『ジョン・ウェズリー・ハーディング』()は、1967年にリリースされたボブ・ディラン8作目のスタジオ・アルバム。ビルボード・トップ LP's チャートで最高2位、全英アルバム・チャートで1位を記録した。RIAAによりプラチナ・ディスクに認定されている。『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』に於いて、303位にランクイン。モーターサイクル事故後、隠遁生活を送っていたディランによる、久々のオリジナル・アルバムは、従来の攻撃的な音が影を潜めた渋いものとなった。伴奏も生ギターとハーモニカのみ(最後の2曲は、チャーリー・マッコイ演じるアコースティック・ギターとドラムス入り)というシンプルなもので、ディランのフォーク回帰も囁かれた。だが、それぞれの曲には暗示的な意味があり、以前のプロテストソングのような直接的な表現は見られず、ディラン自身がアメリカ先住民と共に立つアルバムのカバージャケットの写真も含め、一筋縄でいかない面がある。アルバムタイトルの「ジョン・ウェズリー・ハーディング」は実在したアウトロー、ジョン・ウェズリー・ハーディンから採ったとされるが、米史上最悪の大統領の一人とされるウォレン・ハーディングのことを示しているとも言われている。漂流者・移民・ペテン師・泥棒・ホーボーなど、疎外された者の立場から歌われる作品が多く、療養生活を契機とした原点回帰志向を示すものと考えられる。「見張塔からずっと」はディランの社会観を切り詰めた歌詞と冴えた旋律で集約したもので彼の代表作の一つとされる。多くのミュージシャンにカバーされ、特にジミ・ヘンドリックスの『エレクトリック・レディランド』(1968年)におけるバージョンが有名でディラン自身が以後の演奏ではこのバージョンを参考にしている。また、「あわれな移民」も哀調を帯びたワルツに乗せて疎外された内面の矛盾を深く描いた秀作である。「聖オーガスチンを夢で見た」は隠遁中にザ・バンドとともに録音された「アカプルコに行こう」を基としている。原曲はアルバム『地下室(ザ・ベースメント・テープス)』(1975年)に収録。「拝啓地主様」はディランが遭遇した強欲な音楽関係者を諷したものと言われている。「入り江に沿って」と「アイル・ビー・ユア・ベイビー・トゥナイト」はカントリー音楽の影響が強く、次作の『ナッシュヴィル・スカイライン』(1969年)の序奏ともいうべきものである。アルバムは、1968年2月17日付『ビルボード』誌「トップ LP's」チャートで最高2位、全英アルバム・チャートで1位を記録した。アメリカ・レコード協会 RIAA により1968年3月19日にゴールド・ディスク、2001年8月16日にプラチナ・ディスクに認定されている。『ローリング・ストーン』誌が2003年に選んだ「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では301位にランクされている。2004年、再発CDがオリコン・チャートで最高261位を記録した。
出典:wikipedia
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