『閉鎖都市 巴里』(へいさとし ぱり)は、川上稔の代表作『都市シリーズ』の作品。異世界の仏蘭西を舞台にした小説。前作『奏(騒)楽都市OSAKA』とは異なり、日記や手紙などで綴られる形式をとっている。全てが文字情報によって存在する「巴里」は、第二次世界大戦中、「独逸軍」の放った兵器によって、1944年の1年間を繰り返す「閉鎖都市」となっていた。ベレッタ・マクワイルドは、「騎」と呼ばれる人型の機械の一種「重騎」を操る少女である。重騎はこの世界において戦場での象徴・旗印としての役割を担う重要な存在とされている。彼女は、幻の重騎開発計画「A計画」とそれに関わったと思われる祖父、ジャック・マクワイルドの謎を追い、54回の回帰を行った巴里へと留学する。そこでベレッタは不思議な等身大の人型機械、「自動人形」と呼ばれるロゼッタと出会う。ロゼッタと付き合い、A計画を調べていくうちにベレッタは、巴里を閉鎖から解放出来ないかと思うようになっていく。都市世界における、フランスの首都パリのこと。元来、巴里は「あらゆるものが文字情報によってのみ存在する」という特性を持つ都市だった。住人達はそれを活かし、最も正確で安全に己の情報を作り、秘め、そして発信する為に数百年前から結界を張っており、それによる閉鎖から「閉鎖都市」と呼ばれていた。しかし1944年の第二次世界大戦中、独逸軍によって占領された巴里で新たな閉鎖が発動する。正確には1944年8月6日午前5時32分18秒、独逸軍の支配を破る為に連合軍が仕掛けた解放戦の中、独逸軍が持ち込んでいた言詞爆弾が爆発したのである。それによって時空間の遺伝詞が変質し、巴里は「市外の時間を無視し、都市内部の1943年の8月から1944年の8月までの1年間を繰り返す」という、第二の「閉鎖」を起こした。後の1963年、電詞都市DTの遺伝詞解析技術によって出入りが可能となる。しかし持ち込める物品は「1944年当時に存在していた物」に限られ、しかも一度持ち込まれた物品は都市の免疫機構によって二度と持ち込む事は出来ない。それは人間も類に漏れず、一人の人間が巴里に入れるのは生涯に一度だけである。免疫機構は年々強まっており、次第に持ち込める物品は限られ、最終的にはあらゆるものが入り込めない完全な閉鎖都市になるとされている。上記のように、巴里本来の特性は「市内においては、あらゆるものが文字情報によってのみ存在する」という事である。人間や物品を問わず、万物が三次元に物体として存在するのではなく、文字よる単語や形容詞によってのみ存在と個性を立証される。住人達は「加詞筆」と「詞認筆」によって行動し、日記をつける事で己の生活を立証する。故に個人単位でのボキャブラリや想像力が非常に重要であり、主観と現実に齟齬が生じ易い都市である。またこれとは別に、仏蘭西全体の個性として「騎の開発に古くから携わっている」という特性がある。巴里内部にて言詞爆弾の爆発に巻き込まれた人間は連環の一端となっており、時間の回帰に気付く事もなく、毎回同じように生活し、同じ様に死んでいく。外部から入り込んだ人間が巴里内部で死んだ場合、回帰の際に存在が消滅する。生きていた場合もその時点で巴里に気付かれ、「余計なもの」として市外に排斥され、二度と入る事は出来なくなる。巴里の住人ではあるものの、何らかの要因で言詞爆弾の爆発に居合わせなかった為に連環から免れた者達は「第一の避難者」と呼ばれる。英語で「ミドル・バレル」、仏語で「フォルマ・デ・マリオネッタ」、独語で「ミッテル・パンツァー」と読む。英語で「ライト・バレル」、仏語で「レジェ・デ・マリオネッタ」、独語で「クライン・パンツァー」と読む。
出典:wikipedia
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