円太郎バス(えんたろうバス)は、フォード・モデルT(T型フォード)のトラックモデルであるフォード・モデルTTを流用して造られた東京市営バス(現在の都営バス)の車両のこと。1923年9月に東京一帯は関東大震災に見舞われ、交通網が寸断された。特に、市電網は壊滅的な被害を受け、復旧の見通しが立たなかった。市電を管理していた東京市電気局は、市電が復旧するまでの足としてバスの導入を決定。納期を早めるため、大量生産を行っていたフォード社のT型フォードに着目し、1,000台(最終的に発注台数は800台)のエンジン付きシャシーを発注、バスのボディを別途国内で製造し、組み合わせる手法を採ることとした。こうして生まれたバスが円太郎バスである。わずか11人乗りの急造バスであるが、小さい車体は震災で寸断された市中を走り回るには好都合であったこともあり、市民の貴重な交通機関となった。T型フォードのシャシーを流用したバスは腰高であり、シルエットが明治時代の乗合馬車に似通っていた。乗り心地も困ったことに馬車並みに酷かった。明治時代の乗合馬車は通称、円太郎馬車と呼ばれていた。それをもじって次第に円太郎バスと呼ばれるようになった。フォードの協力もあり、円太郎バスは震災後わずか4か月後の翌1924年1月から運行された。当初は2系統であったが、年末までに800両が揃い計20系統で運用された。急造とはいえ大量導入されたバスは、日本でも公共交通機関として十分に機能することを証明することとなり、後年、日本各地の都市で路線バスが運行される契機となった。こうした背景が評価され、1955年より円太郎バスは交通博物館で保存されることとなった。交通博物館の閉館後、2007年からは鉄道博物館の所蔵として東京都交通局が保管しており、非公開とされている。また2008年機械遺産28番に認定された。
出典:wikipedia
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