城下かれい(しろしたかれい)は、大分県速見郡日出町の別府湾の城下海岸で捕獲されるマコガレイを指す通称である。なお、「城下カレイ」「城下ガレイ」等の表記も見受けられるが、ブランド名としての正確な表記は「城下かれい」(かれいは平仮名、濁点なし)である。大分県日出町にある日出城(暘谷城)城下の海岸近くで漁獲されるマコガレイが非常に美味であったことから、総じて日出近海の別府湾内で漁獲されるマコガレイを城下かれいと呼ぶようになった。日出城下の海域では、海底から清水が湧き出ており、海水と真水が混じる汽水域となっているため、海水性・淡水性のプランクトンを食べて成長する城下かれいは、泥臭さがなく、味は淡白かつ上品で、古くから高級魚として珍重されている。城下かれいは、肉厚で、頭が小さく、尾ヒレが広く角張っていないといった形態上の特徴を有し、他で漁獲されるマコガレイと区別される。その美味は古来より知られており、江戸時代には武士しか食べることができず、将軍への献上品とされて珍重されていた。毎年5月には日出町で城下かれい祭りが開催され、城下かれいを通常よりも手頃な価格で味わうことができる催しもあるが、人気のため毎年競争率が高い。高級ながらも日出町では城下かれいのランチセットを提供している料理店もあるので、城下かれい祭りの時期を避けて食べに行くのも一つの方法である。木下謙次郎が昭和12年(1937)に著した『続・美味求真』では、「この魚の特徴は、肉質やわらかく色が純白で、少しの生くささも無いことである。これを刺身にすれば光沢があって青水晶のごとく、香味優逸にして確かに魚介の首位に推すべきである」と称賛されている。高浜虚子は、日出町を訪れて城下かれいを賞味した際に、「海中に真清水湧きて魚育つ」という句を残しており、城下海岸にはこの句の句碑が建立されている。城下かれいを供することで有名な日出町の料亭「的山荘」では、皇室、並びに各界の多くの著名人が訪れている。その中には、松本清張や司馬遼太郎、小林秀雄らも名を連ねている。森高千里の代表曲の1つ(後にミニモニ。もカバーした)である『ロックンロール県庁所在地』の歌詞に「城下かれい」が登場しており、それにより初めて城下かれいの存在を知る人も多いようである。美味しく食べることができるシーズンは、産卵に向けて肉付きが良くなる4月から9月くらいにかけてである。特に5・6月頃は最も味が良くなる時期といわれている。調理法としては、刺身、寿司、唐揚、煮付などがあり、南蛮漬や湯引にして供されることもある。
出典:wikipedia
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