指物(さしもの)指物(さしもの、 )とは、釘などの接合道具を使わずに、木と木を組み合わせて作られた家具・建具・調度品などの総称であり、また、その技法をも指す。日本語による狭義では、日本の伝統工芸品の指物およびその技法のみを指す。日本でいう「指物」の名の由来については諸説あるが、ホゾや継ぎ手によって材を組むことを「指す」といい、また「物指し」を用いて細工するからともいわれる。指物の技術者を日本では指物師と呼ぶ。日本において伝統的な指物にはいくつかの流派とも呼べるものが存在するが、特に京都の京指物、東京(旧・江戸)の江戸指物、大阪の大阪唐木指物が有名である。平安時代の貴族文化に起源を持つ京指物は、室町時代以降、これを専門とする職人(指物師)が現れ、その後の茶道文化の確立とともに発展した。朝廷や公家が主に用いていたことから優雅かつ精緻な細工を特徴とする。無垢板(むくいた)を用いた箪笥・飾り棚・机などといった高級和家具のほか、桐・杉・欅・桑などといった木の素材を生かした箱物・板物・挽物(ひきもの)・曲物(まげもの)など茶道具を作成する。1976年(昭和51年)6月2日、京指物は木工品として経済産業大臣指定伝統的工芸品の指定を受けた。現代の主要製造地域は京都市のみである。江戸時代、徳川幕府は多くの職人を全国から呼び寄せ、江戸の神田・日本橋界隈に大工町・鍛冶町・紺屋町などといった職人町を造って手工業を発達させた。江戸時代の中頃には消費生活の発達につれて大工職の仕事は楢物師(ひものし)・戸障子師・宮殿師などに細分化されてゆき、その一つとして指物師も生まれた。江戸で発展した江戸指物は、武家や町人・商人に用いられることが多かった。その風土ゆえに華美な細工は好まれず、淡泊な木目に渋味をもつ漆塗りを施して素材の木目の美しさを活かしたものが好まれてきた。1997年(平成9年)5月14日、江戸指物は木工品として経済産業大臣指定伝統的工芸品の指定を受けた。現代の主要製造地域としては、東京都の台東区・荒川区・足立区・葛飾区・江東区がある。奈良時代に遣唐使を通じて日本に伝えられた唐木製品を起源とする。中国より伝えられた珍しい木が使われていたため、「唐の木」を用いた品であるとして「唐木(からき)」と呼び、それが「唐木指物」の名の元となったと考えられている。安土桃山時代の茶道や書院造りの発展と普及とともに産地形成されてゆく。江戸時代に入ると唐木材は全て長崎に運び込まれ、大坂(大阪)の薬種問屋がこれを引き受けた。大阪唐木製品は、伝統的技法を用いつつ現在の生活様式に合うよう工夫・改良されている。拭き漆を重ねることによって仕上げられる鏡のような光沢を持った表情と、唐木の重厚な存在感が特徴である。1977年(昭和52年)10月14日、大阪唐木指物は木工品として経済産業大臣指定伝統的工芸品の指定を受けた。現代の主要製造地域としては、大阪府のほか、兵庫県姫路市等、奈良県奈良市等、和歌山県有田市、および、福井県越前市の旧武生市域がある。
出典:wikipedia
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