『ジーザス』シリーズは、エニックス(現・スクウェア・エニックス)より発売されたSFアドベンチャーゲームである。当時としては斬新な映画的手法を取り入れており、音楽はすぎやまこういちが手がけている。PC版『ジーザス』が発表された後に、ファミリーコンピュータ(以下FC版)へ移植され、さらにPC版発売から4年後に続編となる『ジーザス2』が制作された。『ジーザス』(英語表記"JESUS")はコマンド選択型アドベンチャーゲームの初期作品であり、映画の手法を取り入れたといわれ、シナリオ・グラフィック・音楽のバランスに優れている。舞台設定や展開など当時絶大な人気を博した『エイリアンシリーズ』の影響がうかがえる。 2061年、ハレー彗星の地球接近に伴い、世界中の研究者がハレー調査計画のため、宇宙ステーションジーザスに集結した。目的は、ハレー彗星の尾のガスを採取し、地球の生命のルーツを調査することである。まず、探査船1号機コメット、次いで2号機ころなが調査のためジーザスを出発する。コメットはガス採取に成功するものの、直後に突然交信が途絶える。主人公である武麻速雄は、連絡を取るため、単身で快速艇いなずまに乗り、コメットに向かう。コメットに乗り込んだ速雄は、乗組員が謎の死を遂げているのを発見する。船内を調査した速雄は、凶悪な地球外生命体に出くわすものの、唯一の生存者エリーヌとともに辛うじてコメットを脱出し、ころなに帰還する。しかし、ころなに帰還した二人を待ち受けていたのは…ゲーム誌「ファミコン通信」の「クロスレビュー」では合計28点(満40点)、ファミリーコンピュータMagazineの読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、22.34点(満30点)となっている。また、同雑誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では「大人気だったパソコンゲームの移植でストーリーも音楽もすごくいいぞ。アニメーション処理もありエンディングまでいけばきっと感動するぞ」と紹介されている。前作『ジーザス』の続編として、その後を描いた『ジーザス2』(英語表記"JESUSII")が制作された。しかし、後述の事情などもあり、制作期間が伸び、発売は前作の4年後となった。また、PC-8801、PC-9801、及びX68000とPCでの発表のみでのコンシューマ機への移植がなかったことから、コンシューマのゲーム・ユーザーにはあまり存在を知られていない。エイリアン(ハレー彗星のモンスター)は前作と特徴が異なる。直接攻撃以外にも胞子となって人に取り付く能力を有している。モンスターに殺害されると被害者は突然死した後にグロテスクな変身をとげる場合もあるが、標的となる人間をすぐ殺さず融合して操作する場合もある。目の前の生物を機械的に殺戮していた前作より生物戦略的な進化が見られる反面、戦術的には弱体化しており、銃器類等による直接攻撃が有効になっている。従って前作の様に、未知の生物対人間の戦いというより、登場人物の中で誰が取り付かれた人間かを推理する事が重要になる。また、人間の側にもそのモンスターそのものを利用しようとする陰謀があり、初期の登場人物全員が怪しい事から、推理小説の要素が強くなっている。最後にはエイリアン(ハレー彗星のモンスター)の本来の目的も明かされる。ただし前述の様に、そうした推理が出来ないと前に進めなかったり展開が変わるわけではない(前作ではエイリアンの狙いと弱点を推理することもクリア条件であった)。物語後半ではタイトル通りJESUSが舞台となる。だが、広大な面積を有する筈のJESUS内部を歩き回るシーンはない。前作では音楽が重要な鍵であった様に、本作ではフロッピーディスクの色が後に重要な要素になってくる。作中には5色のディスクが登場し、ゲームの媒体もそれと同じ色のFD5枚で構成されている。ディスクを使用する場面では、指定された色のFDを抜き差しすることが要求される。これを一種のコピープロテクトと見る向きもある。なお、直接の関係は無いが、本作の主人公の名前は「五色」和也であり、前作と主人公が違う。前作と共通の登場人物はナハス・アリ、速雄、FOJY(人ではないが)のみである。また、JESUSのコンピューターシステムを設計したアンドレイ・ベリーニについては間接的に言及される。前作の事件から4年後、地球の地中海からストーリーは始まる。事件は政府による巧妙なマスコミ操作により事故と報じられ、エイリアン(ハレー彗星からのモンスター)侵入の事実は伏せられていた。前作でコメット号から切り離されていたコンテナが地球に落下し、落下地点近くを何故か航行していた客船カリスト号はコンテナを引き上げたが、船員エンドール・イアルテは不審なものを感じていた。同じ船に主人公・五色和也は親友の佐伯真治と共に、モナコで開催予定のビーグル3WDのレースに出場する為に乗船していた、コンテナ落下の衝撃で気絶し、目覚めた彼がデッキに行くと、船員が突然死しているのを発見する。主人公達はやがてエイリアンを巡る巨大な陰謀に巻き込まれていく。本作品は、開発中にシナリオ担当の雅孝司がエニックスと対立し降板している。雅はこの際完成していたシナリオを引き上げてしまい、このシナリオを元にした『プロンティス』という作品がビクター音楽産業より発売されるという事態となる。既に製作をゲーム誌で発表し広告を打つなどの広報活動を行っていた上、雅のシナリオを元に原画・グラフィック担当の眞島真太郎が作業を開始していたため、エニックスではアップした原画は極力活かす方向を模索。結果六月十三を後任のシナリオライターに据え、一部設定を変更の上製作を続行したという逸話が残っている。このため開発当初に雑誌で紹介されたものと発売された作品では、キャラクター設定などに一部異なる部分があり、主人公は初期設定でレーサーだったため作中ではメカニックマンであると語られているが格好がどう見てもレーサーに見えるなど描写に不整合が見られる。またこのゲーム世代の一世代前、ゲーム作りがほとんど個人だった時代に『I/O』への投稿で高い知名度を誇った芸夢狂人(鈴木孝成)もプログラマーとして参加しているが「一人でなく複数で作ると、相手が完成していなければこちらが進められず、一人で作るより大変だった」と語っており、この後ゲームで収入を得る仕事からは撤退している。
出典:wikipedia
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