第3世代光ディスクは、光ディスクのうち、主に2000年代に登場し、記録・再生に青紫色半導体レーザーを使用するものである。片面1層の12cmディスクの場合で最大25GB程度の容量がある。映像記録用途では、HDTV画質に適する。主要な第3世代光ディスクとしてBlu-ray Disc(BD)とHD DVDがあり、本項目では主にこの2者について記述する。その他の第3世代規格については光ディスクの項目を参照のこと。日本のメーカーを中心にアメリカの映画会社やパソコン会社などが両陣営に分かれて規格争いを繰り広げ、かつてのベータマックス・VHSによる家庭用VTRの規格競争を彷彿とさせていたが、東芝のHD DVD事業終息に伴い事実上Blu-ray Discの1規格に収束した。第3世代光ディスクが実現されていなかった時代には、当時主流であったDVD(第2世代光ディスク)の次世代の光ディスクとなることから次世代DVDと一般に呼ばれることがあった。また「新世代DVD」「高精細ビデオディスク」などと呼ばれることもあり、これらの総称はいずれも正式なものではない。DVDと共通する基本構造・用途を持ちながら、デジタルハイビジョン映像の長時間収録が可能な大容量を実現している。Blu-ray DiscはBlu-ray Disc Association(Blu-ray Disc Foundersより改称)により策定されており、HD DVDはこれまでDVD規格を策定してきたDVDフォーラムによって策定された。そのためDVDの直接の後継となる規格はHD DVDのみであり、Blu-ray Discは独自に開発が行われている。HD DVD・Blu-ray Discの呼称がまだ消費者に浸透していないため日本のマスメディアではそれぞれの規格を支持している代表的な企業の名称を示し、「東芝陣営」「ソニー・パナソニック陣営」と併記されることも多い。2007年6月に発表された「次世代DVD」に関するアンケート調査では、ソニーやパナソニック、シャープなどの広告戦略によって「ブルーレイ」は徐々に認知されつつあるが、HD DVDはハードディスク(HD)や従来のDVDと混同されやすく分かりにくかったのではないかと言われていた。このような誤解を持った回答者が多かったため、一部項目ではHD DVDに関する有効なデータが得られなかったという。Blu-ray DiscとHD DVDは本来互換性がないが、共通する技術が数多く使用されている。ともに直径12cmまたは8cm、厚さ1.2mmの円盤状で素材は主にプラスチックからなる。読み取りには波長405nmの青紫色のレーザーを用いている。なおCDでは波長780nmの赤外線レーザー、DVDでは650nmの赤色レーザーを用いており、より波長の短いレーザーを用いることで高密度の読み取りを可能にしている。いずれもビデオ規格では、多重化フォーマットとしてMPEG-2トランスポートストリームが採用され、また、映像コーデックとしてH.264/MPEG-4 AVCやVC-1が採用され、主に1920×1080ドットの映像が収録される。音声コーデックには従来のDVDと同じドルビーデジタル・DTS・リニアPCM(ただしDVDよりも高いビットレートやマルチチャンネルのPCMを収録可能)、さらに新世代のコーデックとしてドルビーデジタルプラス、ドルビーTrueHD、DTS-HDが採用されている。著作権保護技術はどちらもAACS(Advanced Access Content System)を採用する。完全にコピーを禁止しているわけではなく、マネージドコピー(著作権者が許可する範囲内でハードディスクなどにコピーできる)に対応している。ただし、現在もAACSは暫定的なライセンスでありマネージドコピーは使用できない。HD DVDとBlu-ray Discでは物理的には記録層の深さ(保護層の厚さ)の違いがあり、HD DVDではDVDと同じ0.6mm厚であるのに対しBlu-ray Discは0.1mm厚である。この違いが様々な影響をもたらしている。現在、HD DVDではプレーヤーにおいて新世代のサラウンド音声フォーマットであるドルビーデジタルプラスとドルビーTrueHD 2chのデコードが必須であるが、Blu-ray Discのプレーヤーではオプション扱いである。もっとも、これらの音声フォーマットに対応したAVアンプは2007年6月に発売されたばかりで需要が非常に限られる上、PCMマルチチャンネル音声を収録した物や両者のプレーヤーの必須・オプションに無関係にロスレスサラウンドを収録する物、実質的にはBlu-ray Discプレーヤーでもデコード可能な音声フォーマットの範囲が拡大していること等、両者の決定的な違いには至らなかった。なおDTS-HDは両フォーマットともオプション扱いである。DVD-Videoに比べて広範な機能を搭載できるインタラクティブ技術はBlu-ray DiscはJavaを基にしたBlu-ray Disc Java(BD-J)を、HD DVDはマイクロソフトが開発したHDiを採用している。