フィット(初代:Fit、2代目・3代目:FIT)は、本田技研工業が生産・販売しているハッチバック型の小型乗用車である。日本では2001年6月にロゴの後継車として登場した。軽自動車を除くホンダの乗用車では最も小型であり、同時期の同クラスの他の車種と比べて優れた走行性能と低燃費の両立そして広いラゲッジスペースを確保し、コンパクトカーのベンチマークの一つとして評されている。トヨタ自動車のヴィッツや日産自動車のマーチと共に「日本のコンパクトカー御三家」と言われた事もある。センタータンクレイアウトと呼ばれる、ホンダ独自の特許技術により、同時期のコンパクトカーよりも、広い室内空間を提供している。2002年には日本国内における年間販売台数で33年間トップを守り続けたトヨタのカローラを上回りトップとなった。初代モデル開発における車名は、フィッタであった。だが、スウェーデン語で女性器を意味する言葉であったことから、英語で、「ぴったりの」「ちょうどよい」というフィットと名付けられた(詳細は後述)。車名の文字は初代のみ小文字の「Fit」であったが、2代目以降は大文字の「FIT」に変更された。なお初代の車体後部に取り付けた「Fit」ロゴの「i」の上の点部は1.3Lモデルが赤、1.5Lモデルが青と分けて使用された。日本国外では北米、南米、中国、台湾で日本と同じ「フィット」の名称が使われているが、それ以外の欧州、東南アジア、オセアニア、中東、アフリカ、香港などでは「ジャズ(Jazz)」の名称で販売されている。なお、北米ではサブコンパクトカーに、欧州ではBセグメントに車格がそれぞれ分類されている。日本では2010年10月にハイブリッドモデルも追加された。"ハイブリッドモデルの詳細はフィットハイブリッドを参照。"プラットフォームにはセンタータンクレアウトを採用したグローバルスモールプラットフォームが採用されている。このプラットフォームは、のちにモビリオ、モビリオスパイク、フィットアリア、エアウェイブ、そして、欧州向け3代目シビック(3ドアおよび5ドアハッチバック)にも用いられた。発売当初の搭載エンジンは、新機構である「i-DSI」を採用したL13A型エンジンのみで、トランスミッションは、ホンダマルチマチックSと呼ばれるCVTのみの設定であったが、後に1.5L VTEC仕様のL15A型エンジンとホンダマルチマチックS+7スピードモード(7速自動変速モード)が、また、1.5LのFF車に5速MTが追加された(1.5AのMT仕様は遅れて追加)。デビュー当初の日本国内での月販目標台数は8,000台だったが、受注台数は発表後1か月でそれを大きく上回る約48,000台を記録した。この数値はトヨタの3代目プリウスが出るまでは日本車歴代トップだった。その年の10月、グッドデザイン賞を受賞し、11月には「2001 - 2002日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。翌2002年には「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」受賞。さらに、同年(2002年)の日本国内での年間販売台数で33年間トップを守り続けたトヨタのカローラを上回りトップとなった。2007年6月末に、世界累計販売台数が200万台を達成した。北米仕様は、2004年6月のマイナーチェンジ以前の「前期」のデザインであり、リアのブレーキランプとテールランプがLEDになった日本での「中期」以降にあたるモデルは販売されなかった。L15A型 1.5L VTECエンジンのみを搭載し、トランスミッションは5速MTの他5速ATが設定されている。またフラットブレードワイパーも適用されている。そして米高速道路交通安全局 (NHTSA) が定める連邦自動車安全基準 (FMVSS) のNo.208「衝突時の乗員保護」に適合するよう、前後バンパーを通称5マイルバンパーに変更されている。よってこれらの大きさや形状は日本仕様と異なる。またフューエルリッドの位置も異なる。同局の前面衝突試験では運転席・助手席ともに最高評価の五つ星を獲得している。ブラジルではフレックスエンジン(エタノールとガソリン両用エンジン)搭載車を売り出している。