コブハクジラ(瘤歯鯨、"Mesoplodon densirostris")はハクジラ亜目アカボウクジラ科オウギハクジラ属に属するクジラである。種小名の "densirostris" は高密度な口吻(dense beak。詳細は後述)を意味するラテン語である。オウギハクジラ類としては生息範囲が最も広汎であり、おそらく最も研究が進んでいる種だと思われる。バハマの北東沖において多数の目撃例が報告されており、2002年頃より写真を用いた個体識別プロジェクトが始まっている。コブハクジラの体型はオウギハクジラ類としては典型的であるが、同属の他種に比べて若干細長い。頭部のメロンは平らでありほとんど目立たない。雄の外観は非常に特徴的であり、他のオウギハクジラ類と同様に下顎の一部が上顎からはみ出してフェンス状になっている。そのフェンス状のはみ出し部分は、下顎の付け根のあたりから口吻の中ほどあたりまで延びている。またそのはみ出し部分にはフジツボが付着していることもある。更に別の大きな特徴として、口吻を構成する骨の密度が非常に高い点が挙げられ、これは種小名 "densirostris" の由来でもある。おそらく同種の雄同士で争う際の防御の意味があると考えられている。体色は背側は濃い灰色あるいは暗い青灰色、腹側は明るい灰色、頭部は褐色であることが多い。雄の体表には雄同士で争った傷やダルマザメによる噛み傷があることが多い。雄の成体の体長は少なくとも4.4m、体重は少なくとも800kg、雌の成体については体長は少なくとも4.8m、体重は少なくとも1,000kgである。産まれた直後は体長は1.9m、体重は60kg程度である。世界中の熱帯から温帯の海域に生息し、生息域の経度は非常に幅広い。座礁例はカナダのノバスコシア州、アイスランド、ブリテン諸島、日本、ブラジルのリオグランデ・ド・スル州、南アフリカ、チリ、オーストラリアのタスマニア州、ニュージーランドにおいて報告されている。また多くの目撃例はアメリカのハワイ諸島、ソシエテ諸島、バハマの沖において報告されている。回遊は行なわず、水深500mから1,000mの海域を好む。比較的良く知られた種であるが、全生息数は不明である。IUCNのレッドリストにおいてはDD(Data Deficient、データ不足)に分類されている。3頭から7頭程度の小さな群を成して行動する。潜水時間は少なくとも22分以上に達する。海面に浮上する際は非常にゆっくりであり、水をはねることもほとんどない。おそらくイカなどの頭足類や魚類を食べる。捕鯨された例はあるが、積極的に捕鯨の対象となったことはない。集団座礁の例が報告されており、海軍の音響ソナーが原因として指摘されることもあるが、関連はまだ明らかにはされていない。
出典:wikipedia
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