


新幹線の編成記号(しんかんせんのへんせいきごう)では新幹線における編成区分のための記号について述べる。この記号は、すべての新幹線車両において運転席のフロントガラス(800系を除く)および乗務員用ドアの窓ガラスに表示されている。東海道新幹線が運行を開始した当初は、全ての編成が同じ組成だったため、車両を製造したメーカー名のアルファベットと数字を組み合わせたメーカー別の編成記号を使用していた。当時使用されていたのは、日本車輌製造製…N(Nippon)編成、汽車会社製…K(Kisha)編成、川崎車輛製…R(River)編成、近畿車輛製…S(Short)編成、日立製作所製…H(Hitachi)編成であった。また1966年6月の6次車の製造から東急車輛製造製…T(Tokyu)編成が加わった。1966年10月1日以降、「ひかり」「こだま」が別の組成になっても、しばらくはメーカー別の編成記号であったが、1972年3月15日の山陽新幹線岡山開業に合わせ、「ひかり」編成をH(Hikari)編成、「こだま」16両編成をK(Kodama)編成、「こだま」12両編成をS(Short)編成とする方式に変更された。S編成は「こだま」を16両編成にそろえるまでの暫定的な編成名という位置づけのため、すぐに消滅した。1976年以降、0系1000番台(以下「小窓車」と表記)では小窓化や身障者対応設備新設など、大幅な仕様変更が図られることになったため、小窓車だけで組成された「ひかり編成」をN(New)編成、在来車と小窓車が混在している「ひかり」編成をN(New Hikari)編成に変更することになった。なお、1979年以降には「こだま」編成でも小窓車への置き換えが開始されたが、この際には先頭車を置き換えた場合は編成記号に50を加算し、中間車置き換えの場合は編成記号はそのままで対応していた。1985年3月14日ダイヤ改正では「こだま」編成が12両編成となり、S編成が復活した。具体的には編成記号は先頭車が小窓車の場合にはS(Short Kodama)編成、先頭車が大窓車の場合はS(Short)編成に変更された。同年6月からは、山陽新幹線小倉 - 博多間専用の編成として6両編成が登場したが、既にShortの頭文字を使っていたため、R(Rokuryo)編成となっている。このR編成の運用区間はのちに山陽新幹線全区間に広がった。1987年4月に日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化により、東海道新幹線は東海旅客鉄道(JR東海)に、山陽新幹線は西日本旅客鉄道(JR西日本)にそれぞれ引き継がれたが、編成記号もそのまま引き継がれることになった。1989年から、JR東海所有の「こだま」編成の16両編成化を実施することになり、S編成を16両化したものはY編成、S編成を16両化したものはY編成に変更された。一方、JR西日本では「ウエストひかり」を新設。6両編成の「ウエストひかり」編成はW(West Rokuryo)、12両編成の「ウエストひかり」編成はシネマカーのない編成がW(West Kodama)編成、シネマカー組込編成がW(VはVideoから)となった。ただし、これらの編成記号はW編成はR編成の50番台で、W・W編成はS編成で表記されていた。後にW編成はW編成に組成変更され、W編成は消滅した。1997年には、JR西日本の0系に4両編成が登場、Q(Quarter(クォーター)・4分の1(16両の4分の1なので))編成となった。1999年9月18日をもって0系の東海道新幹線での定期運用が終了。これに伴い0系の16両編成が消滅。2000年に「ウエストひかり」の運用離脱に伴いに登場した、S編成(W編成)を6両に組成変更した「こだま」用のW編成はR編成の60番台で表記された。2001年10月にQ編成が消滅。2008年11月30日をもって最後まで残ったR編成3本 (R61, R67, R68) が定期運転を終了、12月14日のさよなら運転をもって0系の営業運転は全て終了した。1985年10月から100系試作車(9000番台)が運行開始し、X(X0・後に量産化改造されX1に変更)編成となった。この時から、編成記号は頭文字とは限らなくなった。