トラネキサム酸(Tranexamic acid)は人工合成されたアミノ酸であり、止血剤として用いられる。日本国内では、トランサミンなどの商品名でも販売されている。水に易溶。味はとても苦いため、経口投与の際はカプセルなどに製剤化される。血中のプラスミノーゲンはフィブリンに結合してプラスミノーゲン活性化因子(tPA、uPA)により活性化され、フィブリンを分解する。トラネキサム酸はここでフィブリンに拮抗してプラスミノーゲンに結合して活性化を阻害し、これによってフィブリンの分解による出血を抑制する。抗プラスミン剤として、一次線溶亢進による異常出血には極めて有効とされる。抗炎症成分内服または注射で用いられる。止血剤としては、月経過多、血友病、白血病などによる出血を抑えるために用いられる。内服薬は主に外来治療用として、注射は主に入院治療用として用いられる。全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向(白血病、再生不良性貧血、紫斑病など)、局所線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向(肺出血、腎出血、鼻出血など)、扁桃腺炎・喉頭炎による咽頭痛、口内炎による口内痛及び口内粘膜アフタなど。 また、市販の一般用医薬品の中にも配合されている。抗炎症・アレルギー作用があり、蕁麻疹、扁桃炎、口内炎、血管浮腫などに用いられる。抗炎症作用として喉の痛みを緩和することは出来るが、解熱作用はない。外科手術等で身体に侵襲を加えた後の浮腫などの生体反応を抑えるために処方されることもある。さらに美白効果もあるとされ、外用薬としてシミなどの治療に用いられる化粧品にはトラネキサム酸が配合されているものが多い。歯茎の出血・炎症を抑えるとして、歯磨剤などにも入れられている。 安全性が高く副作用はほとんどない薬であるが、生体内における線溶(体内で生じた血栓を溶解する生体反応)を抑制する作用があるため、脳血栓や心筋梗塞、血栓性静脈炎などの疾患をもつ人に対しては慎重投与とすべきである。また、圧迫止血処置を受けている人や、術後臥床状態にある人は静脈血栓を生じやすいので注意が必要である。獣医学分野では、イヌやウシの手術時および出血を伴う疾患の出血防止、哺乳豚の下痢などに使用する。血中半減期は1~1.5時間程度であり、3~4時間以内に腎臓から尿中に排出される(従って、腎機能障害のある人の場合は半減期が長くなることになる)。毒性: LD(ラット,経口) >1,000mg/kg(日本医薬品集,7版 p.534)薬理:トラネキサム酸は、プロテアーゼのインヒビターとして認識されているが、プラスミン阻害作用、プラスミノーゲンのプラスミン変換の阻害以外に作用点はない。プラスミンはセリンプロテアーゼに分類されるが、トラネキサム酸はプラスミン以外のセリンプロテアーゼ、例えばトリプシンを阻害しない。また止血作用以外に、顔のしみのひとつである肝斑への効能が確認され、商品化されている。
出典:wikipedia
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