代金引換郵便詐欺(だいきんひきかえゆうびんさぎ)とは、代金引換郵便制度を悪用し、被害者の意図に関わり無く、関係の無いもの、無価値なものを送りつけて、その代金をせしめる詐欺である。代金引換詐欺(だいきんひきかえさぎ)、或いは代引詐欺(だいびきさぎ)とも言われる。尚、「代引詐欺」は、オークション詐欺の中の1類型を指すために用いられることもある。代金引換郵便詐欺は旧くから時折確認されており、最近は新手の手口として架空請求詐欺に含めて扱われる事もある。類似の手口としてネガティブ・オプションや、オークション詐欺、振り込め詐欺がある。詐欺を仕掛ける者が無価値な物品、例えば、紙切れ一片を封筒に入れて、代金引換郵便で被害者に送付する。これを届けられた被害者が、自身で注文した物かもしれないという曖昧な記憶のままに受け取ったり、知人からの届け物かもしれないと錯誤して受け取る事を期待し、受領と引き換えに「商品代金」を支払わせて、これをせしめる。代金を支払う前には被害者が内容物を確認する事が出来ず、支払って開封してから注文していない物、到底対価に見合わない物である事を知り詐欺である事に気付く。或いは宛名人本人ではなく家族が代わりに対応して「商品代金」を支払って受け取ることを期待する。家族が支払ってしまってから、宛名人本人に報されて、心当たりのない物品の対価を詐取されたと気付く。一方で、一度代金を支払うと、これは詐欺であると被害者が主張しても、制度上郵便局から返金する事が出来ない。また、警察であっても、裁判所の令状が無い限り郵便局は差出人についての情報を開示することができないので、郵便物に表示されている住所・氏名のほかに被害者は追及の手段がない。詐欺を仕掛ける側は制度に護られて自身の素性を晒さず安全に、そして郵便局員の手で直ちに代金を回収させることで確実に金をせしめることが可能な点を悪用する。通信販売やネットショッピングで購入した物品を届けて貰う、あるいはネットオークション等で落札した物品を届けて貰う等、戸口まで配送を受けるのに紛れさせる手口とも言える。代金引換郵便詐欺と類似の手口としてはネガティブ・オプションや架空請求詐欺、オークション詐欺、振り込め詐欺がある。ネガティブ・オプションは、被害者の注文していない物品を送りつけたうえで、業者の主張する条件の下で購入契約の成立を主張して代金をせしめようとする。架空請求詐欺は被害者が使用していないサービスや購入していない物品について、根拠の無い対価をせしめようとする。いずれも、何らかの連絡手段で接触して代金を支払う様に要求するに留まる点が、郵便局員の手を介して商品と引き換えに直ちに代金を詐取する代金引換郵便詐欺と異なる。オークション詐欺の中でも取引や決済に代金引換郵便を使用する手口では、注文した物と異なる、或いは商品価値の無いものを送りつけて直ちに代金をせしめるが、詐欺のきっかけとしてオークションの取引が実在する点が、何らの前触れも無く突然無価値な物品を送りつけて直ちに「代金」をせしめる代金引換郵便詐欺と異なる。以下の様な物品を送付し、数千円~数万円の代金をせしめる。2006年春に、開催日時と場所の記されていない「ディナーショーチケット」2枚が、2万円弱の値段で配達された事例が多数確認されている。ネット上に報告された配達事例より、複数の通信販売業者より流出した顧客名簿を用いて発送した可能性が指摘されている。また、2006年以降に「個人情報抹消のお知らせ」の名目で、数万円の代金引換郵便を後送するので代金と引き換えに手続き書類を受け取るように連絡する文書もある。代金引換郵便は、郵便法第64条に規定された制度で、差出人の指定した金額と引き替えに郵便物を配達し、郵便局が集金を代行する。一度代金を支払うと、郵便法第46条の規定で配送が完了したと扱われ、以後、郵便局に対して返金を請求することが出来ない。また、警察であっても裁判所からの令状がない限り、郵便局が差出人についての情報を開示しない。代金を支払わなければ開封して内容物を確認することが出来ない。そのため、直ちに受領せず、届けられた郵便物の状況から真偽を判断する必要がある。まず、郵便物に記されている差出人の住所・氏名と内容物の表示を確認する。そして受取留保をする。一週間以内であれば再配達してもらえるので、その間に家族に心当たりがあるか確認する。全く心当たりの無い物であれば受取拒否を行えばよい。郵便物を受け取る義務はないし、代金引換郵便が届いた事に対して直ちに代金を支払う義務はない。配達員に、代金引換郵便悪用の注意を配達時に同時に印刷物で呼掛けさせることもある。また、家族で相互に、通信販売・オークション等で物品が届く事を伝えておく習慣をつけて、それ以外の心当たりのない代金引換郵便には即座に代金を支払わない様に注意する。一度支払われた代金について、郵便局は独自の判断で返金に応じてはならないし、差出人についての情報を開示してはならない。そのため、被害者が郵便物に表示されている氏名・住所を手がかりにして、独自に差出人に掛け合うしかないが、斯様な詐欺を仕掛ける側は当然応じる積もりが毛頭なく、架空の氏名・住所を表示しておいて連絡を絶つと考えられる。これにより、追求する手立ては喪われる。なおも代金を取り戻すつもりであれば、迅速に管轄する裁判所に代金の仮差押えの申請手続きを行う事も出来るが、代金が差出人に渡る前に全ての手続きを終えなければならず、慣れていない人が実行するのは困難である。場合によって所轄の警察署に被害届を出す手もある。結局のところ支払ってしまったお金を取り戻すのは事実上困難ないし不可能である。宅配便でも、代金と引き替えに荷物を配送するサービスを請け負う所があるが、郵便とは異なり、事前に差出人についての審査を行い、かつ顧客と宅配業者との品代金の振込み方法・入金サイクルなど細かい点をつめて契約を結ぶ。そのため、いわゆる詐欺行為には用いるのが困難で、斯様な詐欺が起こる可能性は、代金引換郵便を用いる場合に較べて低いと言われる。一方で、郵便制度は公平に利用させることが郵便法に定められていることから、代金引換郵便の利用において予め何らかの基準を設けて審査で利用を拒否することは制度上困難である。
出典:wikipedia
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