高カリウム血症(こうカリウムけっしょう)は何らかの原因により血中のカリウムの濃度があがってしまう電解質代謝異常症のひとつである。災害時、挫滅症候群(クラッシュシンドローム)として発症する場合もある。カリウムの血中濃度が関係している症状にはほかに低カリウム血症がある。カリウムは本来は体内に必要不可欠なミネラルのひとつである。しかし、血中濃度が異常にあがりすぎた場合、人体に重篤な悪影響を及ぼす。主な症状はなどがあげられる。そのまま放置しておくと致死性不整脈から心停止に至る可能性がある。ECF(細胞外液)のK濃度が5.0 - 6.0mEq/lになると心電図異常(テント状T波、P波の消失、QRS幅延長)が見られ、7mEq/l以上になると致死的不整脈を起こす可能性が非常に高くなる。高カリウム血症は死に至る病態である。その死因は不整脈であるので、予防措置として心電図検査を行うことが一般的である。実際に血液検査を行うとかなりの頻度で高カリウム血症はみられる。しかし、心電図を行っても異常所見がみられないことがある、これらは偽性高カリウム血症と考えられている。原因としては採血した血液サンプルに溶血が見られる場合(細胞内のカリウムが放出される)と白血球や血小板が多い時に見られる。後者の場合は溶血所見が見られないため判断が難しい。メカニズムとして一般に行われる血液検査は血清採血であり血球成分の凝固がおこり、このため細胞内のカリウムが放出されると考えられている。血漿採血、即ちヘパリン採血を行えばこの問題を回避することができるため、疑わしい時はヘパリン採血で再検を行うことが望ましい。また、ジギタリス治療の副作用による発症が報告されている短時間で重篤な症状に陥りやすいが、迅速に血中のカリウム濃度を下げる事は困難である。高カリウム血症で致命的なのは致死性不整脈の発生である。大抵の場合は一般の生化学的検査では時間がかかりすぎてしまうので、アシドーシスの評価を含めて血液ガス分析(血清カリウム値が測れる機種が多い)で代用する。心電図による不整脈の監視は常に必要である。維持輸液で必要なカリウムは一日あたり20 - 40mEqであるが、経口摂取では一日50 - 100mEq必要であるといわれている。正常人ではカリウムは摂取量と同じだけ尿中に排出されることが知られている。即ち、腎障害がなければ尿中カリウム量からカリウム摂取量を予測することができる。尿中のカリウム排出の調節はCCT(皮質部集合管)で行われる。ここはカリウムの尿中への分泌を行う器官であり、体内のカリウムが過剰なときはカリウム分泌を促進させホメオスタシスの維持を行う。CCTでのカリウム分泌量調節因子としては以下のものが知られている。高カリウム血症の場合はそれが腎障害による排泄低下によるものか、過剰摂取によるものかを区別する必要がある。これは部分排泄率を用いることで簡単に区別することができる。カリウム部分排泄率 (FEK) は通常12.5 - 25%である。血清カリウムが上昇しており部分排泄率が増加していれば摂取過剰であり、低下していれば腎からの排出の低下である。これは摂取量が多ければ本来尿中排出量は増加し、少なければ低下するというホメオスタシスの直感に矛盾しない。
出典:wikipedia
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