自動車における廃車(はいしゃ)とは、自動車の本来の用途における使用(人や物を運ぶ事)をやめ、車籍を抹消する事、またはそうされた車両の事である。日本の場合、自動車の所有者が抹消登録(まっしょうとうろく)と呼ばれる手続きを行う事によってナンバープレートが取り外され、廃車という事になる。自動車リサイクル業界では廃車を指す用語としてEnd of Life Viecle(使用済み自動車=廃車)の頭文字からELVと通称される。抹消登録の方法として、道路運送車両法第15条に基づいた手続きにより廃車する「永久抹消登録」と、同法第16条に基づいた手続きにより廃車する「一時抹消登録」のどちらかを所有者が選択する。登録自動車の場合は陸運支局で、軽自動車の場合は軽自動車検査協会でこの手続きを行う。道路運送車両法第15条に基づく廃車手続きで、俗に「15条抹消」と呼ばれる事もある。法的には「自動車が滅失、解体等したため再使用する事ない手続き」とされており、車両の解体を前提としたもので、この抹消手続きを行うと自動車の再登録に必要な抹消登録証明書の交付を受けられない。尚、2005年1月1日より使用済自動車の再資源化等に関する法律(通称 : 自動車リサイクル法)が施行され、自動車リサイクル法における引取業者に引き渡し、電子マニフェスト上で破砕業者に引き渡され、解体報告記録日が発行されなければ15条抹消登録は出来なくなっている。道路運送車両法第16条に基づく廃車手続きで、俗に「16条抹消」と呼ばれる事もある。法的には「自動車の使用を一時中止するための手続き」とされており、所有者が長期間自動車を使用できない状態(長期出張・入院など)により、一時的に自動車の使用を停止する場合などにこの手続きを行う。この抹消手続きを行うと、備考欄に一時抹消と記載された登録識別情報等通知書の交付が受けられ、日本国内で再び登録し、運行する事が可能である。車が盗難等行方不明になった場合も、完全に車両が解体処理された事が証明出来ない事と、後に発見された時の再登録を考慮し一時抹消の手続が取られる(盗難届等の証明書が必要)。なお、この抹消登録を行った車でも日本国外へ輸出する事はできるが、その場合には運輸支局から輸出抹消仮登録証明書の発行を受ける必要がある。なお、一時抹消登録を受けた車両の内、一時抹消後に抹消登録証明書を紛失してしまった場合には、抹消登録証明書は原則として再発行されない書類の為に再登録は非常に困難となる。オートバイの世界においては、この抹消登録証明書の有無を指して書付き、書無しと呼ばれて区別が行われる。一般的にたとえほぼ完全な形態の実働車体であっても書無しの場合に於いては再登録が事実上不可能に近い為に部品取りとしての扱いしか受けられない。こうした車両の場合、部品を取り外してフレームのみの状態としたものを一旦海外に輸出し、再度輸入手続きを行う事で輸入車両として再登録を行う手段もあるが、高額な費用と煩雑な手間が掛かる為に余程の稀少車種でもない限りは行われる事は稀である。逆にほぼ全損したフレームであっても書付きの場合には職権打刻等の正規の手続きを経て他のフレームに車台番号を移し替える事で再登録が行える為、稀少な車両の場合にはほぼ全損変形した部品としては無価値に近いフレームであっても高価に取り引きされる場合がある。個人売買においては書付き・書無しの説明が不十分で後でトラブルとなる場合も多い為に購入前には十分な確認が必要である。自動車を一時抹消登録した場合は登録識別情報等通知書(備考欄に「一時抹消登録」印字)が、二輪の小型自動車と検査対象軽自動車の場合は自動車検査証返納証明書(同じく「自動車検査証返納」印字)が、車検のないバイク(二輪の軽自動車)の場合は軽自動車届出済証返納済確認書と軽自動車届出済証返納証明書(自動車重量税用)が交付される。これらの扱いが異なるのは、自動車は「登録」を行い「登録番号標」の交付を受けるのに対し、軽自動車・二輪車は「届出」を行い「車両番号標」の交付を受けるからである。また、軽二輪車は新車を登録する際にのみ自動車重量税を支払う義務がある以外には自動車重量税を納付する必要がない為、既に納付されたことを証明する書類が添付される。いずれにしても、「一時抹消の証明書」であり、以後の手続きを行う為には必要な書類である事には変わりはない。ある自動車が廃車となる理由には、大きく分けて次の3種類がある。自動車は、整備や手入れを多額の費用や時間をかけて行えば、30 - 40年あるいはそれ以上の期間使用することも可能である。かつて日本では「10年・10万kmは寿命」の標語で、その目標に達すると廃車にしてしまうことが多かった。現在では異なり、車両の寿命は延びつつある。舗装道路の比率が高まったこと、鋼板の防錆性能の向上などによる。長期間使用される例としては、車庫やガレージ等に保管していた車をそのまま使用する、旧車などで車をレストアさせて使用するという例もある。しかし、これらは非常に稀であり、大抵の自動車は遅くとも普通車では20 - 30年(ただし軽自動車、および排気量1,000cc未満の小型車などでは性能や大きさの問題から15年程度)、早くて10年前後で役目を終えて、所有者は次の車に乗り換える。しかし、近年自動車のモデルチェンジが従来の4年単位から約5 - 7年単位と長くなり、10年以内に新型車へと買い換える所有者も増えている(その場合は廃車とならずに中古車として市場に流通する場合もある)。なお車両の平均使用年数(初回登録から廃車まで)は稀に若干の減少があるものの、全体的に見ると乗用車・貨物車・乗合車ともに増加の一途をたどる傾向にある。ただし、長期間使用し続けているものの、経済的な面から廃車にする場合もあり、次のような事例が考えられる。自動車趣味のひとつとして、投棄、あるいは長年放置された車両を探しだし、ウオッチングと撮影をするジャンルが存在する。1950 - 70年代の車両(旧車)が主で、レーシングカー・乗用車・商用車(バン、トラック、バス)・特殊車両等、その対象は多岐に及ぶ。専門の雑誌やサイトも多数存在し、探索者の多くは廃墟探訪と同様に、現代文明に伴う滅びの美学や、黄昏(トワイライト)の風景を味わうことを目的とするが、さらに、自動車設計の進化や生産技術やの変化、また、工業デザインや素材の変遷などを、実物を通して学ぼうとする車好きも存在する。
出典:wikipedia
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