1986年6月に100系量産車(4編成)が登場したが、同年11月までは2階建て車なしの12両編成で「こだま」として使用されることになり、編成記号は暫定的にG(General:一般の意)編成(G1 - G4)となった。この編成はわずか5か月程度で2階建て車2両(グリーン車と食堂車)と電動車1ユニットを組込みX編成(X2 - X5)に組成変更され消滅したが、編成記号GはJR化後に再度使用されることになる。1987年4月に国鉄の分割民営化により、東海道・山陽新幹線はJR東海・JR西日本に引き継がれたが、編成記号もそのまま引き継がれることになった。1988年3月、JR東海に100系の増備車(通称「100'系」)が登場した。この編成は食堂車を1階がカフェテリアになっている2階建てグリーン車に置き換えたもので、ここに再びG編成と呼称される編成が登場することになった。一方、JR西日本では2階建て車を4両(2階がグリーン席・1階が普通席の車両×3+食堂車)にした100系3000番台(通称「100N系」)「グランドひかり」の運行を開始、こちらはV編成と呼称された。1996年にはG編成7本(G1 - G7)がJR東海からJR西日本に譲渡された。2000年には0系Q編成の置き換えのため、100系V編成およびG編成を改造・組成変更の上4両編成にしたP編成が登場、2001年には0系Q編成は消滅した。同時に100系V編成を改造・組成変更の上6両編成にしたK編成も登場している。2011年3月のダイヤ改正でP編成は消滅。2012年3月のダイヤ改正でK編成が消滅。これにより100系の営業運転は終了。1990年には300系試作車(9000番台)が登場、J編成(J0・後に量産化改造されJ1に変更)となった。1992年以降の量産車(JR東海所有)もJ編成(J2 - J61)を名乗った。翌1993年には、JR西日本でも300系(3000番台)を導入、こちらはF編成となっている。2012年3月のダイヤ改正で営業運転終了。1992年、JR西日本の高速試験車である500系900番台(WIN350)が登場、W編成(W0)と呼称された。1996年には500系量産先行車がW(西日本:West Japanに由来)編成(W1)として営業運転を開始。1997年からは500系量産車がW編成(W2 - W9)として登場。2008年には「こだま」用として500系(W編成)を8両に短縮した500系7000番台が登場し、V編成を名乗ることとなった。すでに100系V編成は消滅しているため、編成記号の重複は発生しない。JR東海で次世代車両として700系試作車(9000番台)が登場し、C(JR東海の英名Central Japanから)編成(C0・後に量産化改造されC1に変更)となった。1999年以降の量産車もC編成(C2 - C60)を名乗った。2001年に導入されたJR西日本の編成は700系3000番台でB編成となっている。2000年3月11日ダイヤ改正から「ひかりレールスター」の運行が開始され、これに使用される700系7000番台はE編成とされた。2011年には300系F編成置き換えのためC編成の一部がJR西日本へ譲渡されているが、同年時点ではJRマークの色と車内チャイムの変更のみで編成記号自体は変更されていない。2005年に登場したN700系試作車(9000番台)はZ編成(Z0)を名乗った。2007年からは量産車が登場したが、試作車(Z0)の量産化改造が見送られたため、量産車(JR東海所有)にZ1 - Z80が付番されている。Z編成量産車と同時に登場したJR西日本のN700系3000番台はN編成(N1 - N16)となっている。2011年3月12日に営業運転を開始した山陽・九州新幹線直通列車「さくら」・「みずほ」用の車両は、2008年にJR西日本のN700系7000番台がS編成(S1 - S19)として、2010年に九州旅客鉄道(JR九州)のN700系8000番台がR編成(R1 - R11)として登場した。2012年度からJR東海が導入するN700系1000番台(N700A)はG編成(G1 -)として、2013年度にJR西日本が導入する4000番台はF編成(F1 -)として登場した。また、既存のZ・N編成には順次N700Aと同等の機能を追加し改修を終えた編成は0番台が2000番台に、3000番台が5000番台に改番され編成記号がそれぞれZからX、およびNからKに変更されている。