地方警察(ちほうけいさつ、"Landespolizei"、LaPo)とは、ドイツ連邦におけるドイツの州(Bundesländer)が管轄する法の執行機関のことを示し、日本における都道府県警察に相当するものである。地方警察の歴史は、19世紀のドイツにさかのぼる。この時、ドイツ内の個々の王国は様々な警察力を保持していた。その中で大きい組織として、プロイセン秘密警察とバイエルン州警察があった。ドイツが、オットー・フォン・ビスマルクの元、1つの国になった時、それぞれの国々と他の州レベルの警察組織は、「地方警察」(Landespolizei)や町や都市が維持している都市警察となった。ナチス・ドイツの下では、全ての州および都市の警察力は、1936年から1945年まで存在した秩序警察(Ordnungspolizei)に吸収された。第二次世界大戦が終わり、西ドイツでは、地方警察をそれぞれの州において再構築した。東ドイツでは、人民警察(Volkspolizei)の形で統一的な国家の警察力を維持した。しかし、これは1991年のドイツの再統合により解散された。全ての州の警察組織は州の内務大臣の下に属している。これらの警察組織の構造は州により異なっているが、ここでは標準的な場合について述べる。通常、内務大臣に直属するのが地方警察本部である。これらは広いエリアや大きな都市の活動を指揮し、管理を行う機能を保有している。警察本部は直接指揮が可能な特殊な警官隊を保有している。これは、ハイウェイパトロールであったり、騎乗警官であったり、警察犬の部隊であったりする。この地方の本部の下に、いくつかの地区警察本部("Direktionen")が存在し、これは、20万から60万の人々に対して1つの割合で存在する。それぞれの地区警察本部の下には、24時間警官が存在し、日々の警察業務を指揮し、市民との接点である小地区警察署("Inspektion")や特定地区署("Revier")が存在している。この下には、交番("Polizeiposten")と呼ばれる昼間の間のみ1人か2人の警官がいる小さな警察署が存在する。地方警察の警官は、その右胸のポケットの上に金属製の都市のバッジを制服の袖に州のパッチを縫いつけることがある。警察官は州内ならどこへでもいくことができるが、この全ては地方警察にとって必要な要素となっている。地方警察は次のカテゴリーに分けることができる。それぞれの州と連邦警察はその人員に対する基本的な警察の訓練を行なう。この訓練の長さと完璧さは、ドイツにおける警察の専門性を高い水準に保たせている。警察の任務の全ての点を教育するには時間がかかるが、早急な専門化を避け、警官に広い視野での考えをさせ、職種の簡単な変更を可能にし、昇進の機会を与えるための「制服組のキャリア構造」を採用している。ドイツの市民権はドイツの警官になるためには必要とされない。大都市での警察の部署は言語や文化の壁を減ずるため、職員を少数民族から採用しようとする傾向がある。しかし、少数民族のものは、その職員数の約1パーセント未満しか存在しない。「地方」警察は第二次世界大戦後再編成された時より、女性の職員も採用した。最初は、女性の警官は青少年や女性が関連した事件を担当していたが、1970年代の中ごろには、巡査となることが許された。最も女性巡査の多いブランデンブルクでは、19%の比率で、最も少ないサールでは7%の比率である。現在、警察学校における志願者の40~50%が女性で、この比率は上昇する傾向がある。大部分の警官は、学校を卒業後直接採用され、2年半警察学校で過ごし、教室での授業と警察署や機動隊における職場での訓練を行なう。これらの警官は通常の警官となり、緑色(もしくは、新しいライトブルー)の制服に星を肩のストラップにつける。この星は、警察における最初の階級を示している。巡査としての任務の後、目立つ記録や経験が豊富なものは(1つ銀星の)「警部補」(Polizeikommissar)としてはじめ、将来的には4つ銀星もしくは5つ銀星の「警部」(Polizeihauptkommissar)となるための資格を得るために、高等警察学校や警察大学で2年か3年の通うことができる。大学入学の資格(Abitur)をもって採用された高校の卒業生はこれらのコースを受けることも可能である。ヘッセン州の様な一部の州では、全ての警官に対して賃金の上昇と昇進の機会を与えるため、これらのコースの訓練を行っている。警察の管理職にふさわしい候補となった少数の者は、州もしくは連邦警察大学で1年学び、連邦の内務省と各州が共同で管理しミュンスター・ヒルトラップ(Münster-Hiltrup)にある警察指導者大学(Polizeiführungsakademie、PFA)で1年学ぶ。管理職は、1つ金星の警視(Polizeirat)から始まり、一番の頂点では、1つから3つの金星である制服警察の地方の警視監や、4つ金星である州警察の警視総監まで昇進する。PFAは2007年10月にドイツ警察大学(Deutsche Hochschule für Polizei)となり、その修士課程で「金の星」の資格を取ることになった。PFAは、上級警察職員に対して、専門的な職業訓練のコースを提供している。連邦刑事局(Bundeskriminalamt、BKA)や、連邦警察局(Bundespolizei、BPOL)は連邦所属の組織であり、地方警察所属の組織ではない。
出典:wikipedia
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