島原鉄道キハ2500形気動車(しまばらてつどうキハ2500がたきどうしゃ)は、1994年(平成6年)に登場した島原鉄道の気動車(ディーゼル動車)である。本記事では、2001年(平成13年)に登場した本形式の改良増備形式であるキハ2550形気動車と、キハ2500・キハ2550の改造により誕生したキハ2500A形気動車、キハ2550A形気動車についても記述する。1990年代に入り、老朽化が進んでいたキハ55形・キハ26形・キハ20形の置き換えを目的として、新潟鉄工所にて1994年に5両(2501 - 2505)、1997年(平成9年)に5両(2506 - 2510)、2000年(平成12年)に3両(2511 - 2513)の計13両が製造された。新潟鐵工所の軽快気動車、NDCシリーズの第二世代にあたる車両で、基本的な車体構造や性能は九州旅客鉄道(JR九州)のキハ125形気動車に準じている。また、入線当初よりワンマン運転対応設備(JRキハ125と同仕様)を備えていた。2001年(平成13年)には保安ブレーキを二重系統化した改良形式であるキハ2550形2両(2551・2552)が製造されている。2011年(平成23年)には2009年(平成21年)の踏切事故(後述)により運用を離脱した2512の代替として2553が増備されている。2013年(平成25年)には、2512を除くキハ2500形全車と、キハ2550の2551・2552の自動ドレン分油器、及び除湿装置にヒーターが設置された。改造に伴い、車両番号の末尾にアルファベットのAが付記され、形式名もキハ2500A、キハ2550Aと改められた。車体は新潟鉄工所の軽快気動車標準型18メートルタイプで全鋼製。基本的な仕様は1993年(平成5年)登場のJR九州キハ125形に準じているが、キハ125ではトイレが設置されなかった(後に設置改造)のに対し、本形式では諫早側の車端部にトイレが設置されている。側面窓は2段式のユニット窓(上部固定、下部上昇)で、客室側に横引きのカーテンを備えている。車体塗色は、島原半島の大地の実りと、安心・安全への願いが込められたイエローを基調に、アクセントとして裾部分をブルーの帯とした。また、車体の両側面には「島原の子守唄」にちなんだイラストが描かれている。車内は床面・壁面をグレー基調、座席はパープル基調で、座席配置は中央部に2列+2列、もしくは2列+1列のボックスシート、車端部はロングシートを配置したセミクロスシートとなっている。なお、キハ2500形3次車(2511 - 2513)と、改良形式であるキハ2550形は座席配置の変更により定員数が減少した他、室内の排煙筒が赤く塗装されている。冷房装置は機関直結式のAU26J形(31,000 kcal)を、暖房装置は温水温風ヒーター式のWH-55R-1(42,400 kcal)がそれぞれ搭載されている。機関は新潟鉄工所製の鉄道車両向け直噴式ディーゼルエンジンであるDMF13HZ(330 PS/2000 rpm)が1基搭載されている。変速機は変速1段・直結2段の液体式TACN-22-1610、台車は密封式円すいコロ軸受けの空気ばねボルスタレス台車NP126D(動力台車・2軸駆動)、NP126T(付随台車)が装着されている。1994年12月21日より一般営業運転を開始した。運用開始当初は南島原以北での固定運用であった。設計当初からキハ20形を初めとした既存車との総括運転が可能であり、2002年(平成14年)からはトロッコ列車「島鉄ハッピートレイン」の牽引車としてキハ20形2011と共に2007年(平成19年)の同列車廃止まで運用された。キハ2500形2512は、2009年(平成21年)8月に吾妻 - 古部間で発生した踏切障害に伴う列車火災事故に遭遇。車体の南島原側が焼損し運用を離脱したのち、2014年3月に廃車、解体された。2512の代替として2011年(平成23年)に2553が新造され、2011年3月12日より運行を開始している。2014年(平成26年)現在、キハ2500A形12両(2501A - 2511A・2513A)、キハ2550A形2両(2551A・2552A)、キハ2550形1両(2553)の計14両が在籍している。島原鉄道の全列車に使用されており、全車ワンマン運転に対応している。キハ2504は一時期ラッピングを施し「まぼろしの邪馬台国号」となっていた。2014年4月より一部車両に企業・個人等がデザインしたヘッドマークが設置され、「列車命名オーナー車両」として運行されている。2016年(平成28年)1月には、キハ2500A形2505Aの塗装が、1986年(昭和61年)から2008年(平成20年)まで同社のキハ20形等に採用した「赤パンツ」、「島鉄標準色」と呼ばれる塗り分けに変更された。同車は2018年(平成30年)に引退が予定されており、「引退までの花道を飾りたい」という同社社員の要望から塗り替えが実現したもので、2018年までの約3年間に限りこの塗装にて運行される予定である。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。