『ヤングマスター師弟出馬』( - していしゅつば、原題: 師弟出馬/英題: "The Young Master")は、1980年に製作された、ジャッキー・チェン監督・主演の香港映画。折り合いが悪かったロー・ウェイのプロダクションからゴールデン・ハーベスト社に強行移籍したジャッキー・チェンが、同社で監督・主演した第1回作品。香港クンフー映画の定番「仇討ち物語」ではないオリジナルの物語に、素手の対決はもとより扇子やスカート、ロープなどさまざまなアイテムを効果的に使った、趣向を凝らしたアクションを取り入れた明るい作品であり、香港において興行収入1128万2026香港ドルという当時の史上最高額を記録した。仇役には70年代に香港クンフー映画でも活躍したハプキドー(韓国合気道)の達人ウォン・インシクを迎え、20分近いジャッキーとウォンの対決はジャッキー作品のクンフー対決の中でも屈指の内容である。孤児のドラゴンとタイガーは名門金龍道場に拾われて育った若者。だが町の道場間で競われる舞獅(獅子舞)合戦の練習中に、頭持ちのタイガーが負傷し急遽ドラゴンが頭となって出場。しかし相手道場の獅子頭を持っていたのは怪我をしたはずのタイガーだった。舞獅合戦は金龍道場の完敗で、道場は町の笑い者になり師範は弟子に八つ当たりを始める。だがその後タイガーの裏切りが発覚し師範はタイガーを追放してしまう。八つ当たりの度を強める師範についにドラゴンが爆発、自分も出て行くことを宣言するが、師範は我に返り、ドラゴンに免許皆伝の証である道場の大扇子を持たせてタイガーを連れ戻すよう頼む。一方タイガーは悪党キムの一味となって悪事の片棒を担いでいたが、タイガーもまた免許皆伝の大扇子を持っていたため、ドラゴンは悪党として警察に捕まってしまった。競演に当時若手売り出し中だったウェイ・ペイ、ユン・ピョウを迎え、さらにはティエン・フンやシー・キェンなどの香港映画界の重鎮を添えるなど競演陣も華やかである。また国際公開バージョンには、歌手ジャッキー・チェンのデビュー曲「さすらいのカンフー」がテーマソングとして編入され、東南アジア圏を中心に各国でヒットとなった。ジャッキーは作品完成度に非常にこだわり、撮影に費やしたフィルムはかなりのもので、初期完成版もジャッキー自身が編集の監督を行ったが、それは3時間に迫ろうという長尺であり、配給会社の指示で最終的に1時間40分に短縮されている。本作の編集違いは無数に存在するが、主に地元「香港公開版」と「国際公開版」の2種類に分かれており、日本の劇場で公開されたものは国際版である。国際版は香港版よりもフッテージが若干多く、上記の「さすらいのカンフー」がエンディングとして使用されている。また香港版にある120テイク以上を費やして撮影された、投げた扇を再び受け取るシーンは国際版からはカットされている。アメリカでは国際版はパブリックドメインになっており、数々の会社から格安DVDが発売されている。また「台湾公開版」も存在し、上記の2バージョンでは見ることのできないシーンが含まれている。日本国内版のビデオソフトは、これまではすべて香港公開版に日本語字幕を付加したものであり、タイトルシーンや音楽が日本公開時のものとは大きく異なっていたが、2012年に㈱ツイン社から発売された国内版ブルーレイソフトには、香港公開版のほか、映像特典として日本公開版(国際公開版)を復刻収録し、さらに後者にはテレビ放映時の吹替え音源を合わせて収録している。日本上映版の字幕ではジャッキーが底なし沼に落ちた時に歌ったのは「カラス、何故鳴くの」の歌詞であるがTV吹き替えでは「ロンドン橋が落っこちた」に歌詞が変更されている。2014年11月に発売されたエクストリーム・エディションでは香港公開版の映像特典として台湾公開版収録のほか日本公開版フィルムを全編テレシネして収録しており、日本で公開されてから33年経て、ようやく完全な日本公開版がソフト化された。
出典:wikipedia
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