数学における線型位相空間(せんけいいそうくうかん、linear topological space)とは、ベクトル空間の構造(線型演算)とその構造に両立する位相構造を持ったもののことである。係数体は実数体 R や複素数体 C などの位相体であり、ベクトルの加法やスカラー倍などの演算が連続写像になっていることが要請される。線型位相空間においては、通常のベクトル空間におけるような代数的な操作に加えて、興味のあるベクトルを他のベクトルで近似することが可能になり、関数解析学における基本的な枠組みが与えられる。ベクトル空間の代数的な構造はその次元のみによって完全に分類されるが、特に無限次元のベクトル空間に対してその上に考えられる位相には様々なものがある。有限次元の実・複素ベクトル空間上の、意義のある位相はそれぞれの空間に対して一意的に決まってしまうことから、この多様性は無限次元に特徴的なものといえる。位相体 "K" 上の線型空間 "E" で、線型空間としてのベクトル和とスカラー積が連続写像になっているものは線型位相空間とよばれる。すなわち、"E" は加法 に関して位相アーベル群になっており、さらに定数倍写像が2変数の写像として連続になっている。係数体 "K" を明示して位相 "K"-線型空間などと呼ぶこともある。とくに係数の位相体が実数体である線型位相空間を実線型位相空間、複素数体である線型位相空間を複素線型位相空間という。線型位相空間には下にあげるように様々な呼び方がある。日本語としては『岩波数学事典』で用いられている"線型位相空間"が多く見られ、英語圏では"位相ベクトル空間"("topological vector space")が用いられている。係数体 K 自身は K 上 1 次元の線型位相空間を与えている。実・複素線型位相空間のより非自明な例としてルベーグ "p"-乗可積分関数の空間 "L"(R) (1 ≤ p ≤ ∞) などのバナッハ空間、とくにヒルベルト空間である自乗可積分な関数の空間 "L"(R)や自乗総和可能数列空間 "l"(N)、あるいはノルム空間でない例として急減少関数の空間 "S"(R) やソボレフ空間などがあげられる。線型位相空間の間の線型写像のうちで、さらに位相空間の間の写像として連続写像になっているものが線型位相空間の対称性を反映していると考えられるが、これらは連続線型写像(れんぞくせんけいしゃぞう、)あるいは有界(線型)作用素(ゆうかいせんけいさようそ、)とよばれる。関数空間上に積分核によって表される作用素はしばしば有界作用素と見なすことができる。特定の線型位相空間上の有界作用素のなす代数系は一様収束・各点収束など様々な位相をもち、そのうちいくつかは位相環の構造を与えている。連続線型写像が基本的な写像のクラスを与える一方で、非有界作用素とよばれる、稠密な部分線型空間上で定義された、連続とは限らない線型写像の考察もしばしば問題になる。とくに扱いやすい非有界作用素のクラスに閉作用素がある。非有界作用素の例として、"L"R 上、微分可能な関数からなる部分空間で定義された微分写像が挙げられる。線型位相空間 "E" から係数体 "K" 自身への連続線型写像は連続線型汎関数あるいは単に汎関数(はんかんすう、)とよばれる。"E" の上の連続線型汎関数の空間 "E" は "E" の(連続的)双対空間とよばれる。これは "E" を(位相を考えない)抽象ベクトル空間としてみたときの、代数的な双対空間 Hom("E
出典:wikipedia
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