『嘘喰い』(うそぐい)は、迫稔雄による日本の漫画作品。2006年24号から『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて連載中。コミックスは2016年8月発売の第43巻まで刊行中。累計発行部数は430万部以上。2016年5月には連載10周年を記念して、実写映画化企画が進行中だと発表されている。ギャンブルを題材とした作品で、実在・オリジナルを問わず幅広い種類のギャンブルやゲームが取り上げられ、登場キャラクターが様々な頭脳戦を繰り広げる。一方で、殺人が容認されたギャンブルを勝ち抜き、負けを踏み倒したり勝負から逃れたりしようとする相手を逃がさないための暴力や権力にも重点が置かれており、格闘漫画・アクション漫画としての一面も備えている。それらシリアスなストーリー展開の中に時折、叙述トリックや言葉遊び、シュールなギャグが挟まれ、単行本には巻末にラフ画の描き下ろしギャグストーリーが掲載されている。劇中の時代設定は、「2001年4月9日に嘘喰いが屋形越えに挑んだ」「その2年半前の1998年11月に嘘喰いとハルが出会った」「卍決戦でのエア・ポーカー勝負は嘘喰いとハルの出会いから10年後」とされている。パチンコ屋に入り浸っていたギャンブル狂の青年梶隆臣は、パチスロの演出がわからずに戸惑っていた男・斑目貘にアドバイスする。貘が「大勝ちできた恩返しに」と借金清算の手伝いをしたことで梶は、貘の正体が「嘘喰い」の異名を取る伝説のギャンブラーであることと、要請に応じて立会人を派遣しあらゆる賭博を取り仕切る秘密組織「賭郎」の存在を知る。貘の目的はかつて失った大金と様々な力を取り戻し、賭郎の長・お屋形様の座を奪い取る大勝負「屋形越え」に再び挑むことだった。「廃ビル脱出勝負」にて梶の賭郎会員権と新たな仲間・マルコを得、富士廃坑での「ハングマン」勝負を経て嘘喰いは再び賭郎の会員となり、屋形越えに敗れた嘘喰いと共に賭郎を抜けたかつての専属立会人・伽羅も仲間に加わる。その頃海外の犯罪組織「アイデアル」が賭郎を支配下に置くべく日本に進出し、両組織の抗争が始まり対立が深まってゆく。警視庁での「迷宮」勝負にて「かつて屋形越えに敗北しお屋形様に命を預けられている」事実を抹消した嘘喰いは、マルコと共に続く「Mゲーム」に勝ち、国家権力によって不正に揉み消された犯罪者のリスト・Lファイルを獲得。一方梶は、嘘喰いに先立って迷宮勝負に負けLファイル中のある殺人の罪をなすりつけられていたが、事件の真犯人を突き止め「ファラリスの雄牛」勝負に勝利、嘘喰いの力を借りることなく自力で冤罪の呪縛から解き放たれた。Lファイルの内容を活用し、全国生放送のテレビ番組を使った「マキャベリストゲーム」を主宰したことで、嘘喰いは更なる人脈と財力をその手にする。直後アイデアルの介入により、得たもの全てを賭けた「業の櫓」勝負を行わざるを得なくなるが、左目に重傷を負いながらも勝利。また業の櫓と並行する形で行われた號奪戦において、嘘喰いの専属立会人・夜行妃古壱が立会人の頂点である零號の地位を獲得、それによって嘘喰いは再び屋形越えに挑む権利を獲得したかに見えたが、取り戻したはずの金をアイデアルに奪われ挑戦権を失ってしまう。賭郎21代目お屋形様・切間創一。長として賭郎を取り仕切りながら蜂名直器という別名を駆使して政財界に暗躍し、非合法の裏組織だった賭郎を内閣官房の秘密部署として編入させ、更に警視庁密葬課を配下に加えることでその力を盤石なものとしていった。しかし定期的に記憶を失う謎の持病により大量の記憶を喪失、嘘喰いの業の櫓勝利と夜行の零號立会人奪取と時を同じくして失踪してしまう。