銚子電気鉄道株式会社(ちょうしでんきてつどう)は、千葉県銚子市に本社を置く鉄道会社である。銚子電鉄あるいは銚電、CDKと略称される。本社所在地は銚子市新生町2丁目297番地の銚子電気鉄道線仲ノ町駅構内。千葉県内に鉄道路線を有する鉄道会社であるが鉄道事業に関しては赤字経営が続いており、副業の銚子電鉄ブランドによる食品事業によって経営を維持している。主力製品としてぬれ煎餅の製造・販売を行っている。1913年(大正2年)に現在の銚子電気鉄道にあたる銚子 - 犬吠間の鉄道路線を開業したものの、利用不振から1917年(大正6年)に路線を廃止して解散した「銚子遊覧鉄道」の関係者が、再び路線を復活させるために銚子鉄道を設立した。1990年(平成2年)1月に経営権が京成電鉄系の千葉交通から、千葉県東金市の総合建設業・内野屋工務店に移り、同社が子会社「銚電恒産」を設立して銚子電鉄はその子会社となった。また、同社社長内山健冶郎(元千葉県議)が社長に就任した。しかし、1998年(平成10年)6月5日に同社が781億円の負債を抱えて自己破産申請し、事実上倒産。銚子電鉄に対しては県と銚子市が支援を行った。内野屋工務店破産後も内山が社長を務めたが、2003年(平成15年)5月から7月の間に内山が借入金を横領したことにより2004年(平成16年)2月7日に解任され、取締役も辞任、同年6月9日に特別背任容疑で銚子電鉄が告訴状提出した。内山は2006年(平成18年)8月29日には総額約1億1000万円の業務上横領の疑いで逮捕され、2007年(平成19年)6月11日に千葉地裁で懲役5年の実刑求刑に対して懲役3年・執行猶予4年の判決が下った。この際、内山と銚子電鉄及び債権者の間で弁済について示談が成立していることを情状酌量の理由としている。前述の横領事件の発生により銚子電鉄は運転資金の不足を生じ、2006年(平成18年)11月には鉄道車両の法定検査が行えないという事態に陥った。同社は同年11月15日、ウェブサイト上で「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」という文章を掲載して、同社で製造・販売している ぬれ煎餅(後述)の購入などによる支援を呼び掛けた。この件は2ちゃんねるなどの電子掲示板や、個人の設置したブログなどのウェブサイトを通じて大きな話題となり、マスメディアによる報道も手伝って、支援をしようという人々からぬれ煎餅の注文が殺到、製造が間に合わずに何か月も発送が遅れ、一時は注文の受け付けを中止した。また「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」の言葉は『現代用語の基礎知識』に収載されるほどになった。この売り上げにより、車両検査の目途はついたが、問題はまだ残されており、特に鉄道設備の老朽化はかなり深刻な状況にあった。特に国土交通省関東運輸局が2006年10月23日から10月26日にかけて実施した保安監査では、路線設備での踏切や枕木の約1500本に腐食などが確認された上、場所によっては列車が通過していないにもかかわらず遮断棹が上がってしまうなどのトラブルもあったため、同省は11月24日に安全確保に関する改善命令を出して銚子電鉄に改善を指示した。2007年1月14日、安全運行問題の解決を支援するため、有志が「銚子電鉄サポーターズ」を設置。改善命令に基づいた枕木交換や、踏切設備の改善に限定したサポート基金の募集を行った。同会の特別サポーターには報道でこの問題を知ったプロ野球選手の小林雅英が会員第1号として就き、サポート基金への協力を呼びかけた。同年1月23日、銚子電鉄は2006年11月24日の命令に対し、今後の取り組みを記した報告書を提出。その後、枕木などの交換を行い、4月17日に同対処と駅員への運転教育による安全管理体制確立を内容とする改善措置完了報告を提出した。ただし、同局は「今後も引き続き指導していく」とのコメントを発表している。2008年5月26日、銚子電鉄サポーターズは支援の成果を上げたとして、休止を発表。同会には2008年3月31日までに4698名から入会金として約1658万円、運営費のカンパなども合計すると約1882万円が集まった。同会はこれらの収入から安全対策基金として、2007年に970万円、2008年5月26日に540万円の計1510万円を寄贈、老朽化した踏切看板の交換費用として約100万円を支出したとしている。