『ロリータ』("Lolita")は、1962年のイギリスの映画。ウラジーミル・ナボコフの同名小説を原作とし、ナボコフ本人の脚本でスタンリー・キューブリックが監督した作品。上映時間152分。モノクロ。日本での公開は1962年9月。霧深い日、荒れ果てた邸宅でキルティという男を射殺したハンバート教授は、フラッシュバックで事の顛末を思い出す。パリからアメリカにやってきたハンバート教授は、夏を過ごすために田舎町で下宿の家を探し、ヘイズ夫人の家を訪れた。そこで美しい少女の姿を目にしたハンバートは、釘付けになる。少女は夫人の娘ドロレス・ヘイズ、通称ロリータであった。早速下宿を決める。ロリータに心奪われたハンバートは2階に上がってきたロリータにエドガー・アラン・ポーの「ウラルミー」を朗読する。やがてハンバートの虜となったヘイズ夫人と結婚する事となる。それはロリータのそばにずっと居たいがためであった。そして彼の本心を知り、逆上して家を飛び出した夫人は、不慮の事故で死亡する。念願叶い、ロリータと2人きりになったハンバート教授は、異常な独占欲と愛欲に駆られ、ロリータを連れての旅に出る。2人だけの逃避行を続けていたが、自分たちを車が追跡していることに気づく。ロリータは思いすごしではないかと気にしない。ところが、インフルエンザで入院したロリータが伯父と名乗る男に連れ出される。宝を奪われてハンバートは痛恨の日々を送る。全く消息を絶っていたロリータから手紙が来る。ロリータは鉱山の町の貧しい家で懐かしそうに迎える。彼女はキルティに連れ出されたあげく棄てられ、1年ほど前に今の夫と結婚し、引越しするにつけて金銭が入用だったのでハンバートに無心したのである。ハンバートは総てを忘れ、一緒に暮らそうと懇願したが、聞き入れられない。あきらめたハンバートは400ドルの現金、2500ドルの小切手、家を売却した1万ドルをロリータに渡し、キルティの家へ向かい、射殺。逮捕されて公判を待つうちに急死する。大まかな筋は原作と同じだが、舞台を現代(制作当時の1960年代)に移しており、さらにアメリカが舞台であるにもかかわらず、イギリス人中心のキャスティングが行われ、ほとんどがイギリスで撮影されている(当時のアメリカの厳格な検閲を避けるため)。原作ではもっとあどけなく、それでいて小悪魔的な魅力のあったロリータは、当時の検閲と規制により原作よりも若干年齢が上がり、おませでどこか冷めたような感じのヒロインになっている。時代的な事もあり、性描写が全く無い。また、映画には省略された人物や事柄も数多くある。特に映画でのシャーロットの描写はまるで別人である。脚本のクレジットはナボコフになっているが、最初、ナボコフの脚本が長過ぎて映画にすると7時間以上にもなることから、一度短く書き直したが、結局キューブリックはその2割ほどを使ったにすぎず、ほとんどを自分の脚本で撮影した。ナボコフはそのことを試写で知り、のちに不満を述べている。未婚の男女が同じ平面上で横たわらない、といったハリウッドの自主規制コードやカトリック団体からの抗議により、小説の主題を明確に描けず、「主人公たちの関係のエロティックな面を強調できなかった」とキューブリックは述べている。
出典:wikipedia
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