有馬氏(ありまし)は、日本の氏族の一つ。赤松氏(村上源氏)の庶流で、室町時代に摂津国有馬郡を拠点とした。他流の有馬氏とは区別して摂津有馬氏、赤松有馬氏とも呼ばれる。江戸時代、一族からは久留米藩主家などが出た。明徳2年(1391年)の明徳の乱ののち、赤松則村(円心)の孫で赤松則祐の五男・有馬義祐が摂津国有馬郡の地頭に補せられ、その地に移り住んだため有馬氏を称した。義祐の子・有馬持家は足利義教に側近として仕え、足利義政初期の寵臣として知られる(ただし、義政の寵臣であったのは息子の有馬元家であったとする説もある)。摂津国有馬郡は元々細川氏の力を牽制するために赤松氏が分郡守護になっており、同地を実際に支配していた摂津有馬氏は赤松氏から守護権力を分与された存在と位置づけられ、地頭職(分郡守護)を継承する有馬氏嫡流は当主の発給文書でも「赤松」の名乗りを用いていたが、赤松氏宗家が衰退すると細川氏に接近して有馬郡の支配を維持するようになり、享禄年間以降には当主の文書の名乗りも「有馬」と変えていく。有馬村秀は三好長慶の傘下に入り、同氏に従属する国衆として位置づけられていくが、織田信長の台頭によって新たに摂津一国の支配を任された荒木村重と対立し、天正3年(1575年)の有馬国秀の自害によって断絶した。庶流にあたる有馬重則は播磨国美嚢郡に進出し、同族の別所氏やその縁戚の淡河氏と対立した。その子の則頼は豊臣秀吉に従い、後に御伽衆に列した。則頼の子豊氏は豊臣秀次の家老渡瀬繁詮に仕えていたが、文禄4年(1595年)に繁詮が秀次事件により改易されるとその領地である遠江国横須賀3万石を引き継いで治めた。慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いで有馬父子は東軍に与し、その戦功から則頼は一族の旧領摂津国有馬郡三田藩2万石、豊氏は丹波国福知山藩6万石に封ぜられる。慶長7年(1602年)に則頼が没すると豊氏はその遺領を含め8万石に加増された。その後、大坂の陣においても徳川方として活躍したため、元和6年(1620年)にはさらに加増移封され筑後国久留米藩21万石の藩主となった。家格は大広間詰で、国持大名の扱いを受けた。久留米藩主としての初代は豊氏であるが、「久留米藩有馬家」当主の代数は則頼を初代として数えられる。明治4年(1871年)、11代藩主(12代当主)有馬頼咸の代で久留米藩は廃藩置県を迎えた。有馬家は華族に列し、華族令の公布にともない頼咸の五男である14代当主有馬頼万は伯爵に叙せられた。15代当主有馬頼寧は、大正・昭和期に活動した政治家として知られる。農政・教育・社会事業やスポーツに携わり、戦前は農林大臣、大政翼賛会事務局長などを歴任。戦後には日本中央競馬会第2代理事長としてファン投票による出走馬の選定という当時前代未聞の画期的な選抜方法を考案し、有馬記念にその名を残している。頼寧の三男で16代当主の有馬頼義は第31回直木賞作家である。頼義の子で17代当主の有馬頼央は有馬家ゆかりの神社水天宮の神職及び奨学団体の理事長を務めている。久留米藩2代藩主忠頼は当初跡継ぎに恵まれなかったため、但馬国出石藩主小出吉重の子で外甥にあたる有馬豊祐を養子とした。しかし、後に頼利、頼元が生まれ、豊祐には支藩として松崎藩1万石を分封された。だが豊祐は縁戚である陸奥国窪田藩主土方氏のお家騒動の仲裁を怠った責を問われて土方雄隆(正室が小出吉重の娘、豊祐にとっては姉婿)に連座。改易された。嫡子小出英致(初名:有馬豊胤)は小出氏の養子となり、松崎支藩主家はわずか一代で断絶した。有馬頼咸の八男有馬頼多は分家し、男爵に叙せられた。臨済宗相国寺派管長の有馬頼底は男爵家の出身である。久留米藩初代藩主有馬豊氏の三男の有馬頼次は徳川忠長に仕えて1万石を給されたが、忠長の改易に連座した。頼次の継嗣(有馬則氏の外孫)有馬吉政は徳川頼宣に仕え、以後代々紀州徳川家に仕えた。吉政から数えて3代目にあたる有馬氏倫は、紀州藩主時代から徳川吉宗に側近として仕え、吉宗が将軍となると御側御用取次となった。有馬氏倫は数次にわたる加増を受け、享保12年(1727年)には1万石の大名となり、伊勢西条藩を立藩した。同族の久留米藩が外様大名であるのに対して、大名取り立ての経緯から氏倫系の有馬家は譜代大名である。天保13年(1842年)、5代藩主有馬氏恕のときに上総国へ陣屋を移して五井藩を立藩。続いて氏倫から9代目(五井藩5代藩主)の藩主有馬氏郁の時には下野国に移り吹上藩となっている。10代目(吹上藩2代藩主)有馬氏弘の代で廃藩置県を迎える。久留米藩主有馬頼咸の子有馬頼之が養嗣子となり、子爵の爵位を授けられた。頼之の子の有馬聰頼は1943年に爵位を返上している。 凡例 太線は実子、細線は養子。1 = 久留米藩有馬家歴代当主
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。