2007年10月18日に2代目へのフルモデルチェンジが発表され、日本では10月26日に販売が開始された。月間販売目標は12,000台と発表されている。先代と比べてボディは一回り大きくなり、全幅は5ナンバーサイズいっぱいの1,695mmとなった。エンジンは従来どおりのL13AおよびL15Aであるが、i-VTEC仕様に改良された(L13A:100PS, L15A:120PS)。L13A型はi-DSIから1バルブ休止型VTECへ、L15A型は1バルブ休止型VTECから低速域と高速域で切り替えるパフォーマンス型VTECへ変更となった。後者については、新たに低速側のロッカーアームを高強度アルミ材を用いたL字型とすることで、従来の3ロッカーではなくコンパクトな2ロッカーで低速域と高速域を切り替える構造になった。トランスミッションは、FF仕様にはトルクコンバータ付きCVTが組合わされ、4WD仕様には5速ATが組合わされている。当初、1.5L仕様はスポーツグレードの「RS」のみで、FF仕様には5速MTも組合わされていた。また発売当初、RSのMT車の車両本体価格は同一グレードのCVT車よりも20万円以上高額だったが、これは標準装備が大きく異なるためであった。この価格差は、2009年11月の一部改良によって、ほぼ同一の標準装備に改められて解消された。メーカーオプションで、エアウェイブと同様の「スカイルーフ」が選択できる。発表前の内部試乗会は鈴鹿サーキットで行われ、競合他社のコンパクトカーとの比較試乗や、営業マンには内部試験を受けないと販売できない異例の体制をとっている。この模様はNTV系の報道番組で放送された。中国製やタイ製の部品の割合を先代に比べて大幅に増やすことによって、製品価格上昇を抑えた(日本経済新聞の記事より)。また、韓国製の高張力鋼を用いて車体剛性を1.5倍化した(朝日新聞の記事より)。その年の10月、グッドデザイン賞を受賞し、11月21日には2007-2008日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。初代につづいて2度目の受賞となった。11月末に、国内累計販売台数が100万台を達成。初代同様、販売は好調で、2007年11月から2008年9月まで国内乗用車販売台数で11か月連続首位を記録している。2008年3月、2007年度登録乗用車販売台数で第1位を獲得し、12月には2008年登録車販売台数で第1位を獲得した。2007年に独立行政法人自動車事故対策機構 (NASVA) が実施した自動車アセスメントで、衝突安全性能総合評価は運転席・助手席とともに6スター(★★★★★★)とトップレベルの評価を獲得した。(フルラップ前面衝突試験・オフセット前面衝突試験・側面衝突試験のすべての項目で最高ランクのレベル5。)歩行者頭部保護性能試験ではレベル3に留まった。北米仕様は、初代と同様に前後バンパーが延長されたほか、フロントノーズも延長された。エンジンは初代と同様1.5Lのみの設定となる。2008年7月には欧州仕様が発表され、エンジンは1.2L i-VTEC (1,198cc) と1.4L i-VTEC(1,339cc。日本向けの1.3Lと同一エンジン)とが搭載されている。1.4L仕様には欧州仕様シビックに採用されている6速2ペダルMTの「i-SHIFT」を搭載したモデルも設定されている。2009年6月10日にはインド市場にもジャズが投入された。パワートレーンは1.2L i-VTECエンジンと5速MTの組み合わせのみとなる。また、同年10月7日に英国スウィンドン工場でもフィットの生産が開始された。2010年10月8日にマイナーチェンジを行い、エクステリアを多少変更し、RSには同クラスの日本車で初の6速MTが採用され、内装はオレンジとブラックのシートへと変更された。同時にフィットハイブリッドを設定した。フィットハイブリッドの燃費は30km/L(10・15モード燃費)となっている。2012年からオーストラリア・ラリー・チャンピオンシップ(Australian Rally Championship:ARC)のG2クラスに参戦している。