シエンタ("SIENTA")は、トヨタ自動車が2003年から製造・販売を行なっているミニバン型乗用車。5ナンバーサイズの7人乗りミニバンとして販売されており、ホンダ・フリード等が競合車種となる。初代はガソリン車のみだったが、2代目はハイブリッド車も設定されている。2001年デビューのホンダ・モビリオ、シエンタと同じく2003年デビューの日産・キューブキュービックに続くサブコンパクトサイズのミニミニバン。ボディサイズは小型だが3列シートを備え、7人乗車を可能としている。月間販売目標は7000台。後席に両側スライドドアを採用し、一部グレードでは助手席側が電動式になり、運転席側はオプション設定。取扱ディーラーは発売当初はトヨタカローラ店およびネッツ店で、2006年5月のマイナーチェンジ以降はカローラ店のみ。ボンネット先端中央に取り付けられているエンブレムは、頭文字のSを象った曲線に、車名の由来となった「7」を表す7個の点を左右に配したものである。生産は前期型がトヨタ自動車高岡工場、中期型へのマイナーチェンジ(2006年5月)以降はダイハツ工業京都工場が担当。2010年8月に一度販売を終了したが、代替車種とされていたパッソセッテ/ブーンルミナスの売れ行きが不振だったこともあって計画が変更され、僅か9ヶ月後の2011年5月に製造・販売が再開された。プラットフォームはフロントがCP20系ファンカーゴ用のNBCプラットフォーム、2列目・3列目シートを内包し負荷のかかるリヤはE120系カローラスパシオ用のMCプラットフォームと、前後で異なるプラットフォームが使用されている。リアのプラットフォームに1クラス上のカローラスパシオ用を選択した事でリアのトレッドがフロントより20mmも広く、このクラスのFFベース車としては稀な足周り構成となっている。また、NBCプラットフォームを使用した他の車種で4WD車を選択した場合、リアサスペンションがトーションビームもしくはトレーリング車軸式になるのに対し、シエンタはE120系カローラシリーズと同じくダブルウィッシュボーン式となる。当時世界最薄とされたアルミメッキ鋼板製薄型燃料タンクを採用。トヨタではグランビアの頃からすでに扁平型燃料タンクを採用していたという。従来の設計でもタンク高は約15cmまで下がっていたが、シエンタではさらに約12cmまで薄型化され、2列目シート下から3列目シートの足元にかけて設置されている。これにより3列目シートを2列目シートの下に収めることができた。3列目シートはヘッドレストを付けたまま2列目シートの下に収納可能となっており、これにより荷室部分を有効に活用することが出来る。このシートの収納は主なユーザーが女性ということもあり、操作は特に大きな力を必要とせず片手で行えるよう考えられている。エンジンは1NZ-FE型直列4気筒1,500ccエンジンのみ。FF車用はVVT-i対応ローラーロッカーアーム式DOHC16バルブ、4WD車用はVVT-i対応直打式DOHC16バルブとなっており、最高出力や最大トルクがそれぞれ異なる。トランスミッションはFF車がCVT、4WD車は4速ATで、FF車用のメカニズムがより低抵抗高効率型になっている。4WD車はメカニカルロスや重量増による燃費悪化に対し、ガソリンタンク容量を3リッター増やす事でFF車と同等の航続距離を確保している。4WDシステムはリアデフ直前にトルク配分と差動制限を両立させるビスカスカップリングを配置した、Vフレックスフルタイム4WDが採用されている。通常の直進走行時には前100%・後0%とほぼFF車に近い駆動力配分なのに対し、コーナリングやスリップ時など前後輪に回転差が生じた場合には、最大で前50%・後50%まで自動で変化させるシステムである。4WD車は2003年の発売開始当初より、2011年以降の再生産モデルではFF車においてもパンク修理キットが標準装備となっているが、いずれもメーカーオプションにて応急用タイヤを搭載する事は可能である。その場合、4WD車はデッキアンダートレイが、FF車はデッキボックスが装備されなくなる。メーカーオプションで寒冷地仕様を選択した場合、一般的に電装系の負荷増に対応して容量の大きいバッテリーサイズに変更されるが、シエンタは標準仕様と同じサイズ(46B24R)が搭載される。全車にアナログ指針式の速度計と回転計を搭載したセンターメーターが採用され、上級グレードや特別仕様車の一部ではオプティトロンメーターとなる。発売から12年を迎え、初のフルモデルチェンジを実施。チーフエンジニア(CE)はプリウスαのCE等を歴任した粥川宏(かゆかわ ひろし)。2代目は「ミニバン=四角いハコ型」というこれまでの概念を打ち破り、「Active & Fan」をキーワードとしてトレッキングシューズをイメージした機能性と動感を表現したデザインを目指して設計され、サイドビューはシアターレイアウト(後席に行くほど乗員位置を高めに配置)に沿ったサイドシルエットやベルトラインによってキャビン全体を前傾に見せ、フロントはヘッドランプからフォグランプ・グリルへと一筆書きのようにつながるバンパーガーニッシュで構成され、バンパーコーナーを強調させた、なお、フロントのエンブレムはトヨタのCIマークのエンブレムに変更された。リアは機能的かつユニークな表情を演出するため、コンビネーションランプとバンパープロテクターを融合したバンパーガーニッシュを採用。