箕(み)は、脱穀などで不要な小片を吹き飛ばすことを主目的として作られる平坦なバスケット形状の選別用農具(農作業で使う手作業用具)であり、民具。機械式の脱穀用具と区別して手箕(てみ)とも言う。英語では「脱穀用バスケット」との意味で "winnowing basket" と言う。箕は、農作業において穀物を主とする収穫物から不要な小片を吹き飛ばして選別するために古くから用いられてきた道具であり、また、とりあえずの容器としても使えることから、様々な伝統的労働における採り入れや運搬などにも流用されてきた。作業内容に応じて適当な大きさ・形状のものを選択することになる。選別作業の実際は、日本やヨーロッパなどの場合は、適量の材料を入れた箕をあおるようにして内容を放り上げ、再び箕で受けるという所作の反復により、自然の風や箕自体が起こす風を受けて軽い夾雑物が吹き飛ばされ、重い穀物だけが箕に残るというものである。アフリカやアジアの諸地域などでは、本項で示したいくつかの画像にもあるとおり、高く掲げた箕から足元へ振るい落とす過程で風によって軽い夾雑物を吹き飛ばすという方法を執る場合も多い。素材としては、世界で広く用いられている木の皮(経木。籐を含む)のほか、アジア東部など竹を産する地域では特にそれが加工性に富む有用性から多用されてきている。合成樹脂製品が普及して以降、それらの普及率が高い先進国に限ってはプラスチックなど合成樹脂製の箕が一般的となっている場合もある(例えば日本の場合はプラスチック製がより多く普及している)。合成樹脂製の箕は、軽量かつ丈夫でありながら安価でもあることから、それを手に入れやすい地域では旧来の素材から置き換わる傾向が強いと言える。もっとも、世界全体を隈なく見渡せばまだまだ例外的である。そのほか、金属製のものもある。日本では、箕作り(箕作)は伝統的に竹細工であった。かつて日本の農村では箕による選別は農家の主婦を始めとする女性の重要な仕事であった。このことは日本に限らず、世界の多くの地域でも同様である。一方、かつてアイヌが使用していた箕「ムイ」は、シナノキやカツラの材を彫り抜いたものである。現代では、箕が塵取りの代わりとして利用されていることもある。この場合、箕は金属製やプラスチック製であることが望まれる。箕宿は中国天文学における二十八宿の一つであるが、ここでの「箕」は本項の「箕」のことであり、英語でも "The Winnowing Basket" と呼ばれている。日本では、「サンカ」なる人々が古代から近世までの長きにわたって山間部や里山近くに住まっていたといわれているが、このサンカは、箕作りを始めとする箕にまつわる労働を生業にしていたと俗説されている。詳しくは「サンカ (集団名)#俗説」を参照のこと。長野県佐久地方]には箕を使用し、幼児の成長を願う初誕生の行事がいくつかある。箕という農具を持たない文化圏において、唐箕など機械式の脱穀道具(脱穀機)がもたらされる以前の時代に、つまり先史の時代より、どのように脱穀していたのかと言えば、それらの多くは、園芸用スコップ型(柄の短いショベル型)あるいはそれに長い柄を付けたショペル型とも言える形状の道具、もしくは、英語で "winnowing fork" と呼ばれるフォーク状の道具あるいはフォーク状の道具に長い柄が付いたものが用いられてきた(大昔から使われており、今も地域によっては使われ続けている)。使い方で箕との違いはほとんど無く、すくって宙に舞わせ、風で小片を吹き飛ばすというものである。古代エジプトでは、英語で "winnowing fork" に分類されるフォーク状の道具を手に持って叩くようにして脱穀を行っていたことが知られている。なお、箕以外の非機械式の脱穀用具については、ギャラリーの画像(■)も参照のこと。
出典:wikipedia
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