関越トンネル(かんえつトンネル 英語表記:Kan-etsu Tunnel)は、群馬県利根郡みなかみ町と新潟県南魚沼郡湯沢町の県境間にある関越自動車道のトンネル。谷川岳を貫通している。利根郡みなかみ町の谷川岳PAと、南魚沼郡湯沢町の土樽PAの間にあり、全長は上り線が11,055m、下り線は10,926mで道路のトンネルでは日本最長だったが、2015年3月7日に首都高速中央環状線の山手トンネルが全線で開通したのに伴いその座を明け渡し現在はそのトンネルに次いで2番目、世界でも16番目という長大トンネルでもある。ただ、山岳道路トンネルでは日本最長である。総事業費は当時で約630億円。1985年10月2日、現在の下り線トンネルが開通した。当初は片側1車線(暫定2車線)の対面通行であった。これにより、関越道の練馬IC - 長岡JCT間の全線が開通し、日本で最初の列島横断道が完成した。更に1991年10月22日に上り線トンネルが開通し、全区間が4車線となった。長大のトンネルゆえか、トンネル内は開通以来最高速度が70km/hに規制されていたが、2015年10月1日に80km/hに引き上げられている。なお、谷川岳PAにはトンネルの概要などを紹介したトンネル館が2014年まであった。事故・火災・故障車両発生などの緊急時に備え、上下線ともトンネル入口には信号機が設置されている(トンネル最直前の信号機の手前には、赤信号のときの停止線がある)。トンネル内ではハイウェイラジオが放送されている。再送信は在京の民放AMラジオ3局(TBSラジオ(954kHz)、文化放送(1134kHz)、ニッポン放送(1242kHz))とNHK第1東京局(594kHz)(これらのラジオ局に設定していても、数回NEXCO東日本の案内メッセージが流れる)。新潟との県境であるが新潟県域局であるラジオ局(新潟放送(BSNラジオ)とNHK新潟放送局のラジオ第1放送)は再送信されていない。また、全線にわたって携帯電話の通話も可能である。トンネル内の電力は、走行車線側および追越車線側が、それぞれ東京電力および東北電力により供給されている。これは、一方の電力会社のみに起因して停電となっただけでトンネル内が消灯してしまうのを避けるためである。153キロポスト付近に群馬県と新潟県の県境があり、路面と壁に線が引かれていて走行中でも見えるほどに大きく書いてある。トンネルの換気のため、谷川地下換気所(水上側から3,738m地点)、万太郎地下換気所(湯沢側から2,968m地点)が設けられている。地上部が非常に急峻な地形で登山道すらなく、作業道を開通させることができなかったことから、通常のトンネルと異なりトンネル内部から掘り上げるという変わった工法で建設された。このため、換気所の地上部分については、修景にまで手が回らず、コンクリート打ちっ放しという非常に無機質な外観となっている。関越トンネルには、上・下線のトンネルの中間に平行して避難坑(避難用トンネル)が存在している。このトンネルは、建設時に地質調査や本トンネル建設作業のための先進導坑として掘られ、後に避難用として転用されたものである。両側の本線からは下り車線は350mおきに、上り車線は700mおきに連絡口が配置され、火災等の緊急時には当該トンネルから避難坑へ、さらには反対側のトンネルへ避難することも可能である。こうした避難坑の設置思想は、東名高速道路の日本坂トンネル火災事故での死亡事故を教訓として、関越トンネル以降に建設された自動車用長距離トンネル建設において、一般化されるようになった。およそ11kmに及ぶ長大トンネルであるため、関越トンネルを含む水上IC - 湯沢ICの間は危険物積載車両(柏崎刈羽原子力発電所の核燃料を除く)は通行できない。県境を越えるこれら車両は月夜野IC - 湯沢ICの間は、国道17号(三国峠)を通行することになる。これは、該当車両が水上ICで退出したとしても、接続道路である国道291号は県境付近が通行不能であり、結果として国道17号を利用するために月夜野IC付近まで戻る必要があるためである(下り線の月夜野ICおよび水上ICの手前と、上り線の湯沢ICの手前には、該当車両に退出を促す内容の標識がある)。なお、上り線を走行している該当車両がトンネル手前まで来てしまった場合には、下り線へUターンできるよう土樽PAに退出路が設けられている。また、金属製のタイヤチェーンを装着した車両は危険防止のため(主に、走行中に破損する恐れがあるため)通行が禁止されている。このためスタッドレスタイヤを使用するか、トンネル両端部の谷川岳PA、土樽PAでチェーンの脱着作業を行う必要がある。ただし、ゴム製のタイヤチェーンの場合はそのまま走行可能だが、路面との摩擦による破断を防ぐため速度が50km/hに規制される。ちなみに、トンネル手前の各PAまでチェーン規制が行われている場合や、降雪により今後チェーン規制を行う可能性がある場合は、スタッドレスタイヤ車や大型車を含め全車がこれらPAに誘導されタイヤの確認が行われる。この影響により、これらPAを先頭に渋滞が発生しやすい。トンネル維持・管理費が高額なため、トンネルにかかる水上IC - 湯沢IC間は対距離料金が他区間に比べ、1.6倍にもなっている(関越特別区間)。これは長距離トンネルである中央自動車道の恵那山トンネルや東海北陸自動車道の飛騨トンネルも同様である。なお、2011年8月1日より2013年年度末までの予定で、恵那山トンネルや飛騨トンネルと共に料金が一般区間並みに引き下げられた。その後、2014年4月1日より当面10年間実施の予定で、ETC無線通行時に限り、引き続き料金引き下げが行われている。2012年12月2日午前8時頃に発生した中央道上り線笹子トンネル天井崩落事故を受けて、NEXCO東日本は全国にある笹子トンネルと同型のトンネル全てを緊急点検すると発表した。関越トンネルにおいてもこれに該当し、3日から順次点検が行われた。その後、2013年6月17日付けのプレスリリースによると、上り線が7月1日・4日・8日、下り線が7月11日・16日・17日のそれぞれ20時から翌朝6時まで通行止めとし、関越トンネル内の天井板3枚を撤去すると発表した。なお、通行止め規制区間は上り線が湯沢IC - 水上IC間、下り線が月夜野IC - 湯沢IC間である。
出典:wikipedia
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