N・S・Rはかつて0系に、G・X・Kはかつて100系に、Fはかつて300系にそれぞれ付与されていた記号だが、すでに全廃されているため重複は発生しない。九州新幹線用に開発された800系の編成記号は、U編成で、頭に00を付与した3桁表示である。日本の新幹線としては800系のみ運転席の窓ガラスに編成記号が表示されておらず、代わりに連結器カバーに表示されている。開業当初は、U001編成に架線や軌道の検測機能をもたせ車両番号の後ろにKを付与して他の車両と区別(821-1K、822-101K等)していたが、のちに検測機器が撤去されており車両番号のKもはずされている。代わりに、2009年8月以降に増備された1000番台(U007・U009編成)には軌道検測機能を、2000番台(U008編成)には電力・信号・通信関係の検測機能をもたせているが、車両番号の後ろにKの記号はつかない。電気試験車および電気軌道総合試験車(ドクターイエロー)は、T(Test)編成となっている。1982年、東北新幹線・上越新幹線大宮暫定開業当初の200系の編成記号はすべて12両編成のE編成であった。1985年に上野乗入れとともに東北新幹線の最高速度を210km/hから240km/hに引き上げるため導入された200系1000番台はF編成とされた。その後、E編成を240km/h対応に改造しF編成に編入されるものも登場した。1987年4月に国鉄の分割民営化により東北・上越新幹線は東日本旅客鉄道(JR東日本)に引き継がれた。国鉄時代には、東海道新幹線への乗入れを考慮して編成記号が重複しないようにしていたが、JR化後は乗入れの可能性が事実上なくなったので重複するものが出てきた。1987年には上越新幹線「とき」の10両編成化にともなってG編成(最高速度210km/h)が登場した。同時にF編成に100系タイプの先頭車(221形・222形2000番台)が組込まれてピンストライプ入りの編成2本も登場した。1988年、G編成は8両編成に短縮された。1990年、F編成に2階建て車(249形)1両を組込んだ13両編成でピンストライプ入りのH編成6本が登場。H1 - H5編成は当初から100系タイプの先頭車(221形・222形200番台・2000番台)が組込まれていたが、H6編成だけは1991年3月に100系タイプの先頭車(221形・222形200番台)が組込まれるまでノーマルタイプの先頭車(ピンストライプ入り)が組込まれていた。同時に上越新幹線での275km/h運転用のF編成90番台(F90 - F93)も登場している。1991年、H編成は2階建て車(248形)1両と電動車を1ユニット組込んで16両編成化された。1992年、山形新幹線開業にともない400系「つばさ」と併結する8両編成のK編成が登場。当初一部のK編成には、ビュフェ車(237形)連結編成も存在したが、のちに225形460番台(225形400・1400番台改造)および480・490番台(237形改造)に組み換えられた。なお、225形460・480番台は連結編成が廃車となったため、現存しない(K25編成の225-482を除く)。1993年、F編成編入改造によってE編成は消滅した。1997年、秋田新幹線開業にともないK編成が10両編成化された。またG編成の廃車が開始された。1999年、K編成のリニューアル改造・塗装変更が始まるが、E3系「こまち」との併結運転は終了。そしてG編成が消滅した。2001年、山形新幹線「つばさ」との併結運転を終了。2004年、H編成をグリーン車なし12両編成化。上越新幹線対応になる。2005年、H編成が消滅。2007年4月いっぱいでF19編成の営業運転を終了。この結果、同年5月以降200系はK編成のリニューアル車11本のみとなる。2007年6月からK47編成は旧塗装に戻された。2013年3月のダイヤ改正で全編成の営業運転終了。400系は、1990年に先行試作車が6両編成のS編成(S4)として登場。1992年、量産車がL編成(L2 - L12)として登場。S4編成を量産化改造のうえ、L編成(L1)に編入。1995年、付随車1両(429形)を組込み7両編成化。1999年、山形新幹線の新庄延伸開業にともない、E3系1000番台に合わせ塗色変更。2010年4月、営業運転終了。E1系は、1994年にM編成として営業運転開始。2003年 - 2006年にかけて、E4系にあわせリニューアル工事を実施。