イタリアのJAS Motorsportによって製作された車両は、スーパー2000のようなオーバーフェンダーをつけたボディに、M-TECチューンのK20A型エンジン(183kW、193N·m)を搭載したFF車両である。ホンダが進めるグローバルオペレーション改革の一翼を担う車両として、2013年9月5日にフルモデルチェンジを公式発表した。初代からの設計思想は継承しつつ、パワートレインや車体を新設計にしたことで性能を向上させた。デザインコンセプトを「EXCITING H DESIGN!!!(エキサイティング H デザイン!!!)」と定義し、日本を含むグローバル市場におけるホンダの最量販車となることを目標とした。先代よりもさらにボディが一回り大きくなったが、全幅は先代と同様の1,695mmで、5ナンバーサイズを保った。パワートレインは「EARTH DREAMS TECHNOLOGY(アース・ドリームス・テクノロジー)」を導入して全面刷新され、全てエンジンがSOHCからDOHCに切り替えられた。1.3L車はエンジンにアトキンソンサイクル仕様のL13B型を採用し、またアイドリングストップを採用することで、燃費を26.0km/L(「13G」、JC08モード 国土交通省審査値)に向上した。1.5L車は直噴エンジンのL15B型を採用したことで、最高出力を10%向上した。なお、燃費向上により、「RS」の6速MT車を除く全車が「平成27年度燃費基準(「13G」を除く1.3L・FF・CVT車は+10%、「13G」は+20%)」を達成した。プラットフォームも新設計となり、初代から続くセンタータンクレイアウトを継承しつつ室内空間やパッケージの自由度を最大限に高め、製造手法や解析方法を刷新したことで軽量化と高剛性化を図った。防音材や遮音材の適応面積を最大化したことで静粛性能を向上させるとともに、段差の乗り越え時に発生するショックノイズも大幅に低減させた。シャシーシステムはサスペンションを新設計にしたことで、操舵安定性と乗り心地の改善を目指した。安全性能も強化され、VSAやヒルスタートアシスト機能に加え、急ブレーキ時にハザードランプが点滅し、後続車に注意を促すエマージェンシーストップシグナルも標準装備されたほか、衝突被害軽減ブレーキの一種である、追突や発進時の事故被害の軽減し、安全運転をサポートする「City-Brake Active system(シティブレーキアクティブシステム)」を新開発し、サイドカーテンエアバッグシステムと前席用i-サイドエアバッグシステム(容量変化タイプ)とのセットオプション「あんしんパッケージ」を設定した。また、このクラスにおいて採用例の少ないLEDヘッドライトもグレード別装備として用意されている。内装では、1.5L車の助手席側のインパネにソフトパッドを採用した。また先代に引き続き、ハイブリッド車の「フィットハイブリッド」も設定される。発売以来、リコールが相次いでおり、2014年10月23日で5度目となるリコールを発表した。責任を取って役員13人の報酬の一部を3ヶ月間自主返上することも発表した。ホンダが品質問題で役員報酬を返上する初めての事態となるフィットは「ぴったりの」という意味の英語。なお、フィット発売以前に2代目シティのグレード名やスクーターの3代目ディオのバリエーションモデル名として使用されており、1987年10月に商標登録されていた(商標登録番号:第1991947号)。当初は「フィッタ(Fitta)」という名称が予定されていたが、発売直前になってフィットと変更になったという。フィッタの車名でパンフレットが印刷され、CMも完成しており、営業所向けの販売マニュアルやホンダによるフィッタの商標登録も確認されている。車名の変更の原因は、フィッタがスウェーデン語で女性器を意味する隠語だったことが、スウェーデンホンダからの指摘により判明したため、といわれる。これについてホンダ広報部は、『新潮45』の取材に対して、この噂が流れていること自体は認めつつも、噂の内容が事実であるかどうかについては、「そのような事実があったとも、なかったとも言えません」と回答した。
出典:wikipedia
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