『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜』(ドラゴンボールゼット たったひとりのさいしゅうけっせん〜フリーザにいどんだゼットせんし カカロットのちち〜)は、1990年10月17日に放送されたアニメ『ドラゴンボールZ』のテレビスペシャル。本編の第63話と第64話の間に放送された。本作はシリーズ初のテレビ映画であり、孫悟空たちが活躍するよりも前の話を描いた、シリーズ初のスピンオフストーリーである。『ドラゴンボールZ』本編の86話や『ドラゴンボール改』の第1話の導入と第42話、劇場版『ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強』冒頭では本作のクライマックスシーンが使用されている。原作者である鳥山明は本作について、アニメで印象に残っているエピソードで、劇場版・TVスペシャルの中で一番好きな作品と答えており、「僕だったら絶対描かない話。いい意味で違うドラゴンボールを見ている感じがする」と語っている。主人公のバーダックは本作品のオリジナルキャラクターだったが、後に原作漫画におけるフリーザの回想シーンで登場した。これは鳥山が本作を見て感動したというのが理由であり、アニメスタッフには事前に連絡はなかったため、キャラクターデザインを担当した中鶴勝祥は「かなり嬉しかった」と語っている。ただし、後年の鳥山は、自分がバーダックを登場させたことを覚えていなかった。本作は「悟空のルーツとは何か」「悟空にも父親がいたはず」という点から発想が広がり、放映される形になった。企画当初は劇場用のエピソードとして「悟空対悟空のお父さん」が考えられていたが、タイムトラベルでもしないと戦えないので悟空の父親を描く話になった。また、本作で用いられているBGMの「ソリッドステート・スカウター」はアニメシリーズでは本作のみの使用で、戦闘シーンで2度使用された。この曲はイエロー・マジック・オーケストラのアルバム『SOLID STATE SURVIVOR』へのオマージュでもある(イントロ部分のみ『テクノポリス』)。2011年には後日談的な外伝作品『ドラゴンボール エピソード オブ バーダック』が発表されている。全宇宙一の戦闘民族サイヤ人の住む惑星ベジータで一人の男の子が産声をあげた。その名はカカロット、後に孫悟空となる男の子である。同じその頃、カカロットの父であるサイヤ人戦士バーダックの一味はカナッサ星を攻めていた。大猿と化したバーダックたち5人のサイヤ人によって、カナッサ星は一夜にして陥落した。翌日、仲間から「息子の誕生祝い」などとからかわれながら休憩を取っていたバーダックに、カナッサ星人最後の生き残りであるトオロが襲い掛かる。トオロは油断していたバーダックに不意打ちを浴びせ、バーダックの仲間たちの攻撃を食らいながらも「お前に未来を予知できる幻の拳を放った。未来を見てせいぜい苦しむがいい」と嘲笑いながら絶命。その直後にバーダックは意識を失ってしまう。カナッサ星の制圧の報は、それをサイヤ人に命じたフリーザの元へと入る。しかし、名もない下級戦士たちが予定より1ヶ月も早く惑星の制圧を完遂したことで、フリーザの側近ザーボンは、個人では大した強さを持たないが、徒党を組むことでとてつもない力を発揮するサイヤ人たちに対して危機感を抱き始め、フリーザと側近のドドリアの前でそのことを吐露した。数日後、バーダックの傷はほとんど完治していたが、脳波に異常があると診断された。次の命令は惑星ミートの制圧に決まったが、トーマら仲間たちはバーダックの容態を気遣い、彼を残して出発する。フリーザによってサイヤ人が滅ぼされるという夢を見た後意識を取り戻したバーダックは、仲間に置いていかれたことを知って自分も惑星ミートに向かおうとするが、その途中で保育器の中で寝かされていた自分の息子、すなわちカカロットとの初めての対面を果たす。奇妙な夢との関わりが気になりつつも、息子の戦闘力がたったの2と知り、失望して「クズが」と言い残してその場を去ってしまう。惑星ミートではドドリアとその部下たちがトーマたちを攻撃し、バーダックが到着した頃には仲間はほぼ全滅していた。虫の息であったトーマは、バーダックにフリーザの裏切りを伝えて絶命する。バーダックはドドリアの部下4人に立ち向かいこれを倒すが、直後に現れたドドリアの攻撃で重傷を負う。傷つきながらも惑星ベジータへの帰路についたバーダックは、フリーザが惑星ベジータに向かっていることを確認する。