『世界崩壊の序曲』(せかいほうかいのじょきょく)は、1980年のアメリカ合衆国のパニック映画。原題 "When Time Ran Out" 、日本・フィリピン等公開版の英語タイトルは、 "The Day the World Ended" 。アーウィン・アレン制作、ジェームズ・ゴールドストーン監督、ポール・ニューマン主演。ワーナー・ブラザーズ作品。南太平洋カラルー島で油田採掘を行っていたハンク・アンダーソン(ポール・ニューマン)は、島にあるマウナ・タイ火山が噴火する兆候を認め、島の有力者でリゾート・ホテルを新規開業したボブ・スパングラー(ジェームズ・フランシスカス)に警告に赴く。折りしも島には、世界的ホテル王シェルビー・ギルモア(ウィリアム・ホールデン)と、その宣伝部長でハンクの元恋人ケイ・カービー(ジャクリーン・ビセット)が、ホテルの視察に訪れていた。ボブは事態を軽視するが、噴火は勃発。ハンクは島の反対側への避難を提案するが、ボブはホテルにとどまる方が安全だと主張する。ハンクは、ケイ、シェルビー、横領容疑者フランシス・フェンドリー(レッド・バトンズ)と彼を追ってきたニューヨーク市警の刑事トム・コンティ(アーネスト・ボーグナイン)、元サーカスの綱渡り師ルネ・バルデス(バージェス・メレディス)らと共に避難を開始するが……。『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)や『タワーリング・インフェルノ』(1974)のアーウィン・アレンが制作したパニック映画である。原作は、ドキュメンタリーを多数執筆しているゴードン・トーマスとマックス・モーガン・ウィッツの『世界最後の日』( "The Day the World Ended" )で、1902年のマルティニークのプレー山大噴火を題材にしたものであった。これを、『戦場にかける橋』(1957)でアカデミー脚色賞を受賞したカール・フォアマンと、『夜の大捜査線』(1967)で同賞を受賞し『タワーリング・インフェルノ』も手がけたスターリング・シリファントが、舞台を現代の南太平洋の架空の島に移して脚色した。アレンは、今回は『ジェット・ローラー・コースター』(1977)のジェームズ・ゴールドストーンを監督に起用した。音楽は『スパイ大作戦』『燃えよドラゴン』、パニック映画では『エアポート'80』を手がけたラロ・シフリンであった。出演は『タワーリング・インフェルノ』でも共演したポール・ニューマンとウィリアム・ホールデン、『大空港』(1970)や『ザ・ディープ』(1977)のジャクリーン・ビセット、『続・猿の惑星』(1970)や『コンコルド』(1979)のジェームズ・フランシスカス、『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)のアーネスト・ボーグナインとレッド・バトンズ、シーラ・アレン、『ポセイドン・アドベンチャー2』のベロニカ・ハメル、『ヒンデンブルグ』(1975)や『ロッキー』シリーズのバージェス・メレディスら、アレン作品を含め、他のパニック映画にも出演している名優を揃えたオールスター・キャストであった。このように充実したスタッフとキャストを結集し、2,000万ドルの予算をかけた大作であったが、興行収入は170万ドルという惨憺たる結果に終わってしまった。このためアレンは、映画制作から撤退を余儀なくされ、本作は彼の手がけた最後の劇場映画となった。原因は、『ポセイドン・アドベンチャー』と『タワーリング・インフェルノ』を足して二で割ったようなストーリーの貧弱さや、肝心なスペクタクル・シーンの迫力の無さなどが上げられている。特にクライマックスの崩壊した橋を渡るシーンは、ひと目でスタジオ撮影とわかるほど出来栄えが悪く、サーカスの綱渡り師と紹介されていたメレディスが活躍するという予想通りの展開になるうえ、ニューマンのアクションは『タワーリング・インフェルノ』の非常階段のシーンの焼き直しという、見ごたえに乏しいものであった。批評家からは酷評され、今日にいたるまで「史上最低のパニック映画」とさえ言われることが多く、弁護する声はほとんど聞かれないという稀有な作品である。主演のニューマンさえも、後に出演したことを後悔した旨の発言を行っている。なお、劇中に登場するホテルのシーンは、ハワイ島のコナ・サーフ・ホテル(現在は改装されシェラトン・ケアウホウ・ベイ・リゾート&スパとなっている)でロケが行われ、火山噴火の映像は、同島のキラウエア火山のものが使用されている。役名 - 俳優(日本語吹替声優)として記述。日本語吹替は1984年7月29日にテレビ朝日『日曜洋画劇場』で初放送されたもの。
出典:wikipedia
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