阿比留文字(あびるもじ)は、神代文字の一種である。対馬国の卜部氏・阿比留氏に伝わったといわれる文字で、阿比留家の文書に阿比留草文字や対馬文字と共に書かれている。江戸時代の国学者である平田篤胤が『神事日文伝』で「阿比留文字」として紹介し「日文四十七音」とも呼んだ。阿比留文字は、漢字でいうと右側の旁にあたる部分に母音が、左側の偏にあたる部分に子音を配置し、子音と母音を組み合わせることで、日本のかな五十音表に対応できる形をとっている。また、平田篤胤が『神事日文伝上』で『釈日本紀』に述べられていた「肥人之字」であると書いたのは、篤胤が阿比留文字の草書体と考えていた「阿比留草文字」である。篤胤は「阿比留草文字」は「阿比留文字」の草書体であるとしていたが、現在は一般的に別の文字であるとされる。阿比留文字と朝鮮文字(ハングル)は形が似ており、何らかの関係があると考えられている。但しハングルと違い、母音字母は必ず子音字母の右に置かれる(全て下に置くものもある。竹内文書では縦文字をアメコアヒルモジという)。日本語のエ段音を表すために朝鮮語で //(現代の発音では[])を表す字母が使用されていたり、ラ行を表すために朝鮮語で /d/ を表す字母を左右反転させた形が(あるいは朝鮮語で /r/ を表す字母の上半分の形ともいえる)使われている。朝鮮語ではヤ行 /j/ を表す子音字母はなく、/ja/、/ju/、/jo/ 全体を母音字母として表記するが、阿比留文字ではヤ行を表す子音字母が新設されている。ヂ・ヅはダ・デ・ドと同様、朝鮮語で/d/を表す字母で綴られている。太古から日本と朝鮮半島には交流があった事から、阿比留文字はハングルとは何らかの関係があるのだろうとしている者もおり、国学者伴信友の『仮字本末』や、国語学者の山田孝雄の『所謂神代文字の論』においてハングルとの類似が指摘された。また、ハングルの基になったという見解を持つ人々もいる。なお、ハングルの基になった文字をモンゴルのパスパ文字と考える研究者がいる。阿比留文字による銘文が刻まれた石碑が宮崎県の円野神社にあり、また安曇野市の道祖神にも刻まれている。
出典:wikipedia
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