今まで自分が見てきた奇妙な夢が、全て真実であったことを悟ったバーダックは、惑星ベジータに到着するとフリーザに立ち向かうために仲間のサイヤ人たちに呼びかけるが、彼らはバーダックの言葉をまるで信じようとはせず、逆に笑いものにされるだけだった。自分自身、惑星ベジータ、そしてカカロットの運命と未来を変えるため、フリーザに挑むことを決意したバーダックの、たったひとりの最終決戦が始まろうとしていた。ラディッツ、カカロット(孫悟空)兄弟の父。目つきの鋭さ以外は、独特な髪型などカカロットと瓜二つ。左頬に十字の傷跡がある。性格は粗野で口調も荒く、子供に対する愛情も薄いが、仲間に対する思いは強い。サイヤ人の最下級戦士の生まれだが、度重なる激戦と死線を潜り抜けてきたことによって、戦闘力は10000前後と、エリート戦士のサイヤ人にも引けをとらず、その勇猛さはサイヤ人の間では有名だった。トーマらが敵わなかったフリーザ軍兵士を一撃で葬り、数十人のフリーザ軍兵士の攻撃をいなして相手の裏をかき同士討ちを誘発させ、瀕死の重傷を負った状態でも拳を振るう精神力など、戦歴に裏付けられた高い戦闘能力を持つ。トーマたちとともに侵略していたカナッサ星にて、カナッサ星人・トオロの「幻の拳」を受けたことで身につけた予知夢でサイヤ人の行く末を見せられ、フリーザの支配に疑惑を持ちはじめるようになる。そしてトーマたちの死によってフリーザの裏切りを確信し、滅びゆく運命に逆らうためにフリーザへ単身での決戦を挑む。惑星ベジータに接近するフリーザの宇宙船に向かったバーダックは、フリーザの部下たちに接近を阻まれながらも奮闘し、やがて姿を現したフリーザに渾身の力を込めたエネルギー弾を飛ばす。しかしフリーザが惑星ベジータに向けて撃ち放ったエネルギーの球体によりバーダックのエネルギー弾はそれにかき消され、自身もなす術もなく飲み込まれた。絶命する直前、二十数年後にカカロット=孫悟空とフリーザが対峙するという予知夢を見て静かに微笑み、我が子の名前を叫びながら、惑星ベジータと運命をともにした。原作では、フリーザが初めて悟空を見たときに、フリーザの回想で2コマだけ登場した。このときに着ていた戦闘服は、『銀河パトロール ジャコ』で着ていたものではなくアニメで着ていたものだった。本作に登場するバーダックと、その仲間にあたるサイヤ人4人のキャラクターデザインは、中鶴勝祥によるラフデザインを元に鳥山明が描き起こしてデザインしたもの。中鶴いわく、プロテクターの肩当てが無いデザインになった理由は演出の橋本光夫が「黒澤明の映画『七人の侍』のイメージでいきたい」と話していたからである。2011年には鳥山は「もともと僕は物忘れの激しい方だから、このバーダックという悟空の父親達のキャラデザインを描いた記憶がほとんどない」と答えている。名前の由来は英語でゴボウを指すバーダックから。『ドラゴンボール エピソード オブ バーダック』では、惑星ベジータの大爆発で起こったタイムスリップに遇い、「惑星プラント」と呼ばれていた頃の惑星ベジータに飛ばされて生存しているIFストーリーが描かれた。偶然村で暴れるチルドの手下を倒したため、英雄として感謝される。行くあてがなく、洞穴でリハビリをしていたが、毎日食事と薬を持ってきてくれるベリーと接するうち、粗野だった性格が次第に穏やかになり、自身の名前を教えた。そこに現れた惑星プラントを征服しに来たフリーザの祖先・チルドをフリーザと勘違いしたまま戦いを挑むも全く歯が立たなかったが、無力な自身への不甲斐無さと大切な仲間を殺したフリーザへの復讐心や、ベリーを傷つけられたことで超サイヤ人に覚醒して倒す。漫画版のエピソード オブ バーダックでは『たったひとりの最終決戦』や原作とは異なり、バーダックの戦闘服は破損していない姿で描かれていた。また、アニメにおいては『たったひとりの最終決戦』同様、戦闘服が半壊した状態で登場しており、フリーザの攻撃を受けた際に全壊したが、プラントに渡った時点では戦闘服が破損していない状態になっており、フリーザの攻撃を食らった際に失われた頭に巻かれた血染めの布も、プラントに渡った時点では頭に巻かれた状態になっていた。アニメでは、チルドを倒した後変身したままで去ったが、漫画で加筆された内容では変身を解いて去っていった。『銀河パトロール ジャコ』では単行本のおまけマンガとして惑星ベジータ消滅の一ヶ月前を描いた『DRAGONBALL- 放たれた運命の子供』に主役として登場しているが、フリーザの帰還命令に従い惑星ベジータに戻ったり、息子のカカロットを生き延びらせるため宇宙船の丸型ポッドを盗んで乗せ地球へと脱出させて優しい言葉をかけたり、カカロットも裸ではなく戦闘服を着た姿で描かれていたりと、テレビスペシャルとは異なるストーリとなっている。