるシーンは、原作には無い。(ラスト)雑誌連載の最後1回分は、谷口ジローのオリジナルであり、これも原作には無い。2001年、文化庁メディア芸術祭マンガ部門「優秀賞」を受賞。『エヴェレスト 神々の山嶺』(エヴェレスト かみがみのいただき)のタイトルで平山秀幸の監督により実写映画化され、2016年3月12日公開。配給は東宝、アスミック・エース。主演は岡田准一。2015年3月、ネパールでクランクイン。エベレストのベースキャンプ付近の標高5200mでのロケを含め、4月上旬にかけて同地で撮影が行われた。直後の4月25日にネパール地震が発生し、エヴェレストでも大規模な雪崩が発生した。映画では同地震で甚大な被害を受けたカトマンドゥの被災前の様子も映像に収められている。6月にクランクアップ。2016年3月8日にはネパール大地震復興支援チャリティー試写会が行われ、皇太子徳仁親王一家が出席した。一家揃っての映画の鑑賞は2009年の『HACHI 約束の犬』以来、約7年ぶり。
出典:wikipedia
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