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四宮和夫

四宮 和夫(しのみや かずお、1914年10月31日 - 1988年)は、日本の法学者。専門は民法、信託法。法学博士(東京大学、1962年)(学位論文「信託法」)。香川県三豊郡観音寺町生まれ。指導教官は我妻栄。歩く通説と呼ばれた我妻に対し、歩く反対説とも呼ばれた。四宮の反対説の提示によって初めて論点化された論点も多く、日本の民法学に多大な貢献をもたらした。信託法の研究の第一人者であり、その地位は弟子の能見に受け継がれている。各種国家試験の試験委員の任などを全て断り、晩年まで研究に集中していた。後掲『請求権競合論』は、債務不履行と不法行為等の請求権競合問題に関する論文で、民事訴訟法学における訴訟物における旧訴訟物理論・実体法説と新訴訟物理論・訴訟法説の対立を踏まえた上で、民法学の見地から新訴訟物理論の考え方を取り入れ、債務不履行と不法行為の要件及び効果を利益衡量の上一本化すべきとして新実体法説(のうち、全規範統合説)を主張した。奥田昌道が提唱した請求権二重構造説と同じ発想にたつ見解であるが、四宮は、奥田説では効果についてのみ規範が統合されるにすぎず不徹底であるとし、要件および効果を含め請求権競合問題全般についてすべての規範を統合すべきと主張した。利益考量論を主張した星野英一から発想としてはほぼ到達点に達していると評価されている。四宮は、一般論として、星野と同じく利益衡量によって具体的規範を提示するとしながらも、思考と伝達の経済を考慮し、その理由についてはできるかぎり単純な命題に置き換えるべきだと主張してやや我妻に近い立場を表明している。

出典:wikipedia

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