5.7x28mm弾はベルギーのファブリックナショナル(FN)が開発した汎用小口径高速弾である。口径は5.7mmで、薬莢は通常のライフル弾のようなボトルネック形状となっている。火薬量が拳銃弾なみに少なく、また弾体も軽量なため発射時の反動が小さいが、小口径であるため700m/s近い銃口初速を得る。これは近年広まりつつあるボディアーマーに対して、それを貫通し敵を効果的に倒すことを目的に開発されたものである。一部の軍・法執行機関において事実上標準化されている5.7x28mm弾・SS190は近年ボディアーマーを着用する兵士が増加し、従来の拳銃弾を使用する拳銃やサブマシンガンなどがほとんど効果を持たなくなった戦場において、大きな効果を発揮できるよう開発された。当初はこのSS190を発射できるのは同社のFN Five-seveN、P90、PS90のみであったが、AR-57など本弾薬を使用する銃を製造する他の銃器メーカーも増えてきている。また現在シンガポール・テクノロジーズ・キネティクスはこのSS190を使用するSSW(Squad Support Weapon)を開発中である。SS190はボディアーマーに対して大きな効果があるとFN社では盛んにアピールしているが、一部の軍・警察関係者はSS190は弾体重量が非常に軽いため、弾着時のパンチ力(ストッピングパワー)に欠けると考え、SS190の効果のほどに対して懐疑的であるという。これに対してFN社は、試験においては、SS190 および同様の 5.7×28mm 弾体は、または他の試験用媒体内を通過する際に、常によろめく(のたうつ)ような運動をしており、これによって21.6mmの弾体の全長を使って傷害腔をより広げる働きをしているとしている。 ただし、ある者はこの弾体のについては懐疑的であり、米国の民間シューターの間では論議の的となっている。2004年に、拳銃による暴力防止を目的としたブレイディキャンペーンから、Five-seveNから発射されたSS192ホローポイント弾(民間人でも所有可能な5.7mm弾)は、レベルⅡAのボディアーマーを貫通する能力があると指摘され、アメリカ合衆国国内で論議が巻き起こった。しかし、この批判の具体的な根拠が証明されなかった上、市販される全ての狩猟用ライフル装弾と一部の拳銃弾でもクラスⅡAのアーマーを撃ち抜くことができるため、この批判は的を射たものではなかった。実際BATFE(連邦アルコール・タバコ・火器・爆発物取り締まり局)ではSS192は貫徹弾であるという指定は受けておらずアメリカ合衆国においては民間人による所有も合法的なものとなっている。しかし、この批判を受けてFNはSS192の民間市場での販売を中止し、代わりにSS196SR(SRはSporting Round、スポーツ弾薬の略)の販売を開始した。SS196SRの弾頭にはポリカーボネートが使用されており、弾着と同時に弾が潰れて貫通力が落ちるほか、弾体重量がSS192より重いために銃口初速も下がっている。5.7x28mm弾には薬莢にテーパーが掛かっていないため、一度薬室に入れると薬室と薬莢のコンタクトが大きく、抜弾することが難しくなるためにそれを防ぐ目的で摩擦係数の低いポリマーコートが薬莢に施されている。この処理によって、P90においてはマガジンから90度回転して薬室に送り込まれるにも拘らずスムーズに装弾される。その他各弾薬メーカーによっても製造・販売は行われている。銃口初速と銃口エネルギーはP90の26.4 cm(10.4 in)銃身から発射された時の数値である。PS90の40.74 cm (16.04 in)の長い銃身から発射した場合、SS195LFの銃口初速は約60 m/s (200 ft/s)速く、SS197SRの銃口初速は約45 m/s (150 ft/s)速い。Five-seveNの12.2 cm (4.8 in)の短い銃身から発射した場合にはSS195LFの銃口初速は約90 m/s (300 ft/s)遅くなり、SS197SRの銃口初速は約60 m/s (200 ft/s)遅くなる。
出典:wikipedia
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