『大番』(おおばん)は、1956年から1958年まで、週刊朝日に連載された作家獅子文六の大衆小説。人気作となり、のちに加東大介主演で映画化される。さらにフジテレビで連続ドラマ化され、主人公を演じた渥美清の出世作となった。大正末期、愛媛県宇和島地方の農村に生まれた田舎青年・赤羽丑之助(実在の人物、「ブーちゃん」こと佐藤和三郎がモデル)は、村の男女の出会いの場である村祭りの夜に、なんとか彼女を作ろうと知恵を絞る。自分がハンサムではないことを知っている彼が考えたのは、ラブレターをガリ版で大量に印刷し、女の子に見境なく渡す数撃ちの物量作戦に出ることであった。祭りの当日、彼は印刷したラブレターの一枚を、血迷って地元資産家の令嬢の可奈子に渡してしまう。これはたちまち村中の大スキャンダルになり、丑之助は村を夜逃げする羽目に追い込まれた。遠く東京にやってきた彼は日本橋兜町の株仲買店の小僧に就職、相場の世界に足を踏み入れた。戦前から戦後にかけての東京証券界を舞台に、相場師「ギューちゃん」となった彼の破天荒な生涯を描いた痛快人情小説。当時の兜町界隈の風俗をよく伝えるとともに、主人公の若者時代や取引で失敗し郷里に引き上げる場面では、宇和島地方の人情、文化、方言などを詳しく知ることができる。獅子文六が終戦直後、妻の実家である宇和島市津島町(旧北宇和郡岩松町)に疎開していた時の見聞が「てんやわんや」と共に小説の題材になったと思われる。映画の地元シーンには、みかんを植林する前の芋畑「だんだん畑」、護岸のための石垣、松くい虫被害のため後に伐採された頂上の松林が現存している九島、米がほとんど取れないため代用食として1960年ごろまで主に村落での主食になっていた芋をスライスして干したものを原料とした「かんころめし」(オツメ、オカチン)、芋とは食感、栄養と共にベストチョイスとされる「かいぼし」と呼称されるいわしの干物、「ホケ」と呼称される芋を原料とした密造酒、「若衆宿」と呼ばれた青年啓発学習制度など、往時をしのぶ映像が多数存在する。古い町並みが多数残っていた吉田町(現、宇和島市吉田町)でも多く撮影され、鳥羽酒造が森家として使用された。1962年10月3日から1963年4月24日までフジテレビ系列で放送。全26回。放送時間は毎週水曜22:15 - 22:45(JST)。映画で主人公がタンカをきる時は「お~た、がいやの、そうてて、な~しじゃ!」と言う。映画で主人公が東京駅に立った時の姿が包装紙のデザインに使われている。
出典:wikipedia
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