オリオン通り（オリオンどおり）は、栃木県宇都宮市にあるアーケードのある商店街で、同県内で最大の繁華街である。ここでは、オリオン通りのさらに西に伸びる商店街ユニオン通りや、東側で交わるバンバ通り、オリオン通りの裏手にある商店街・親水公園釜川プロムナードについても記述する。 東武宇都宮駅から東側（JR宇都宮駅方面）、宇都宮二荒山神社前のバンバ通りに向かって約500mにわたってアーケードが伸びており、オリオン通り商店街とその東側のオリオン通り曲師町商店街の店々が軒を連ねる。その業種はカフェ、飲食店、食料品店、衣料品店、レコード店、宝飾品店、薬局、映画館など多岐にわたる。さらにアーケードの東の端にはパルコ・MEGAドン・キホーテ、西の端には東武宇都宮百貨店が位置しており、地域の集客力を支えている。また並行する大通り沿いには「池上町商店街」と「馬場町通り商店街」が形成され、大通りとオリオン通り間の界隈には「東武馬車道通り商店街」、「二荒通り商店街」、「鉄砲町商店会」、「馬場南通り商店会」、「宇都宮中央通り商店会」が、また周辺には「バンバ通り商店街」、「日野町商店街」、「みはし通り商店街」など多くの商店街群があり、栃木県内で最大の繁華街を形成している。宮っ子はこの界隈を「マチ（街）」と呼ぶ。また、この東武宇都宮駅周辺の商店街群を合わせた繁華街全体をオリオン通りと呼ぶ場合もある。しかし、地域経済の屋台骨である足利銀行の経営危機によって市全体の経済活動が1990年代後半から数年間停滞したことや、近年の再開発などでJR宇都宮駅前にララスクエア、商店街周辺にパルコなどの大型商業施設が続々出現にしたことによる客層の分散や上記施設内への店舗の移転（一例として新星堂とABCマートが商店街からララスクエア内へ移転した。）などが大きな要因となり、以前と比較すると中心性は薄れた。そのほかに大店法改正により近年開発された郊外型店舗の出現の影響も少なからず受けている。それでもオリオン通りとその周辺の商店街は、県内の商業の中心地としての地位に変わりはなく、土日・連休などは多くの買い物客で相応に賑わっている。平日の午後は、栃木街道周辺の専門学校生や高校生が帰宅する途中に立ち寄る姿が目立つ。さらに、宇都宮Festa内のオタク系ショップの効果から、最近ではオタクやコスプレイヤーなどの新規の客層が現れているなど、シャッター通り化する地方商店街が多い中、宇都宮市の中心市街地は比較的健闘しているといえる。オリオン通りの西側起点となる東武宇都宮駅前は宝木台地と一段低い田原台地の境界に位置し、大通り朝日坂に並行する坂道がユニオン通りの東口から真っ直ぐオリオン通りに伸びている。このような地理状況から、東進する自転車利用者による速度オーバーなど自転車の運転マナーの悪さと交通上の危険が関東ローカルや全国のニュースでも報じられ、商店街と学校・行政が一体となって指導した結果、以前よりは改善されつつある。東武側とパルコ側のオリオン通りは運営者が別々であり、両運営者が互いに仲違いをしている。そのため屋根の形も途中から切り替わっており、オリオン通りのHPも2つあるという状態になっている。当然イベントや行事についても別々で行うため、足並みが揃っていない状態が長く続いている。中心街を活性化したい住民からは歯がゆく思われている現状、早々にお互いが手を取り合い、一丸となる事が期待される。ツイッターやHPの作成等を試みようと言う取り組みはあるが、的外れのイベントや意見や苦情を受け付ける場を設けない、また宮コンを応援するも後日のゴミや汚物の片付けをしない、といった事から、新しい試みもなかなかうまく進んでいないように見られる。委員会の今後の運営と改善に期待したい。宇都宮二荒山神社前から宇都宮城址公園に向けて南方に伸びる通りで、二荒山神社の門前町である。二荒山神社門前の仲見世通りとして、戦前は宇都宮第一の繁華街であった。戦後も宇都宮商業地の中心として発展し、大通りとバンバ通りの交点角には西武百貨店と上野百貨店新館・本館の3館が一つ交差点に相面して店を構え、宇都宮最大の繁華街の中核を成した。1997年（平成9年）には唯一空いていた交差点角にパルコがオープンした。バブル崩壊後の不況や、上記でも記述した足利銀行の経営危機による市全体の経済停滞などが原因で2000年（平成12年）には上野が倒産、また2002年（平成14年）には西武も撤退した。その後、2003年（平成15年）には西武に代わりラパーク長崎屋（のちにMEGAドン・キホーテに業態転換）が入居、また上野本館のあった一角も再開発によりうつのみや表参道スクエアが建設された。ラパーク長崎屋はファミリー層、宇都宮パルコとうつのみや表参道スクエアの両施設は若者を中心に集客し一定の成功を収めており、往時ほどではないが宇都宮の中核的な商店街として買い物客で賑わっている。バンバ通り付近は中世には荒尾崎と呼ばれ、宇都宮明神（現在の宇都宮二荒山神社）あるいは下野宇都宮氏の菩提寺のひとつ東勝寺の境内地であった。江戸時代までに現・二荒山神社と宇都宮城本丸を結ぶ馬場が形成され、現在のパルコの一角は二荒山神社下之宮があり、江戸期には日光堂があった。宇都宮氏の時代から宇都宮城と宇都宮明神の間を結ぶ参道であったと言われるこの通りは馬場と呼ばれるようになり、これが転訛して「バンバ」と呼ばれるようになったとも言われている。オリオン通りの裏手を流れる釜川が親水公園化されたもので、川沿いには飲食店や衣料品店が多く立地している。夜間はライトアップされる。 かつての宇都宮市街地には多くの小さな川が流れており、宇都宮中心部を流れる釜川は戦前には清流を生かした染め物屋や鰻屋などの飲食店があり、市民の憩いの場となっていた。戦後は流域の開発により水質が悪化し、たびたび氾濫を起こすようになったので、1989年に市街地を流れる1.9kmが日本初の二層式河川（川底に排水路を設置している）に改修された。現在は並木や時計塔、東屋、ベンチをそなえた親水河川となっている。 パルコ南側の釜川沿いには、かつて赤線地帯があった。現在でも飲食店や衣料品店の多くは古くからの建物を改装して使用しているため、街並みには赤線時代の面影が色濃く残っており、これが古きよき時代の花街的空間の創出に寄与している。国道119号（東京街道）を挟んで、オリオン通りと反対の西側に伸び、材木町通りを結ぶ商店街が「ユニオン通り」である。アーケードではないが、通りの両側には若者向けの古着店、雑貨店、アクセサリーショップなど個性的な店が軒を連ねている。1990年代後半から2000年代中頃にはオリオン通りを凌ぐ流行の発信地として注目され、2006年に中小企業庁のがんばる商店街77選にも選ばれた。その後はJR宇都宮駅周辺や都心部に続々と出店した中央資本のファッションビルの台頭、若手の経営者が比較的多い事からのネットショップ中心の店舗が増たため、オリオン通りと同様、苦戦を強いられている。

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