また、同会は電車や沿線の清掃活動や撮影会などのイベント開催なども行った。同会は今後も存続し、側面的な支援活動は継続するという。同月、ぬれ煎餅の通信販売も再開されている。しかし、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震、およびそれに伴う福島第一原子力発電所事故などによる風評被害を受け、観光客激減の煽りを受けた影響などから、車両や設備更新費用が捻出できないと判断、2012年12月に社長が小川文雄から税理士の竹本勝紀に交代。2013年2月1日には、銚子電鉄は経営の自主再建を断念することを発表した。以後は施設管理と運行の上下分離を図るなどして経営刷新を進めることが検討されていたが、2013年12月30日には当面10年間の車両・設備更新費用7億6000万円のうち国が1/3・千葉県・銚子市がそれぞれ1/6負担、残りを銚子電鉄の自助努力(金融機関からの融資、鉄道事業の運賃改定、食品事業の増収、人件費の削減)するスキームを決定、関係機関が受け入れに合意したことで当面の廃線危機は回避された。鉄道事業のほか、食品製造販売業、物品販売業を行っている。とりわけ食品では、たい焼き(観音駅)や銚子名産の醤油を使った「ぬれ煎餅」、揚げもち、佃煮などを製造、販売しており、事業収入の過半を占めている。特にぬれ煎餅については、銚子駅や犬吠駅の売店、一部の高速道路のサービスエリア・パーキングエリアのほか、首都圏を中心としたデパートやJR東日本や京成電鉄、秩父鉄道等の駅売店、成田国際空港の空港売店ならびに寿司チェーン店「銚子丸」各店舗、千葉県北部や茨城県南部の一部道の駅や農産物直売所などでも販売されており、赤字に苦しむ会社の経営を支える大事な経営資源となっている。さらに、帝国データバンクにおける銚子電気鉄道の登録も、「米菓製造」となっている。また、犬吠駅では製造過程を見せる直売が行われていて、一日乗車券「弧廻手形」についている引換券をぬれ煎餅1枚と交換することもできる。2014年(平成26年)にはぬれ煎餅の増産で収益増を図り、鉄道部門の設備投資費用を捻出する狙いで銚子市小浜町にぬれ煎餅工場が新設され、同年6月28日この工場事務所1階に直売店「ぬれ煎餅駅」が開業した。2016年現在、電車6両、電気機関車1両を所有する。電車はデハ2000・3000形、電気機関車はデキ3形である。2000形は、2009年に伊予鉄道から800系(元京王帝都電鉄2010系)を譲り受けたもので、導入にあたり車両支援オーナー募集と車両愛称命名権の売却が行われた。同年11月4日から5日に松山港から海路輸送されてきた当該車両が銚子漁港から陸揚げされ、陸路笠上黒生駅に運ばれた。なお、2009年度内に営業運転を開始する予定だったが、諸般の事情により大幅に遅れ、2010年7月24日から営業運転が開始された。銚子電鉄では、2004年から運気上昇のための切符を販売している。3種類の切符のセットとなっていて、本銚子駅が「ほんちょうし」と読めることから「調子が本調子に向かう」として銚子→本銚子行の切符が「本銚子ゆき切符」、銚子行の列車が上り列車であることから「上り調子にする」とかけて本銚子→銚子行の切符が「上り銚子ゆき切符」、「本調子に戻る」とかけて銚子 - 本銚子間の往復切符が「往復銚子切符」として販売されている。価格は720円。これらの切符は、当初運気上昇のためのものとして注目を集めた。近年では合格祈願としての購入が増えている。そのため、銚子電鉄では受験シーズンの収入源として大きな期待をかけていて、銚子電鉄の駅だけでなく都内の書店やネット通販などでも販売している。2009年には切符に絵馬の形をした台紙をつけ、ご利益をよりいっそう高めるように改良された。これは銚子電鉄を守るヒーローとして登場した銚電神ゴーガッシャーのアクションショーの一環として、鳳神ヤツルギや銚電神ゴーガッシャーといっしょに臨時列車「ゴーガッシャー号」に乗車し、アクションショーが開催される犬吠駅まで行くという企画が行われる際に、この列車に乗車するために必要となる当日限定の記念切符である。主に犬吠駅の駅前広場でアクションショーが開催される日に発行される。
出典:wikipedia
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