第4代サンドウィッチ伯爵ジョン・モンタギュー(John Montagu, 4th Earl of Sandwich, 1718年11月3日 - 1792年4月30日)は、イギリスの貴族・政治家。海軍卿、国務大臣など閣僚を務めた一方でジェームズ・クックの太平洋探検航海の有力な支持者の1人として活動、音楽家のパトロンにもなった。「サンドイッチ」の由来とも言われる。1722年に父のヒンチングブルーク子爵エドワード・モンタギューが急死したため、1729年に10歳で祖父の第3代サンドウィッチ伯エドワード・モンタギューから爵位を継いだ。イートン校を経てケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジで学んだ後、しばらく諸国を遊学した。1739年に帰国後、ベッドフォード公爵ジョン・ラッセルから貴族院の席を継ぎ、ほどなくして海軍卿()となった公爵の下でアドミラルティ・ボード(Admiralty Board)のコミッショナーに就任し、陸軍大佐にも任ぜられた。1746年、全権大使としてブレダ会議に派遣され、オーストリア継承戦争の講和条約であるアーヘンの和約の締結に至るまで和平交渉に参加した。1748年2月から1751年6月まで海軍卿に在任、1753年8月に国務大臣となるが、在任中にウィルクス事件が勃発する。1763年、急進的な煽動政治家のホイッグ党員ジョン・ウィルクスが、自ら発行したザ・ノース・ブリトン紙の第45号で、ジョージ3世を攻撃すると共に閣僚の地獄の火クラブスキャンダルを暴露したのだ。ジョージ3世は激怒し、地獄の火クラブの中心人物の1人でもあったサンドウィッチ伯が陣頭に立って、名誉毀損その他諸々の罪でウィルクスを告訴・逮捕投獄した。これに憤激した民衆は「ウィルクスと自由」「45号」を合い言葉に、ウィルクスの釈放を求めて大暴動を起こした。コヴェント・ガーデン劇場で騒動後まもなく上演された、ジョン・ゲイの記録的ロングラン作品「乞食オペラ」で、サンドウィッチ伯は盗賊マクヒースを陥れる登場人物の描写によって一連の行動を痛烈に皮肉られてしまい、おかげで有り難くないイメージが長くつきまとうことになった。事件後も閣僚の座に留まり1763年に再度海軍大臣に転任、1768年に郵政公社総裁、1770年に国務大臣、翌1771年から1782年に3度目の海軍大臣を務めた。1741年に初代フェイン子爵チャールズ・フェインの娘ドロシー・フェインと結婚し息子ジョン(1743年 - 1814年)を授かったが、ドロシーは健康を害し発狂した。サンドウィッチ伯はオペラ歌手マーサ・レイと16年間の幸福な愛人関係を過ごし、作家、法律家、博愛主義者として活躍したベイジル・モンタギュー(1770年 - 1851年)ら多くの庶子に恵まれたが、1779年4月にレイは嫉妬に狂った恋人にコヴェント・ガーデン劇場の階段で射殺されてしまった。サンドウィッチ伯はこの痛手から立ち直れず1782年3月に引退、1792年4月に死去した。サンドウィッチ伯爵位はジョンが継承した。軽食サンドイッチは第4代サンドウィッチ伯の名を取って命名されたと言われているが、伯爵が発明したわけではない。詳細はサンドイッチを参照されたい。パンに挟んだ干し肉を片手にカード賭博に興じるサンドウィッチ伯の逸話は、当時のフランス人による随筆に紹介された噂話に過ぎない。伯爵の伝記作家によると、海軍、政治、芸術と大忙しだったために、サンドイッチは、賭博台よりは執務の最中に仕事机で食されただろうといっている。パンにいろいろな食品をはさんだ食べ物は、古来より存在し、ヨーロッパでもサンドイッチと呼ばれる以前から存在していた。ちなみに伯爵にサンドイッチを教えたのは、グラウビュンデン共和国生まれの伯爵の義兄、ジェローム・ド・サリスだという説も有力である。サンドウィッチ伯はジェームズ・クック(キャプテン・クック)の太平洋探検の有力な支持者で、探検隊の帆船(エンデバー号、レゾリューション号、アドベンチャー号、ディスカバリー号)の購入と艤装(ぎそう)には海軍本部の予算が充てられた。クックは伯爵にちなんで、1778年に発見した今日のハワイ諸島をサンドウィッチ諸島と命名した。サウスサンドウィッチ諸島とアラスカのモンタギュー島にも伯爵の名前が残っている。海軍から引退した後、伯爵は音楽に精力を傾け、「エンシェント音楽」(伯爵の定義による20年以上前の「古い」音楽)の有力な擁護者となった。イタリアのバイオリン奏者フェリーチェ・ジャルディーニのパトロンにもなり、「エンシェントな」および現代的なキャッチ(輪唱)、グリー、マドリガルをプロの歌手が歌う「キャッチクラブ」を創設した。ヘンデルのオラトリオ、マスク(仮面劇)、オードの演奏会を私邸で催し、カノン風のエンシェントな曲目の演奏を広く紹介するための、エンシェント音楽のコンサートの開催にも尽力した。
出典:wikipedia
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