その後、友人である防衛省職員・大船額人と行動を共にするようになり、額人の追う兵器密輸事件の捜査に協力。奪われた嘘喰いの金を取り戻さんと奔走していた梶を介して立会人を呼び、アイデアルの息のかかった密輸船の船長と「バトルシップ」勝負を行った額人は、勝負には敗れたものの取り決めの裏を掻いて危機を脱出、出港した密輸船も蜂名の工作によって海の藻屑と消えた。斑目貘と蜂名直器の初めての出会いはかつての屋形越えの時ではなく、その2年半前に遡る。蜂名は思わぬタイミングで記憶を失ってしまった時、幼い頃からの世話役だった立会人・栄羽にコンタクトをとるための手段として、ある古本屋に特定の絵本を注文し受け取る決まりを設けていた。その絵本を貘が横取りしようとしたのをきっかけに、貘は蜂名にハルという渾名を付け、二人で共に行動するようになった。やがてハルは貘に代わって名うての賭郎会員・梟と勝負を行い、その時にボディガードとして傍にいた栄羽が命を落としたが、賭郎を介さず秘密裏に行われた勝負だったため勝敗の行方と栄羽の死の真相は賭郎を離れた梟しか知らず、誰にも解き明かされぬ賭郎の謎となった。かつて二人が出会った古本屋にて、密輸船を脱出し記憶を失くしたままの蜂名は嘘喰いと再会。そこへ偶然にもアイデアルの首領ビンセント・ラロとの連絡がついたことから、嘘喰いとラロは屋形越えの権利と己の全てを賭けた対決に臨むこととなる。境界線を定めた特定の地域内で雌雄を決する「卍決戦」。具体的なルールは、孤島で現実に再現されているMMORPG「プロトポロス」において、外部から4人の協力者を連れ込み、24日経過した時点で最高位「皇帝」であること。梶・マルコ・蜂名(ハル)・伽羅と共に順調に支配を進め、左手小指を失くし伽羅を喪い一時はラロの逆襲で死の寸前まで追い詰められながらも、最終決戦となった嘘喰いとハル、ラロと梟のチーム戦「エア・ポーカー」を制し、嘘喰いは再び屋形越えの挑戦権を手中に収める。そしてハルはエア・ポーカーの死闘においてかつて失った記憶を全て取り戻し、自らの記憶すら自在に操る「完璧」な存在となった。卍決戦が嘘喰いの勝利で幕を閉じたその日の朝、プロトポロスプレイヤーと運営が全て去っていった島の中で、嘘喰いの二度目の屋形越えが行われる運びとなった。屋形越えのゲームを決定し取り仕切り観戦が許されるただ一人のお屋形様付きの座を巡り、立会人たちは「ハンカチ奪い」の激闘を繰り広げる。声の項はVOMIC版 / OAD版の順。相違しない場合は省略。上記記載以外の人物。作中で行われたギャンブルについて記述。Q大郎が所有する廃ビルから脱出するだけの至極単純なギャンブル。対戦者側は金を受け取り廃ビルからの脱出を試み、Q大郎側は脱出の阻止・脱出者の無力化以外ルールはなし。夜行立会人が立会いを務めた。
Q大郎・夜行立会人の説明ではされていないが、武装した兵士複数名が対戦者を追跡し殺傷する。開始位置は6階でエレベーターは使用不可、下層には鉄線などのトラップが設置されている。貘・梶がQ大郎と勝負を行った。スタッド・ポーカー(手札の一部を公開して行うポーカー)の一種。詳細はセブンカード・スタッドを参照。使用カードはジョーカーを除いた52枚で行った。梶と鮫丸が勝負を行い、能輪立会人が立会いを務めた。能輪立会後、梶のイカサマ防止の提案で以下のルールが付加された。ハングマンとババ抜きを組み合わせた本作オリジナルギャンブル。賭郎で行われるハングマンには数種類あり、作中では変則ババ抜きが行われた。0から9までの数字が書かれたカードを各2枚ずつと、ⅠからⅤまでのローマ数字が書かれた5枚のババから無作為に選ばれた1枚の11種21枚のカードで通常通りババ抜きを行うというもの。以下の手順で行われる。参加者は会員梶・付添貘・夜行立会人と、佐田国・付添・目蒲立会人。