オフィチーネ パネライ("OFFICINE PANERAI")は、イタリアの高級腕時計ブランドである。通称パネライ。リシュモングループの傘下にある。1860年にジョヴァンニ・パネライ("Giovanni Panerai" 、1825年 - 1897年)によってフィレンツェに設立された精密機器メーカーであり、現在でも温度計、湿度計、気圧計、クロノメーターなどを生産している。このクロノメーターについてメーカーは公式ウェブサイトにマリン・クロノメーター("Cronometro Da Marina" )と書いているが、実際にはボード・クロノメーターである。精密機器納入業者であった縁でイタリア海軍より依頼を受け、パネライ一族が経営していた「スイス時計店」("Orologeria Svizzera" )が当時代理店だった縁でロレックスから防水ケースのノウハウやムーブメントの供与を仰ぎ、特殊潜水部隊のために軍事用ダイバーズウォッチ「ラジオミール」を1936年試作し1938年製品化した。名称の由来は1910年に自社開発した夜光塗料ラジオミール(ラジウムを含む)を使用したことによる。潜水服の上から装着できるようベルトは長く、視認性を保つためケースはφ47mmもある。第二次大戦中、放射線物質であるラジオミールに代わり新たにルミノールが開発され、それを搭載したモデルが納入された。特徴は9時位置の右側にスモールセコンドがある点である。また当初は100m防水であったが、大型のリューズガードを装備するようになり、これにリューズを押さえるレバーを取り付けることによってリューズの密閉度を上げ、200m防水を達成した。このリューズガードとレバーは現在も続くデザインの特徴となった。ムーブメントは1940年代にアンジェラス製に変更された。パネライはアレクサンドリア港攻撃に使用されて深海の暗黒において高い視認性を発揮し、作戦に参加し捕虜となったは戦後「この時計がなかったら、作戦そのものが遂行不可能だったであろう」と証言している。その後エジプト軍などで制式採用された。1966年、アルノ川のにより被災し、多くの社内資料を失う。1972年に三代目のジュゼッペ・パネライが死去したのに伴い、海軍出身のディノ・ゼイ(Dino Zei)が社長に就任。社名を"Guido Panerai e Figlio"からオフィチーネ・パネライに変更した。腕時計は長らく軍用のみだったが、軍需専門の精密機器メーカーだったために東西冷戦の終結とともに業績不振に陥り、その打開策の一つとして1993年より一般向け時計の製造、販売を限定的に開始した。最近では映画『トランスポーター』『トランスポーター2』でも使用されているが、この頃に映画俳優シルヴェスター・スタローンの特注による「スライテック・モデル」(スタローンの愛称である「スライ」に由来)も製作し、彼の出演映画『デイライト』でも使用され現行のクロノグラフにも「デイライト」の名を付けているものがあるなど当初からアメリカ映画界との繋がりは深い。1997年からスイスのコングロマリット、ヴァンドームグループ(現リシュモン)の傘下に入ってその時計ブランドとなった。ヴァンドーム傘下となる以前のパネライの時計は「プレ・ヴァンドーム」と呼ばれ、アンティーク/ユーズド市場で珍重される。リシュモン傘下になったのに伴い、ディノ・ゼイらは新たにミリタリー腕時計メーカーの「」を設立している。1998年国際的にデビューし、いわゆる「デカ厚ブーム」と言われる大型で厚い時計の流行の火付け役となり、近年の腕時計の大型化のトレンドを生んだと評価されている。ただし、この頃の時計は外観こそ軍用時代を忠実に再現していたが、ムーブメントはエタ等の安価な汎用品を採用していた。また、現在イタリア海軍特殊部隊隊員に実際に使用している時計を質問したところ、圧倒的にカシオのGショックであるとの返答を得たとされる。ちなみに、パネライは年間生産量を限定することにより希少価値を高めているため、現在でも入手にはある程度困難が伴う。2005年に自社製ムーブメントを搭載した時計を発表し、マニュファクチュール化した。自社開発はしているが、ムーブメントの製造ラインは系列のヴァル・フルリエにある。同年にはフェラーリと5年間の提携契約を結んだが商業的にうまくいったとは言い難く、2010年に契約を更新せず提携解消した。パネライの現状のラインは、まず大まかに、手巻きモデルからなる"ヒストリック"ライン、自動巻きモデルからなる"コンテンポラリー"ラインに大別される。ムーブメントによる分類は、次のとおりである。ヒストリックコンテンポラリーケースに着目すると、次のタイプに分けられる。ルミノール("LUMINOR" )ルミノール1950("LUMINOR 1950" )ラジオミール("RADIOMIR" )レギュラーラインナップとは別に毎年限定モデルを発表している。福野礼一郎『世界自動車戦争論1:ブランドの世紀』双葉社、2008年
出典:wikipedia
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