また、原作およびアニメには登場せずベジータやラディッツの口から惑星ベジータ消滅時に死亡したと語られるのみだった妻のギネも登場している。鳥山明によると、その昔バーダックたちと4人のチームを組んで闘ったことがあり、ギネが危機を何度もバーダックに救われ、その頃に恋愛感情が生まれたことが語られている。鳥山の設定では好戦的ではあるが、冷血で単純な思考の他のサイヤ人に比べて冷静な判断力やわずかな人間性も持ち合わせており、サイヤ人にしては珍しく「仲間を救う」という行為で一部の下級戦士たちからは強く慕われている。また、サイヤ人は持って生まれた潜在的な戦闘力で階級が決められ、バーダックは下級戦士としては上位にいるが中級戦士にはなれていない。鳥山は「バーダックはとっくに死んでいるので活躍は過去話でしか見られないでしょう。生き返っても戦闘力が足りないのでちょっと難しい」と語っている。サイヤ人には恋愛や結婚、家族という概念はあまりなく、バーダックとギネは繁殖目的以外でも絆で結ばれた珍しいサイヤ人だが、バーダック、ギネ、ラディッツ、カカロットの家族4人が揃ったことはなく、バーダック自身も自分の兄弟の存在についてよく分っておらず興味もない。各種ゲームにて様々なifストーリーを用意されている。『真武道会2』では未来世界のあの世に住んでいて、あの世にいる孫悟飯(未来)を探しに来た青年悟飯(現代)と鉢合わせし、戦闘となる。だがその後に、同じくあの世に住んでいる悟空(未来)との出会いにより、改めて悟空と悟飯は自分の息子と孫だということに気付き、共に行動する。そして未来悟飯と合流し、彼が抜いたゼットソードから老界王神を復活させ、未来悟飯を復活させた後、復興途上の未来世界で破壊の限りを尽くす魔人ブウを倒すためにパイクーハン(未来)と共に一日だけ復活させるようになる。『レイジングブラスト』では死後、時空の歪みに巻き込まれて未来へ飛ばされる。一時的に現世に滞在して孫である孫悟飯(青年期)や孫悟天(幼年期)と冥土の土産として手合わせを楽しみ、その後自らの正体を伝えて満足したかのように去っていく。悟飯はバーダックの素性を知らなかったため初めは敵対的な態度をとるが、初めての祖父であるバーダックと戦った悟飯と悟天は、改めて彼との戦いを忘れないことを誓った。『Sparking!NEO』においては、ラディッツのIFストーリー「運命の兄弟編」にて、ラディッツの夢の中に登場。善に目覚めたラディッツに戦いを通じて活を入れる。『タッグバーサス』では、「彼がフリーザに殺されなかったら」というもしもの世界を舞台にしている。原作のラディッツと同じ経緯で地球を侵略するが、孫である幼年悟飯にほだされた結果息子一家との同居生活を楽しみ、後に業を煮やして彼を連れ戻しに来たラディッツに「孫をみせろ」と発言する姿を見せる。アーケードゲーム『ドラゴンボールヒーローズ』では超サイヤ人1に変身したバーダックが登場。『ドラゴンボールZ Sparking!』シリーズでは大猿化すると理性がなくなり、喋らなくなるが『ドラゴンボールヒーローズ』では普通に話せる。息子の孫悟空、孫の孫悟飯と共闘するスペシャルボスミッションも配信された。その後、「邪悪龍ミッション」では超サイヤ人2へ覚醒、「ゴッドミッション」ではトワによって洗脳された仮面のサイヤ人として暗躍し、仮面の呪縛から解放され、超サイヤ人3に変身可能になったのが明らかになったがいずれも経緯が不明である。『ドラゴンボール ゼノバース』では黒幕が仕掛けた魔術によって未来のナメック星へと飛ばされてしまう。同じく過去へと飛ばされたブロリーが現われ、悟空を守るために主人公(プレイヤー)とともに立ちはだかる。『たったひとりの最終決戦』でフリーザに放ったエネルギー弾は、ゲームで「スピリッツ・オブ・サイヤン」と名づけられた。「ライオットジャベリン」または「ファイナルスピリッツキャノン」のどちらかの名称が使用され、スピリッツオブサイヤンという名前の究極技が別に用意されているゲームもある。日本国外では古くからVHSバージョンが発売されており、DVDの登場で複数の音声の収録が可能になり日本語の音声を収録したDVDが発売された。現在はBlu-ray Discのものも発売されている。なお、DVDのものはリージョンの区分が狭く、日本のリージョンである2且日本語音声を収録したものは発売されていない。
出典:wikipedia
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