モハメド・ガムーディ (、Mohammed Gammoudi、1938年2月11日 - )は、チュニジアの元陸上競技選手。ガフサ県出身。アフリカの長距離ランナーのパイオニアの一人であり、オリンピックでは1968年メキシコシティオリンピック5000m金メダルをはじめ、銀メダル2個、銅メダルも1個、合計4個のメダルを獲得した選手である。1964年東京オリンピックに出場時点ではまだそれほど名が知られている選手ではなかった。10000mでは、世界記録保持者であるオーストラリアのロン・クラークが優勝候補と目されていた。38人が出場した決勝では、クラークと、アメリカのビリー・ミルズの3人でファイナルラップまで競い合い、クラークには勝ったものの銀メダルを獲得。28分24秒8のタイムは世界歴代4位のタイムであった。彼は5000mにも出場しているが予選を突破したものの決勝は棄権している。1968年メキシコシティオリンピックは、高地でおこなわれる大会である。そのため、薄い酸素が長距離ランナーに与える影響が注目されていた。高地出身の選手は歓迎していたが、ガムーディは高地出身選手ではなかった。10000mではラスト1周のベルがなった段階まで3人が先頭に残る展開となるが、最後のスパートで、ケニアのナフタリ・テムとエチオピアのマモ・ウォルデに敗れ銅メダルに終わる。5000m予選は3つの組のうちもっとも遅い組の2着で楽々突破を果たす。2日後の決勝ではキプチョゲ・ケイノとナフタリ・テムの2人のケニア選手と、再びファイナルラップまで3人が残る展開となる。2人のケニア選手はガムーディを追い抜こうとするが、彼はラスト1周を54秒8という猛烈なスピードで走りきり、初の金メダルを獲得した。1972年ミュンヘンオリンピックでガムーディが最初に登場したのは10000m予選であった。ここで、彼は自己ベストの27分54秒8をたたき出し予選2組をトップ通過する。決勝では4800m地点まで世界記録を上回るペースで進んでいたが、突如、ガムーディはフィンランドのラッセ・ビレンが転倒したのに巻き込まれ転倒。これによってガムーディは不運にも脱落してしまう。一方、ビレンはすぐに立ち上がり金メダルを獲得した。5000mでは、ゆったりとしたペースではじまるが、3000mを過ぎ次第にペースが上がり始め、ラスト1周ではビレンとガムーディの一騎討ちとなった。バックストレートでビレンがスパートを打ち、最終コーナーでつき放され、惜しくもビレンに敗れる。しかし堂々の3大会連続のメダル獲得となった。

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