現在、ピクチャーインピクチャーやインターネット接続などの機能はBlu-ray DiscではオプションでHD DVDでは必須となっており、製品化当初から標準規格化されていたHD DVDが先行している。著作権保護技術に関して、Blu-ray DiscではAACSに加えより万全に海賊版対策ができる技術「BD+」を必須採用している。BD+を搭載した映像ソフトは2007年10月に登場し始めた。下表の太字は一方を独占的に支持していた企業を表す。太字でないものは両陣営に参入していた企業を表すが、どちらかと言えば片方の陣営に近いと考えられる場合はそちらに含めている。いずれも2008年2月19日終結時点のものであり、規格争い終結後の移動・離脱は変更しない。両規格が分裂したまま製品化された結果、VHS対ベータマックスの規格争いと同様に、BDが圧倒的に普及してHD DVDが淘汰された。また、技術面でのハードルが比較的少ないため、DVD-RAM/-RW/-R対DVD+RW/+Rと同様に、BDとHD DVDの両対応機器も一部存在した。2006年、本格的な製品が発売された当時からBlu-ray Disc有利と言われ続けていた。HD DVD・BDの再生/記録機器はDVDにも対応しているが、メディア側でも従来のDVD機器への互換性を保とうとする動きがある。HD DVDで製品化されているツインフォーマットディスクがその例である。バンダイビジュアルは「BD+DVD」または「HD DVD+DVD」の2枚組製品を発売することを決めた。またこれらの製品は現在流通している「BD用ケース」または「HD DVD用ケース」ではなく主に市販のDVDに用いられるトールケースを採用しているため、一般的なBD/HD DVDソフトとはケースのサイズが異なり、判りづらいという指摘や、サイズを一般的な「BD(HD DVD)用ケース」に合わせてほしいという意見も多い。その後、バンダイビジュアルは販売形態をBDに一本化し、「BD+DVD」で販売されていた製品をBD単品で再発売する予定である。2006年、LG電子とサムスン電子がBlu-ray DiscとHD DVDの両方を再生可能なプレーヤーを発表し、2007年前半に発売された。またPC用のBD記録再生・HD DVD-ROM再生に対応したドライブが製品化され、2007年後半以降に市場に出回っている。双方の書き込み規格に対応可能なピックアップレンズやLSIが製品化されているが、HD DVDは書き込み規格の製品化が進まないまま2008年3月で終息し、双方の書き込みに対応するドライブやレコーダーは未発売のままとなった。2007年1月、両規格を支持するワーナー・ブラザーズがBlu-ray Disc・HD DVDの双方を両面に記録した再生専用ディスク「Total Hi Def」(略:Total HD、THD)を発表した。しかし以下のような理由で多くの冷ややかな反応・批判を受けていた。これらの反響を受けてか、ワーナーは2007年6月、同年後半としていたTotal Hi Defの発売を2008年に延期した。さらに2008年1月にワーナーがHD DVD撤退を発表し、Total Hi Defソフトが継続的に発売される可能性はほぼ無くなった。開発が既に打ち切られたとの情報もある。第3世代光ディスクにおいてBDがデファクトスタンダードとなったのち、その容量を上回るUSBフラッシュメモリの登場と価格低下からフラッシュメモリとの競合を指摘したり、ハードディスクドライブの大容量化と光ファイバー網の広がりから、ネット配信との競合を指摘する声も根強いが、コンテンツ保存用メディアとして比較した場合、2008年3月時点で、USBフラッシュメモリはBDメディアの価格と比較して数倍のコストが掛かる。またハードディスクドライブは容量あたりの単価は安いが、その構造上耐久性に問題が多い。ネット配信によるオンデマンド配信も、コンテンツを保存する場合は上記の問題が当て嵌まるほか、ネット配信を快適に楽しむには高速なネット環境が必要となる。特にストリーミング形式の場合、通信速度が低い場合はコンテンツの再生すらできないこともある。デジタルコンテンツの配信、保存に重要なファクターとなるコピー制御に関しても、ハードディスクやネット配信はともかくとして、フラッシュメモリについては、特に家電向け据付録画機の分野において普及したコピー制御技術が日本では存在しないか主流となっておらず、そのためコピー制御の掛かっているデジタルコンテンツをフラッシュメモリに格納してやり取りすると言うスタイルは、携帯機器向けに品質を大幅に落としたダウンコンバートを施してコピーすると言う場合以外には、特に家電向け据付録画機の分野において一般的ではない。
出典:wikipedia
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