車体塗色も変更。2012年9月のダイヤ改正で営業運転終了。E2系は、1995年に併結機構付き先行試作編成(S7・通称「E2'系」)と併結機構なし先行試作編成(S6)がいずれも8両編成で登場。1996年、併結機構つき量産車がJ編成(J2 - J15)として登場。S7編成を量産化改造のうえ、J編成(J1)に編入。S6編成をN編成に合わせ量産化改造のうえ、N(Naganoから)編成(N1)に変更。1997年、北陸新幹線(高崎 - 長野間)先行開業・「あさま」運転開始にともない、併結機構なし量産車がN編成(N2 - N14)として登場。2001年、E2系1000番台量産先行車がJ編成50番台(J51)として8両編成で登場。2002年、東北新幹線の八戸延伸開業・「はやて」運転開始にともない、E2系1000番台量産車がJ編成50番台(J52 - J69)として10両編成で登場。J編成(J1を除く)をすべて10両編成化。J1編成は北陸新幹線対応化改造後、8両編成のままN編成(N21)に編入。2010年、東北新幹線の新青森延伸開業(全線開業)にともない、J編成70番台(J70 - J75)が登場。E3系は、1995年に先行試作車がS編成(S8)として5両編成で登場。1997年、秋田新幹線開業・「こまち」運転開始にともない、量産車がR編成(R2 - R26)として営業運転を開始。S8編成を量産化改造のうえ、R編成(R1)に編入。1998年、6両編成の増備車(R17編成)登場。R1 - R16編成に付随車1両(E328形)を組込み6両編成化。1999年、山形新幹線の新庄延伸開業にともなう増備により、「つばさ」用のE3系1000番台がL編成50番台(L51 - L53)として7両編成で登場。2008年、400系「つばさ」置換え用のE3系2000番台がL編成60番台(L61 - L72)として登場。2014年、山形新幹線用の観光列車「とれいゆ」用としてR18編成を改造とする700番台が登場(編成記号はR18で変更なし)。また、0番台2編成の一部で組成し、1000番台に編入された増備車(L54・L55)が7両編成で登場。2016年、上越新幹線用の観光列車「現美新幹線」用としてR19編成を改造とする700番台が登場(編成記号はR19で変更なし)。E4系は、1997年にP編成(P1 - P22)として登場。2001年、北陸新幹線・軽井沢乗入れ用のP編成50番台(P51・P52)が登場。2003年、北陸新幹線・長野乗入れ用のP編成80番台(P81・P82)が登場。E5系は、2009年に先行試作車がS編成(S11)として10両編成で登場。2011年、「はやぶさ」運転開始にともない、量産車がU編成(U2 - )として営業運転を開始。2013年、S11編成を量産化改造のうえ、U編成(U1)に編入。H5系は北海道新幹線・新函館北斗延伸開業用として2014年にH編成(H1 - H4)として登場。Hはかつて0系・200系に付与されていた記号だが、既に全廃・消滅しているため、重複は発生しない。E6系は、2010年に先行試作車がS編成(S12)として7両編成で登場。2013年、「スーパーこまち」(現 : 「こまち」)運転開始に伴い、量産車(Z2 - Z24)が登場。2014年、S12編成は量産化改造のうえ、Z編成(Z1)に編入。E7系は、2013年に「あさま」への先行投入・E2系の老朽取り替えに伴い、F編成(F1 - )として登場。W7系は、2014年にW編成(W1 - )として登場。Fはかつて200系に、Wはかつて500系に付与されていた記号だが、既に全廃・消滅しているため、重複は発生しない。なお、編成記号「S(Shiken)」は系列に関係なく非営業用車両全般(試験中の先行試作車も該当する)に用いられる。国鉄時代に製作された試験車、試作車両等には、固有の編成記号、番号を持たないものが存在する。以下には固定編成の事業用車両を含む。0系のうち鴨宮モデル線へ搬入された量産先行車 (21-1, 26-1, 35-2, 16-1, 25-2, 22-1) による6両編成は通称C編成と呼称され、内部では各車両に1011 - 1016の番号が与えられていた。
出典:wikipedia
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