『国盗り物語』(くにとりものがたり)は、1973年1月7日から12月23日に放送されたNHK大河ドラマ第11作。全51回。司馬遼太郎の同名小説『国盗り物語』を核に、司馬の『新史太閤記』『功名が辻』『尻啖え孫市』『梟の城』などを合わせて大野靖子が脚色した。美濃一国を「盗る」ことに生涯を賭けた斎藤道三と、彼に後継者と目され共に天下統一に邁進しながらも、最期には本能寺で激突する織田信長と明智光秀の生き様を描いていく。司馬作品をテレビドラマ化したもの。前作『新・平家物語』がベテラン俳優を中心としたドラマであったのにくらべ、『国盗り物語』は、高橋英樹(信長)、近藤正臣(光秀)、火野正平(秀吉)、松坂慶子(濃姫)など20代中心の布陣であった。これは、当時のプロデューサーが放送前年に颯爽と首相に就任した田中角栄に織田信長の姿を見出し、そのあふれるエネルギーをドラマで表現したかったからだという。原作は道三と信長の二人がリレー形式で主人公になっているが、ドラマはこの形式を踏襲しつつも実際の主役は信長となっている。第1回は信長と濃姫の婚儀から始まり、その後道三の回想で京都御所に通う若き日の道三の場面に移る。その後道三を中心に美濃一国簒奪の話が続き、第14回で再び婚儀の席に戻ってくるという構成。ドラマはこの後、第18回で道三の死、第19回で信長の尾張統一、第20回で桶狭間の戦いへと移っていく。信長役には当初藤岡弘が決っていたが、東映の『仮面ライダー』と重なったため高橋に役がまわった。主役の高橋はこの信長役で一躍スターダムにのしあがる。道三役の平幹二朗は、あまりの高橋信長の人気に「高橋英樹君の若さが羨ましかった」と述懐している。二枚目俳優として女性に大きな人気があった近藤正臣は、本作の光秀で初の敵役を演じた。また火野正平も初のシリアスなドラマ、そして初の準主役級で秀吉を演じた。本作は合戦シーンの撮影や舞台となった地域の放送当時の様子を撮影するためにフィルムを使用している。前年の『新・平家物語』ではフィルム映像や放送当時の映像を入れていなかったので、この点でも前作との違いを際立たせている。なお、物語の最後では岐阜城や信長の墓、そして観光客が天守閣にいる大坂城を映し、時代の変化を感じさせる終わり方となっている。初回視聴率27.5%、最高視聴率29.9%、平均視聴率22.4%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)。登場人物に関する記述は総集編を基にした。太字の出演者は総集編に登場。昭和天皇は本作の大ファンでスタジオ収録の訪問を希望し、桶狭間出陣前夜のシーンを直接観覧した。高橋英樹、松坂慶子、林隆三などに「見てるよ、見てるよ」と親しく声をかけて歓談している。また、スタジオセットの木々を見て「よく育つね」「ここで馬も走らすの」と楽しく過ごしたという。後日原作者の司馬遼太郎と会った天皇は「あれはテレビと原作では違うの?」などと質問をして興味が尽きない様子だった。総集編のマスターテープは現存しておりNHKアーカイブスでも視聴可能でDVDなどの映像ソフトも発売されているが、通常放送回の映像はマスターテープ(2インチVTR)の上書き再利用などによって全て失われていた。2015年、本作の出演者のひとりである杉良太郎が個人的に録画、所有していた第37回「将軍追放」と第38回「小谷落城」のビデオテープが発掘され、NHKに提供された。NHKはマスターテープが失われた過去の放送番組の収集(制作関係者や一般視聴者らへのビデオテープ提供の呼びかけなど)を進めている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。