グリーゼ581 (Gliese 581) は、太陽系から約20.40光年離れたM3V型の赤色矮星である。てんびん座の方角に位置しており、既知の恒星系の中では太陽から89番目に近い星系でもある。観測結果より6つの惑星、グリーゼ581e, b, c, d、それにfとgを持つ可能性が提示されており、そのうちc、d、gは(これらの惑星が実在するならば)ハビタブルゾーン内に存在していると考えられている。「グリーゼ581」という名称は、ドイツの天文学者、ヴィルヘルム・グリーゼによって1957年に編纂された、地球から20パーセク以内に位置する956の恒星を収録したグリーゼ近傍恒星カタログでの番号である。1863年にフリードリヒ・ヴィルヘルム・アルゲランダーらによって出版されたボン掃天星表 (BD catalogue) には「BD-07°4003」として記載されており、変光星としては「てんびん座HO星」(HO Librae) と呼ばれる。「グリーズ581」と表記されることもあるほか、「ウォルフ562」とも呼ばれる。シリウスやプロキオンのような個別の名称は付けられていない。この恒星はスペクトル分類がM3V型の赤色矮星で、地球から20.3光年離れた場所に存在する。てんびん座で最も明るい星(てんびん座β星)からは2度ほど北に位置する。その質量は太陽の三分の一程度と見積もられており、既知の恒星系の中では太陽から89番目に近い星系である。グリーゼ581のようなM型の赤色矮星は太陽に比べて質量が大幅に小さく、コアでの核融合反応の速度も大幅に遅い。その結果、表面温度は推定3500ケルビン、光度は太陽の僅か0.2%である。 しかし、グリーゼ581のような赤色矮星の放射は主に赤外線に近い830ナノメートル付近をピークとする領域で行われており(ウィーンの変位則による推定)、恒星のトータルの光度は過小評価されている可能性もある(太陽の放射のピークは530ナノメートル付近であり、これは可視光線の中心に位置する)。 また、放射線を含めた場合の絶対等級は、太陽光度の1.3%となる。この星系の惑星が地球と同程度のエネルギーを受け取るには、より恒星の近くに位置する必要がある。こうした地球と同じようなエネルギーを受け取れる恒星の周りの領域はハビタブルゾーンと呼ばれている。その範囲がどの程度かは議論が分かれており、また各惑星系ごとにその条件も大きく異なっている。グリーゼ581はりゅう座BY型の変光星としても分類されており、「てんびん座HO星」という名称が与えられている。これは、星の自転に伴い黒点が移動することなどにより明るさが変化するタイプの変光星である。しかし、観測された変化は誤差に近いレベルであり、仮に変化しているとしてももっと長期においてのものだと考えられている。 グリーゼ581はX線を放出している。2010年までに、地球の2倍から海王星程度の質量を持つ惑星が6個発見されている(ただしfとgについては後に存在を否定する研究結果が出されている。また、2014年にはグリーゼ581dに関しても恒星活動に由来するアーティファクトの可能性が高いとの指摘がなされ、その存在が疑問視されている)。惑星には発見順にb以降のアルファベットが振られている。以下では恒星に近い順に説明する。グリーゼ581の惑星系の観測には視線速度法が用いられている。視線速度法には惑星の質量を下限値としてしか定めることができない性質があるため、実際の質量は上記の値より大きくなる可能性がある。ただし、シミュレーションを用いた検証では、それぞれの惑星が下限値の2倍程度を超える質量を持つと軌道が安定しなくなることが示されているため、惑星の真の質量はそれ以下と考えられている。なお、このシミュレーションは各惑星が太陽系の惑星と同じように共通の平面上を公転していることを前提とする。
出典:wikipedia
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