貘と佐田国が勝負を行った。勝負中の暴力行使禁止、対戦者に発覚しないイカサマに賭郎は一切関与しないというルールが設けられた。互いの作成した迷路を攻略しあうゲーム。雪井出との勝負で用いられたルールはラビリンスを参照。上記の参照の項より、雪井出が行う上で相違点・詳細に決められている点を以下に記載する。梶、貘と雪井出が勝負を行い、門倉立会人が立会いを務めた。勝負中の暴力行使禁止のルールが設けられ、貘と雪井出が対戦した際には2戦目以降に残り2戦(合計で3戦のみ)という条件が追加された。貘、マルコ、天真、箕輪の四人が勝負を行い、門倉立会人が立会いを務めた。雪井出との勝負後に行われる事となった天真との賭けでは警視庁の地下に設置された実物大の迷宮が勝負に使用される。迷宮の概要は以下の通り。この条件を踏まえた上で門倉が提案した以下のようなルールにより勝負が開始された。なお、ゲーム中は以下の行動が禁止事項となり、破ったプレイヤーは即脱落(状況によっては賭郎の粛清対象)となるが、チームの敗北には至らない。また、以下の規則がその都度、追加されたが禁止事項とどう抵触するかは不明。羽山が借金で行き詰った者達を対象に、戯れとして開催していた死のギャンブル。このギャンブルは羽山の特注した同名の火刑器具によって行われる。蘭子と滑骨が仮の立会人を務めた。貘が報道番組「KY宣言」を利用して仕込んだギャンブルで、同番組の進行手順を決定するもの。同名のトランプゲームとは無関係。彌鱈立会人が立会いを務めた。貘と捨隈が搦手と500億を賭けて勝負するにあたり、賭郎側が用意したギャンブル。貘、マルコと捨隈、雹吾が勝負を行った。夜行と切間が立会いを務めた。賭郎が一応の乱入防止をしているものの、乱入と暴力行為は「有り」。業の櫓のパスワード絞り込みの為に用意された、補助的なギャンブル施設。なお、賭郎によればこの勝負において対峙した両者が同じ血液型だった事や、相手プレイヤーの血を注入されて生き残った例は無いという。蜂名(切間創一)を「カジノの取立人」と勘違いした城道が、彼を追い払うために提案したゲーム。以下、追加ルール本来は上記の予定で城道が持ちかけたものだが、途中から主導権は蜂名に握られてしまい、逆に城道が絡んでいる機密漏洩の暴露、及び洗浄資金の残りを懸けたゲームに変わってしまった。レーシィ船長一派に捕らわれた梶たちが解放を賭けて行う事になったもの。大船とレーシィが勝負を行い、最上立会人が立会いを務めた。卍によって決められた勝負の舞台。12月7日から12月31日の間、4人ずつ協力者を従え、タイムリミットが来た時点で皇帝(カイザー)となっているものが勝者。貘・ラロともに(命も含む)「全て」を賭け、勝てば屋形越えの権利を得る。進行は彌鱈。参加者と初期立会人は、貘=ヰ近、梶=門倉、マルコ=???、ハル=真壁、伽羅=三鷹、ラロ=南方、ロバートK=銅寺、フロイド=間紙、梟=紫音、ジョンリョ=番代。さらに亜面と能輪美年が参加し、夜行も追加された。彌鱈や真壁などごく一部を除けば、立会人達は零號の夜行ですら「ハル=創一」であることを知らされておらず、各々が対面時に度肝を抜かれることになった。31巻(プロトポロス編開始)を境に装丁が一新されている。集英社が運営するヴォイスコミックステーションサイト「VOMIC」にてラジオドラマ化、2010年11月11日から24日まで全4回で順次公開され配信中である。2012年10月19日に発売の単行本26巻の限定版に付属された。人気の高いエピソードである「廃坑のテロリスト編」がアニメ化されている。以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。