また、初代では独立して装着されていた車名エンブレムが無くなり、電気式バックドアハンドルに車名ロゴを刻印した。ボディカラーはイエロー系の新規開発色「エアーイエロー」を含む全8色(後述の「車いす仕様車(タイプI)"助手席側セカンドシート付"」は専用色の「スーパーホワイトII」を含む6色)を設定したほか、メーカーオプションとして、フロントグリル・バンパー・ドアミラーなどに「ブルーメタリック」または「ブラウンパール」のアクセントカラーを配した「FLEX TONE」を5色設定した(「FLEX TONE」は「X"Vパッケージ"」及び「車いす仕様車(タイプI)"助手席側セカンドシート付"」は設定不可)。内装ではインストルメントパネルはアッパー部とロア部で構成され、ロア部にはスイッチなどの操作系を腕の動きに沿って配置。オレンジのアクセントカラーやサテンメッキ・ピアノブラックの加飾を施し、助手席アッパーボックスにもオレンジ加飾を施した。燃料タンクを薄型化してセカンドシート下に搭載し、ハイブリッド車に搭載されているバッテリーをセカンドシート足元の下に搭載したことで段差の少ない低床フラットフロアを実現し、スライドドアの乗り込み高さを2WD車で55mm低くなり、ドア実開口幅も50mm拡大したことで乗降性を高め、座面のヒップポイントを後席に行くほど高くすることで見晴らしも良くした。セカンドシートはニークリアランスを25mm拡大して足元のゆとりを確保し、ワンタッチのレバー操作で折りたたみできるタンブル機構を備えた。サードシートはシート幅を70mm拡大した幅広のベンチ風シートとなり、ロックを解除して前方に送り込んでセカンドシート下に格納できるダイブイン格納機構を備えた。取扱店については、初代の発売開始時から継続しているカローラ店に加え、2006年5月のマイナーチェンジ以降取り扱いが無かったネッツ店へも約9年2ヶ月ぶりに取り扱いを再開。さらに、フルモデルチェンジを機にトヨタ店・トヨペット店でも取り扱いを開始することとなり、すべてのトヨタ販売店での取り扱いとなった。生産は2015年現在、既にカローラアクシオを生産しているトヨタ自動車東日本本社(宮城大衡工場)にて行われる。尚、当代は少量ではあるが、先代に引き続き、香港・マカオ(いずれも中華圏特別行政区)市場でも販売される。2016年8月にマレーシアで初めて販売が開始された。パワートレインにはエンジンに1NZ-FXE型を採用した「リダクション機構付THS II」を搭載したハイブリッドモデルを新設。これにより、ミニバンでトップクラスとなるJC08モード燃費27.2km/Lを実現し、「平成32年度燃費基準+20%」を達成した。初代から踏襲するガソリンエンジンモデルは2WD車がハイブリッドモデルに採用されているアトキンソンサイクル、クールドEGR、VVT-iEなどを採用した2NR-FKE型に置換し、新たにアイドリングストップ機能の「Stop & Start System」を標準装備したことでJC08モード燃費を20.6km/L(X-Vパッケージ。X、Gは20.2km/L)に向上し、「平成32年度燃費基準」を達成した。一方で4WD車は2NRエンジンを搭載しても減税対象レベルまで燃費が向上しないため、コストを抑えるため若干の改良が施された既存の1NZ-FEエンジンのままとされた。同様にアイドリングストップ機能についても4WD車には装備されない。プラットフォームは、フロントにアクア用のBプラットフォーム、リヤにはウィッシュ(2代目)用のMCプラットフォームを低床化した物を使用している。なお、このモデルはホイールのサイズが先代の4穴からPCDは100のまま5穴に変更された。安全面も強化し、レーザーレーダーと単眼カメラを組み合わせた2つのセンサーを採用し、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ(PCS)、レーンディパーチャーアラート(LDA)、オートマチックハイビーム(AHB)の3つで構成され、付帯機能として先行車発進告知機能も設定した衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C(トヨタ・セーフティー・センス・シー)」を全車にメーカーオプション設定した。さらに、ガソリンエンジンモデルには先代同様ウェルキャブが設定されているが、2代目は「車いす仕様車(タイプI)"助手席側セカンドシート付"」が型式指定自動車として通常仕様と共にカタロググレードにラインナップ。持ち込み登録の手間が省かれ、納車までの期間が短縮されるメリットがある。リクライニング機構付車いすなど、多様な車いすの乗車に対応したほか、後輪にエアサスペンションを採用した車高降下機構により9.5度の緩やかなスロープ角度を実現した。また、サードシートを無くし、セカンドシートを専用設計に変更。助手席側のセカンドシートを倒して車いすごと乗り込み、その隣に介助ができるほか、手動スロープ前倒れ機能の採用により、普段はラゲッジスペースを確保した2列5人乗りのミニバン(=トールワゴン)として利用できる。また、ボディカラーは車いす仕様車専用色の「スーパーホワイトII」が設定される。
出典:wikipedia
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