映写(えいしゃ・projection)とは、写真や映画をスクリーンに映すことである。特に、映画を映画館などで公に写すことを上映(じょうえい)という。ここでは、映写を行うのに必要な映写装置と、それを扱う映写技師についても述べる。映写機はフィルムに現像された静止画に光を当て、その透過光をレンズを用いてスクリーンに映像として映し出す。映画の場合には、残像効果を利用して、動きおよびコンティニュイティ(連続性)の錯覚を引き起こす速さで断続的に映し出し、動画としてみせる。サイレント映画時代の映像は毎秒16フレーム(16コマ)で行われていたが、のちに、サウンドが加えられ、現在は動きが滑らかで音質も優れた毎秒24フレーム(24コマ)で行われている。映写技師とは映写を行う技術者のことである。かつてはフィルムがニトロセルロースベースであったため、非常に燃えやすく、取り扱いには細心の注意を要した。そのために、8ミリを除くサイズのフィルムの映写には国家資格や技術認定を受ける必要があったが、のちに、安全性の高いアセテート・ベースのフィルムが開発されたため、現在はそれらの資格は不要である(ちなみに、現在は耐久性が向上したポリエステルベースのフィルムが主流となっている)。唯一、8ミリフィルムだけが資格を必要としなかった。もともと、家庭用で光源などの出力が低いこともあったが、信頼度が高く簡便に扱える映写機の開発に尽力したメーカーの功績も大きい。比較的最近までは、映画館の1つの映写室に1人の熟練した映写技師を必要としていた。主な理由としては、フィーチャー映画がフィルムを巻き取っておくリール1本以上の長さで上映されるために、同調させた2台の映写機を用いて上映中の中断を避ける必要があったためである。しかし、今日ではほとんどのシネマ・コンプレックスにおいてノンリワインド装置(後述)が導入され、そのような必要はなくなった。また、自動化装置(オートメーションシステム)も導入され、ある程度の技術研修は必要であるが、アルバイト・パートタイマーが映写スタッフとしてその業務を担っているところが多い。自動化装置は、フィルムに仕掛けられた信号によって映画館の映像・音響と照明を場面に応じてコントロールし、映写技師の負担を軽減している。映写技師は主に以下の業務を行う。地方自治体では16ミリ映写機の貸し出しに操作資格を要求する所がほとんどで、各自治体では住民に資格付与のための講習会をおこなっている。資格を必要とする理由は高価な映写機やフィルムの損傷を防止するためである。技術者資格は一度取れば終身有効で、転居しても転入先の役所に問い合わせて書き換えればよい。映写装置とは映写を行うのに用いる機械のことである。基本的に、映写機・光源・フィルム送り出し機構の3つの構成から成り立っている。一定速度で回転する定速スプロケットと、1/4回転ずつ回る間欠スプロケットの組み合わせで連続性を生み出し、フィルムに現像された静止画を動画としてみせる装置。スクリーンへ映像を映すためのレンズがついており、映像フォーマットにあわせてこれを切り替える。また、フィルムに記録されたサウンドトラックを読み取るリーダーも付いている。近年では、映画のデジタル化に伴い、DLPという装置を用いた方式が徐々に採用され始めている。これについてはDLPの項目を参照されたい。フィルムに当てる光を大出力のランプによって生み出す装置。現在はキセノンが封入されたキセノンランプが使用されている。かなりの熱を発するため、排気・冷却装置が組み込まれたランプハウスの中にランプが設置されている。フィルムを巻き取っておき、順次映写機へと送り出す装置。大きくわけて、フィルムを巻き取ったリールを映写機にセットする全自動型と、ノンリワインドという装置にフィルムを巻き取る2つの方式がある。ノンリワインド装置にはプラッタと呼ばれる円盤があり、その上にフィルムを横倒しにして巻き取る。プラッタは複数あるため作品を複数乗せることができ、1つの映写機で異なる作品を上映することが容易である。また、劇場と映写室の構成によっては、インターロックと呼ばれる機能を使用して、複数の映写機に1つのフィルムをセットし、同じ作品を開始時刻をずらして同時に上映することも可能となっている。
出典:wikipedia
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